2010年01月28日(木)放送

肺がん①

  天神会新古賀病院 林明宏(あきひろ)副院長
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肺がん①
医療情報をお届けしている医療健康ナビです。 今回から2回にわたり、肺がんの治療法についてお届けします。お話は新古賀病院の林明宏(あきひろ)副院長です。

肺がんは日本人のがんで最も死亡者が多く、治療の難しいがんの代表と言われます。 佐賀県内でも2007年度に肺がんで亡くなった方は508人、人口10万人単位では59.3と、全国ワースト12位です。   しかしその肺がんも診断法や治療法がここ20年ほどで進歩し、5年生存率などの治療成績も徐々に向上しています。

◆どんな点が治療成績の向上に繋がったのですか?
福山尚哉院長:まずは診断面からご説明いたします。 第一に,画像診断ではなんと言ってもCT装置の高性能化です。これにより非常に短時間で鮮明なCT画像を撮影することができるようになりました。その他ではPET検査の導入も有意義です。 こうしたCTやPET検査を検診、人間ドックに導入することで、より多くの早期肺癌が発見されるようになりました。また、癌病巣から細胞や組織を採取する気管支鏡や胸腔鏡検査もとても進歩しました。 高性能のファイバースコープの開発で,より細い気管支への挿入が可能となりました。 それに加え、CTでバーチャル気管支鏡像を合成し,それを用いてカーナビのようにファイバースコープを癌病巣に誘導できるようになり、命中精度が向上しました。


◆手術による治療法は次回詳しく伺います。きょうは手術以外の治療法の現状について教えて下さい。
福山尚哉院長:20年ほど前までは肺癌に対して有効な抗癌剤はほとんどなく,進行肺癌の治療成績は極めて不良でした。しかしその後,いくつかの新しい抗癌剤が開発されたことにより,薬物療法の成績は確実に良くなっています。 進行肺癌に対しては,一般的には,プラチナ製剤を含めた2種類の抗癌剤の組み合わせで治療を行い,場合によってはそれに放射線を併用します。 しかし,残念ながら,現在の抗癌剤では,進行肺癌を完全に治してしまうほどの効果は期待できません。 一方,薬物療法においてのトピックスは『分子標的治療薬』と呼ばれる薬の開発です. それらの薬は、従来の抗癌剤とは違って,癌細胞自身が持っているの性質を逆手に取って、選択的に癌細胞の増殖を抑えるという特徴があります。 現在,肺癌患者に投与されている分子標的薬はイレッサ,タルセバ,アバスチンの3種類です. その中で,イレッサが最も多くの患者さんに投与され,時には極めて有効な症例があります。一般的にはイレッサはタバコを吸わないアジア人、女性の腺癌症例に有効な場合が多く、研究の結果、それらの有効症例では肺がん細胞自身に特定の遺伝子異常があるということも明らかになってきました。



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