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ふるさと納税“新市場”に運用追いつかず 80億円規模か 佐賀県

先週、武雄市のふるさと納税の返礼品2万8千件で発送が遅れていることが明らかになりました。今回の問題について、取材した記者に解説してもらいます。

今回、発送が遅延しているのは、武雄市の返礼品さがびよりや牛肉などあわせておよそ2万8千件です。これはすべて佐賀市に本社がありふるさと納税の受付や返礼品の調達などを事業としているA社が調達することになっていたのが、調達が出来なかったということです。

(アナ)この業者が、おととしにも返礼品の遅延を招いていたという話ですが。

(記者)はい。このA社は以前、武雄市からふるさと納税の返礼品の仕入れや発送などの業務を全般的に請け負う委託事業者になっていました。しかしおととし4月、このA社が担当していた福岡県直方市で1300件、武雄市でも300件の発送遅延が発覚して、その後の6月、市は委託する業者をB社に変更していました。しかし今回は、このB社に対して返礼品用の品物を納入する80社ほどある返礼品提供事業者の一つとしてA社が入っていました。

(アナ)おととしにも遅延を招いていたことがあったのに今回提供事業者に入っていた経緯というのはどうだったんでしょうか

(記者)おととし6月に委託事業者がB社に変わった翌月7月に、A社を提供事業者に入れたいという提案がB社から市にあったそうです。提供事業者は直接市と契約を結ぶわけではないのですが、市としての審査手続きが課されます。そこには会社として税金の滞納が無いことの証明書の提出や暴力団と関わりが無いことの誓約書の提出などがあります。またその他全体的に事業者として妥当であるかを市が判断することになっているのですが、その当時のA社に対しての判断について、市は会見でこのように説明しています。

【武雄市・庭木淳企画部長】「そこで排除するということは考えていない。(おととし4月の)その後も遅延なく適切な返礼品の提供をなされていたので、そこを採用しないとは考えていませんでした」

(記者)市が言うには、おととし4月の遅延はそれほど時間がかからず対応・解決されたこともあり、提供業者になるのを断る理由は当時は無かったとしています。しかし、武雄市の昨年度1年間のふるさと納税受注件数8万2千件のうちA社が提供する分が5万4千件を占めていて、最大の提供業者となっていました。そのうち2万8千件分が遅延してしまったということです。

(アナ)実態としてA社が大きなウェイトを占めていた関係は変わっていなかったということだと思いますが、自治体のふるさと納税業務は民間の多くの業者の協力を得ながら行われているということですね。

(記者)はい。鹿島市などは委託事業者を置かずに返礼品提供事業者と自治体が直接やりとりして運用しているのですが、県内の多くの自治体は一括して業務委託している事業者を置いています。武雄市の場合は民間の会社ですが、佐賀市などは市観光協会、有田町は商工会議所など公的な経済団体に委託しているケースもあります。提供事業者としては、どの自治体も数十社、多いところでは100社以上が存在しています。

(アナ)返礼品の品物を提供するためにそんなに多くの事業者が関わっているんですね。佐賀県はふるさと納税額の上位市町村にもあがっているので他の県と比べて競争熱も高そうですね。

(記者)佐賀県のふるさと納税佐賀県は、2019年度(一昨年度)のふるさと納税の寄付受付額が266億円で全国3位、人口当たりではトップで、ふるさと納税の恩恵を最も受けている県とも言えます。260億円の寄付額の3割の相当額で返礼品が贈られるとすれば県内で80億円くらいの巨大な新しい市場が出来ていると見ることが出来ます。

(アナ)その新しい市場に運用面の整備が追いついていない面もありそうですね。

(記者)業者の声返礼品の調達を手掛けているある業者に話を聞きました。「調達できる数量から申込数の上限を設けて募集するところもあれば、そうでないところもある」「どの品物が人気を集めるかは募集してみないと分からない」「自治体の方から『もっと多く出せないか』と言われることもある」ということで、地方にとって貴重な財源となるふるさと納税をめぐって自治体と民間事業者の間でギリギリのやりとりが行われている面もありそうです。

(アナ)ふるさと納税は寄付してくれる人にとってその自治体のイメージに関わってくるものだと思うので、今回のような問題が起きないようにしてほしいですね。

(記者)今後も県内の自治体への寄付が多くある状況が続くと思いますし、運用面での不断の見直しを行うとともにあくまで税金にかかる事業なので関係者が真摯な姿勢で取り組む必要があると思います。

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