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2026.05.24

佐賀の商店街を盛り上げる「おじさんトレカ」とは?子どもたちも夢中になる街のヒーローカード

1枚100円で買えるのは、まさかの“街のおじさん”――。

佐賀市の商店街で始まったユニークな企画「おじさんトレカ」が、いま大きな話題を呼んでいます。登場するのは、地域で働く実在のおじさんたち。個性あふれるプロフィールや特技がカードになり、今年4月の販売開始から、すでに1,000枚以上を売り上げる人気ぶりです。

中には、子どもたちがおじさん本人に「サインください!」と声をかける微笑ましい場面も。カード1枚をきっかけに生まれる交流が、商店街に新たなにぎわいを生み出しています。

地域を元気にする“おじさんパワー”とは――。今、佐賀の商店街で起きているユニークなムーブメントに迫ります。

実在するおじさんがカードになった

「おじさんトレカ」は、1枚100円で購入できるトレーディングカード。現在は全45種類が展開されており、佐賀市中心商店街で働く“リアルなおじさん”たちが、実名・実写でカード化されています。※全48種の予定

カードにはキャラクターネームはもちろん、必殺技の名前や攻撃力まで記載された本格仕様。まるでアニメやゲームに登場するカードのようなデザインで、どのカードが出るかは開けてからのお楽しみです。

今では商店街を歩けば目に入る、“新たな名物”として存在感を放っています。

企画の発案者は商店連盟の会長

この企画を立ち上げたのは、県庁通り商店連盟の会長を務める石川さん。
「トレカで街中を盛り上げたい」という思いを以前から抱いていた中、知人を通じて福岡で行われていた同様の取り組みを知ったことがきっかけだったといいます。

「実際に会いに行って、“真似していいですか?”って聞いて、それで始めました」

そう笑顔で話す石川さん。商店街の活性化や、新たな来店のきっかけづくりを目指し、企画が本格的に動き出しました。

カード制作には学生たちも参加。男女の学生が商店街の店舗を一軒一軒訪ね、店主たちにインタビューを実施しました。趣味や特技、お店の歴史など、およそ50項目にわたる質問を通して人物像を掘り下げ、その情報をもとに3人でカードの内容を作り上げていったそうです。

「あくまで前提は、若者が普段行ったことのない店に入って、店主と話したりインタビューしたりする中で、“こんなお店があるんだ”という発見につながればという思いでした」

丁寧な取材を重ねながら、完成までにかかった期間はおよそ1年。そこには、商店街への愛情と、おじさんたち一人ひとりの個性がぎゅっと詰まっています。

販売場所は商店街各所に広がる

「おじさんトレカ」の販売ボックスは、特定の1店舗だけでなく、佐賀市旧市内の商店街を中心に複数の店舗へ設置されています。

県庁通り商店街をはじめ、唐人町商店街、白山名店街、呉服元町エリアなど、さまざまなお店で購入することができ、街歩きをしながら“推しのおじさん”を探す楽しさも魅力のひとつです。

その人気ぶりは予想以上で、設置から数日でカードボックスが完売した店舗もあるほど。さらに、ホログラム仕様の“キラキラカード”も用意されており、子どもたちの間では特にレアカードとして大人気を集めています。

カードになったおじさんたちの反響

カード化された“おじさん”たちのもとには、思わぬうれしい変化も生まれています。

餃子店を営む「ギョザマル」さんのカードには、必殺技「じゅうじゅうプレス」や、“特殊な皮でダメージを半減する”というユニークな防御技まで記載。遊び心たっぷりの内容が、そのまま店のPRにもつながっているそうです。

実際にカードを手にしたお客さんから、「サインください!」と声をかけられることもあるのだとか。

また、古民家カフェを営む「ゴフクブレンドン」さんも、「思った以上に、みなさん引いていかれるんですよ」と驚いた様子。

中には、常連客が自分のカードを求めて40枚以上購入してくれたこともあったそうで、「なんか有名人になった気分ですね」と笑顔を見せます。

さらに、「このサイン、おかげさまでだいぶ上手になりました」と話す姿からは、商店街全体でこの企画を楽しんでいる空気感が伝わってきました。

「推しおじさん」で盛り上がる

「おじさんトレカ」が今、予想以上の盛り上がりを見せているのが、子どもたちの間です。

特別に教室を借りて取材を行うと、そこには大量のカードを手に大興奮する子どもたちの姿が。カードを使って“バトル”を楽しむ子もいれば、ファイルにきれいに並べてコレクションする子もいて、その楽しみ方はさまざまです。

中には、おじさん本人から直筆サインをもらった子どもも。

「ファイルに入れたら特別な感じがする」
「私たちの中では、おじさんが有名人みたい」

そんな声からは、カードを通じて生まれた憧れや親しみが伝わってきます。

カード1枚をきっかけに、子どもたちと商店街の距離がぐっと近づいているようです。

カード1枚が、街のコミュニケーションを変えていく

企画者の石川さんは、子どもたちの熱狂ぶりを目の当たりにし、うれしそうにこう語ります。

「リアルにそう感じてもらえるのはすごく嬉しいですね。本当に狙っていた、“地域のおじさんを身近に感じて遊んでくれる”という形になっているので」

さらに、企画にはもうひとつ大きな意味があると話します。

「今って、街中で子どもに気軽に話しかけづらい時代じゃないですか。でも、このカードがあることで、“あ、見たことある!”って子どもたちから声をかけてくれるようになったと、おじさんたちから聞くんです。コミュニケーションツールのひとつになっているのかなと思います」

子どもたちだけでなく、カードになった“おじさん”本人たちにも、少しずつ変化が生まれているそうです。

「おじさんたちのモチベーションも、ちょっと上がっているんじゃないかなって。そういう姿を見るのも嬉しいですね」

そう笑顔で話す石川さん。

この企画は当初、「2年くらいかけて、ゆっくり広まっていけばいい」と考えていたといいます。
ところが、販売開始後すぐに設置店舗4店から「もうなくなったので追加を」と連絡が入るなど、予想を上回る反響が。

現在までの売り上げは、すでに1,000枚を突破。
子どもたちの心をつかんだ“おじさんカード”は、地域の大人たちにも新たな活気を生み出しているようです。

まとめ

カード1枚が、街のおじさんを“ヒーロー”に変え、子どもたちと地域の大人をつなぐ架け橋になっている「おじさんトレカ」。

何気なくすれ違っていた商店街の人たちが、“会いに行きたくなる存在”へと変わっていく――。この企画には、地域だからこそ生まれる温かな交流が詰まっています。

佐賀市中心商店街を訪れた際は、ぜひ“どのおじさんが出るのか”というワクワク感とともに、トレカを引くドキドキを体験してみてください。

あなたの“推しおじさん”に出会えるかもしれません。

【2026年5月20日放送 かちかちLIVE すいようキャッチ! より】

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