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薬の世界を五感で体験!鳥栖市「中冨記念くすり博物館」
鳥栖市にある「中冨記念くすり博物館」は、2024年で開館30周年を迎えた薬の専門博物館。館内は白を基調としたモダンな雰囲気で、イタリアの彫刻家が手掛けた壁の彫刻が随所に施されています。普段何気なく手にしている"薬"の深い歴史と仕組みを学べる貴重な施設です。
なぜ鳥栖に薬の博物館が?
中冨記念くすり博物館の学芸員・島村さんによると、「佐賀県鳥栖市にはかつて薬屋さんがたくさんあり、全国各地へ薬を売り歩いていた歴史があります。そのご縁で、この博物館が鳥栖に建てられました」とのことです。地元の産業史と深く関わった場所なのです。
5000年の薬の歩みを辿る 1階展示の驚き
1階の常設展示は「現代のくすり・世界のくすり」がテーマ。人と薬の5000年の歩みを年表で紹介しており、現代では新型コロナウイルスも記載されています。隣には「新しいくすりができるまで」をイラスト付きで紹介するコーナーも。
薬の開発は基礎研究から承認・発売まで9~16年もかかり、成功確率はなんと25,000分の1。高額な研究開発費もかかることから、新薬誕生の難しさが伝わってきます。
展示パネルの多くは白い壁に設置されており、これは"湿布"を模したデザインになっています。
125年前のロンドンがここに「アルバン・アトキン薬局」
1階奥にある「アルバン・アトキン薬局」は、125年前のロンドンに実在した薬局を再現した人気展示。薬瓶や調剤道具もすべて本物で、当時ここで薬剤師が薬を調剤し、来店客に提供していたそうです。
プロジェクションマッピングで薬剤師の手元を映し出す演出もあり、まるでその時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
江戸時代の薬の世界へ「2階の驚愕展示」
2階では、江戸時代の「薬舗」や「田代売薬」の展示が楽しめます。中でも注目は、自然界から採れる薬「生薬」の展示。石・植物・動物など約90種類が並んでいます。
アメジスト(鎮静作用)や、頭痛薬として使われていた"猿の頭蓋骨"の黒焼きなど、驚きの薬素材が紹介されています。まさに薬の奥深さを体感できるコーナーです。
実際に薬箱を背負って写真が撮れる体験スペースもあり、当時は20キロもの重さがあったそうです。
世界にひとつだけの薬草を育てよう「バーチャル薬草園」
2階の「バーチャル薬草園」は、視覚や嗅覚を使って薬草を学べる体験型コーナーです。
花の塗り絵に色を塗ってスキャンすると、世界にひとつだけの"スイセンの根っこ"が画面に出現します。さらに裏面まで塗ると、裏側も画面に表示される仕組みで、お子さまでも楽しく学べます。
薬草の香りを体験できるコーナーもあり、まさに五感で薬を知ることができます。
薬への概念が変わる 唯一無二の体験
「薬」に対する概念が変わるような、学びと発見が詰まった中冨記念くすり博物館。5000年の歴史から最先端の新薬開発までを体感し、薬草や生薬、過去の薬局文化など多彩な展示が楽しめます。
大人から子どもまで、楽しみながら薬の世界を知ることができる、唯一無二の施設です。鳥栖市に訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。
施設情報
- 施設名:中冨記念くすり博物館
- 住所:鳥栖市神辺町288−1
- 営業時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 入館料:大人/300円 高校生・大学生/200円 小学生・中学生/100円
- TEL:0942-84-3334
【2025年6月27日放送 かちかちLIVE イマここ中継より】
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