佐賀のニュース
6月1日から始まる「線状降水帯」の予測とは 情報有効に活用し命守る行動を【佐賀県】
2022/05/31 (火) 18:30

データや統計といった“数字”をもとに、佐賀県の課題などを掘り下げる「数字で見る佐賀」のコーナーです。
担当は中溝記者です。よろしくお願いします。
【中溝孝紀記者】
31日で5月も終わり、もうじき梅雨の時期がやってくるということで、テーマは「雨」、特に近年集中豪雨の原因になっている「線状降水帯」についてお伝えします。
最近雨の時期にはよく耳にするものですが、この線状降水帯、昨シーズンは全国でどれくらい発生したか分かりますか?
A.6回B.11回C.17回
正解はCの17回です。
しかも、さらに言うとこの17回のうち、約半数の8回は佐賀を含む九州北部で発生したものなんです。
【アナウンサー】
「予想以上に多いですね」
【中溝記者】
改めてですが、線状降水帯とはほとんど同じ場所で雨雲(積乱雲)が次々に発生し、線のように連なることで短い時間に集中的な豪雨をもたらすものです。
県内は2021年まで4年連続で大雨特別警報が発表されていますが、いずれも当時は線状降水帯が形成されています。
中でも特に最近、県内で大きな被害が出た2019年と2021年の豪雨における気象レーダーの画像です。
【アナウンサー】
改めてみるとやはり線状に活発な雨雲があったことが分かりますね。
【中溝記者】
当時の総雨量をみてみるとそれぞれ最も多かった地点で、2019年は唐津の533ミリ、2021年は嬉野の1178ミリとなっています。
2019年の唐津は平年の年間雨量の4分の1が5日間で、2021年の嬉野は年間雨量の半分が9日間で降りました。
【アナウンサー】
毎年のように発生し記録的な雨量によって甚大な被害が出ていることを考えると、今年もできる限り備えておく必要がありますよね。
【中溝記者】
1人1人が命を守る行動をとる、つまり適切に避難することが重要となってきますが、そのカギとなる情報が2022年から発表されるようになります。
それがこちら、線状降水帯の“予測”です。
気象庁は6月1日から運用を始めますがどういった予測で、私たちはその情報をどのように役立てればいいのか取材してきました。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「おおよそ半日以内に線状降水帯が発生して大雨となる可能性が高い場合、“九州北部地方”といった広い範囲を対象に発表いたします」
これまでは発生してからしか分からなかった線状降水帯ですが、今後は予測情報によって少し先の避難行動を考えられるようになります。
発表された時点では雨はまだ降ってすらいないケースもあるかもしれませんが、気象庁は大雨災害への心構えを早めに高めてもらいたい考えです。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「特にお願いしたいのが土砂災害や浸水などの災害が起こりやすいところにお住まいの方、“夜間”の状況を想定して、明るいうちに避難の心構えを持っていただくことが大事」
【中溝記者】
改めて予測の概要を説明します。
まず、発表のタイミングとしては形成される半日前から6時間前です。
全国を11の地域に分けて発表されますが、九州は北部と南部の2つ、佐賀を含む北部は長崎、福岡、それに熊本と大分も入ります。
【アナウンサー】
実際に九州北部で発生する可能性がある場合、どのように発表されるんでしょうか?
【中溝記者】
緊急地震速報のようないわゆるプッシュ通知ではありません。
警報や注意報に先立って気象庁は警戒を呼びかける「気象情報」というものを発表しますが、この中に、危機感を高める“パワーワード”として線状降水帯という言葉が盛り込まれる形です。
具体的にはこのようなイメージで、気象庁のホームページに掲載されます。
「九州北部地方では●日の午前中には線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります」
【アナウンサー】
ということは、この情報を伝える私たちメディアの役割も重要になりますね。
【中溝記者】
一般の方の多くはテレビやラジオなどのニュースで知ることになると思います。
ただ、情報を受け取る上で気を付けなければならないこともあります。
そもそも線状降水帯の発生メカニズムは解明されていない点もあり、今回始まる予測もその精度はまだ十分ではありません。
実際、「九州北部」といった広い地域での予測に留まっていますし、発表されて実際に線状降水帯が発生する、いわゆる的中率も4回に1回程度だということです。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「呼び掛けを行っても必ずしも線状降水帯が発生するわけではありませんし、逆に予測がなくても発生する場合がございます。予測情報が出ましたら、実際に線状降水帯が発生しなくても大雨となる可能性が高いという認識を持っていただく必要がある」
【アナウンサー】
つまり重要なのは、実際に線状降水帯が発生するかどうかではなく、発生の可能性がある場合にどう行動するかということですよね。
【中溝記者】
その通りです。仮に発生しなくても大雨災害のリスクが高いという状況には変わりありません。
また今後、段階的に対象地域が狭まるなど予測の精度自体も向上していきます。
現在の「九州北部」などは2年後の2024年には都道府県単位に、2029年には市町村単位まで絞られる見通しです。
こういった情報を有効に活用しながら、ひとりひとりが先手先手で命を守る行動につなげていく必要があると思います。
担当は中溝記者です。よろしくお願いします。
【中溝孝紀記者】
31日で5月も終わり、もうじき梅雨の時期がやってくるということで、テーマは「雨」、特に近年集中豪雨の原因になっている「線状降水帯」についてお伝えします。
最近雨の時期にはよく耳にするものですが、この線状降水帯、昨シーズンは全国でどれくらい発生したか分かりますか?
A.6回B.11回C.17回
正解はCの17回です。
しかも、さらに言うとこの17回のうち、約半数の8回は佐賀を含む九州北部で発生したものなんです。
【アナウンサー】
「予想以上に多いですね」
【中溝記者】
改めてですが、線状降水帯とはほとんど同じ場所で雨雲(積乱雲)が次々に発生し、線のように連なることで短い時間に集中的な豪雨をもたらすものです。
県内は2021年まで4年連続で大雨特別警報が発表されていますが、いずれも当時は線状降水帯が形成されています。
中でも特に最近、県内で大きな被害が出た2019年と2021年の豪雨における気象レーダーの画像です。
【アナウンサー】
改めてみるとやはり線状に活発な雨雲があったことが分かりますね。
【中溝記者】
当時の総雨量をみてみるとそれぞれ最も多かった地点で、2019年は唐津の533ミリ、2021年は嬉野の1178ミリとなっています。
2019年の唐津は平年の年間雨量の4分の1が5日間で、2021年の嬉野は年間雨量の半分が9日間で降りました。
【アナウンサー】
毎年のように発生し記録的な雨量によって甚大な被害が出ていることを考えると、今年もできる限り備えておく必要がありますよね。
【中溝記者】
1人1人が命を守る行動をとる、つまり適切に避難することが重要となってきますが、そのカギとなる情報が2022年から発表されるようになります。
それがこちら、線状降水帯の“予測”です。
気象庁は6月1日から運用を始めますがどういった予測で、私たちはその情報をどのように役立てればいいのか取材してきました。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「おおよそ半日以内に線状降水帯が発生して大雨となる可能性が高い場合、“九州北部地方”といった広い範囲を対象に発表いたします」
これまでは発生してからしか分からなかった線状降水帯ですが、今後は予測情報によって少し先の避難行動を考えられるようになります。
発表された時点では雨はまだ降ってすらいないケースもあるかもしれませんが、気象庁は大雨災害への心構えを早めに高めてもらいたい考えです。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「特にお願いしたいのが土砂災害や浸水などの災害が起こりやすいところにお住まいの方、“夜間”の状況を想定して、明るいうちに避難の心構えを持っていただくことが大事」
【中溝記者】
改めて予測の概要を説明します。
まず、発表のタイミングとしては形成される半日前から6時間前です。
全国を11の地域に分けて発表されますが、九州は北部と南部の2つ、佐賀を含む北部は長崎、福岡、それに熊本と大分も入ります。
【アナウンサー】
実際に九州北部で発生する可能性がある場合、どのように発表されるんでしょうか?
【中溝記者】
緊急地震速報のようないわゆるプッシュ通知ではありません。
警報や注意報に先立って気象庁は警戒を呼びかける「気象情報」というものを発表しますが、この中に、危機感を高める“パワーワード”として線状降水帯という言葉が盛り込まれる形です。
具体的にはこのようなイメージで、気象庁のホームページに掲載されます。
「九州北部地方では●日の午前中には線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります」
【アナウンサー】
ということは、この情報を伝える私たちメディアの役割も重要になりますね。
【中溝記者】
一般の方の多くはテレビやラジオなどのニュースで知ることになると思います。
ただ、情報を受け取る上で気を付けなければならないこともあります。
そもそも線状降水帯の発生メカニズムは解明されていない点もあり、今回始まる予測もその精度はまだ十分ではありません。
実際、「九州北部」といった広い地域での予測に留まっていますし、発表されて実際に線状降水帯が発生する、いわゆる的中率も4回に1回程度だということです。
【佐賀地方気象台・平山久貴防災管理官】
「呼び掛けを行っても必ずしも線状降水帯が発生するわけではありませんし、逆に予測がなくても発生する場合がございます。予測情報が出ましたら、実際に線状降水帯が発生しなくても大雨となる可能性が高いという認識を持っていただく必要がある」
【アナウンサー】
つまり重要なのは、実際に線状降水帯が発生するかどうかではなく、発生の可能性がある場合にどう行動するかということですよね。
【中溝記者】
その通りです。仮に発生しなくても大雨災害のリスクが高いという状況には変わりありません。
また今後、段階的に対象地域が狭まるなど予測の精度自体も向上していきます。
現在の「九州北部」などは2年後の2024年には都道府県単位に、2029年には市町村単位まで絞られる見通しです。
こういった情報を有効に活用しながら、ひとりひとりが先手先手で命を守る行動につなげていく必要があると思います。
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