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育児期の笑顔を増やそう!「産後うつ」予防への取り組み

出産後に起こる「産後うつ病」。2021年現在、コロナ禍の影響もあり発症する人が増えてきているそうです。今回は、産後うつ病について佐賀大学医学部看護学科母性看護・助産学領域の佐藤珠美教授にお話を伺います。

「産後うつ病」とは

佐藤教授によると「産後うつ病」は出産後の女性の10人に1人の割合でみられるもので、多くは産後数週間~3ヵ月くらいで発症しています。最近の研究では、産後1年間はリスクがあると言われているそうです。
産後うつ病の症状
  • 気分の落ち込み
  • 意欲の低下
  • 睡眠障害
  • 疲れやすさ
  • 思考力や集中力の低下
  • 罪悪感
  • 自責感

他にも様々な症状がみられる場合があります。


産後はホルモンの変調が大きく、慣れない子育てのストレスや、両親やパートナーなど周りのサポートが受けられない状況もともとうつ病を患っていた方などが産後うつになりやすいと言われています。
さらに最近では、 母親だけでなく父親も産後うつになるケースも増えているそうです。
男性も10人に1人の割合で産後うつ病を発症すると言われていて、責任感などから子どもが生まれて3ヵ月後くらいから発症する人が多いそう。男性も女性と同じく産後1年間リスクがあると言われています。

産後うつ病の予防法

  • EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)
    国や自治体が産後うつ病予防のために行っている全ての産後女性を対象としたスクリーニングで、主に産後1カ月検診時実施されています。
    高得点者にはカウンセラーや臨床心理士、場合によっては精神科医へつなぐなど、支援する制度が充実してきているそうです。佐藤教授によると「産後うつ病に絶対にならない」という事は難しいため、スクリーニングはとても大事だそうです。

産後、赤ちゃんのお世話でけんしょう炎を起こし、赤ちゃんを抱っこするたびに苦痛を感じたり、乳房痛や骨盤痛・腰痛などの痛みによるストレスで産後うつ病になるケースもみられます。また、疲労や過労が続くとうつになりやすいとも言われています。産後うつ病の予防としては、充分に休養や睡眠をとる事が大事だそうです。

早期発見に向けての新たな取り組み

スクリーニングには「本人の主観的な言葉だけだと判別しにくい」という課題があるとの事。
そこで佐藤教授は、佐賀大学や西九州大学などと共同で 「Motivel(モチベル)」という声だけで簡単にモチベーションの状態を計測し、数値で示すことができるアプリを使った産後うつ病予防のスクリーニングの研究を始めました。
「手軽にできるものじゃないと意味がない」と話す佐藤教授。「日々の変化を記録することで、心の変化を見つけた時に専門家がアドバイスをすることができる。育児や家事、社会生活ができなくなる前に早く救いたいという気持ちで取り組みを始めた」と仰っていました。

実際にモチベルを体験!
1回に2語程度(約5秒)声を吹き込むだけで計測終了。1日に1~2回、3週間続けると正確な結果が出るそうです。

「実用化すれば、判定結果をもとに細かなケアにつなげられる」と話す佐藤教授。また、国や自治体の制度や家族のサポートに頼る事で「育児の楽しさや周囲の人と分かち合える喜びを知ってほしい」と仰っていました。

2021年8月現在、佐藤教授が研究しているモチベルを使った実証実験では参加者を募集しています。
  • 対象:産後すぐ~産後4か月の母親・父親の皆さん
  • 募集期間:2022年3月まで(参加者が予定人数に達したら終了)
  • 参加費無料

Web調査なので自宅で簡単に参加する事ができ、 心の健康状態の分析結果をご自身で確認できます。 また参加者には、主催者側から分析結果によるコメントが送られ、 質問などがあれば対応して頂けるそうです。 

また、佐藤教授は「けんしょう炎予防プログラム」を公開しています。スマホやパソコンや、タブレットなどで無料で見ることができ、 だっこをする上での体の使い方やストレッチの仕方などを動画で学ぶことができます。

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