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災害の記憶

災害の記憶 2021/03/09 (火)

3.11を忘れない⑤ 震災5か月 他人事ではない原発事故

東日本大震災から10年。

FNN取材団としてサガテレビも被災地を取材してきました。

記者とカメラマンが目にした被災地の動画をサガテレビのホームページに一挙に掲載します。

未曾有の災害を忘れないために・・・

取材をめぐる当時の状況

2011年7月、玄海原発の運転再開に向け、国が主催した説明番組に九州電力が再開を支持する内容のメールを送るよう関連会社に指示していたいわゆる「やらせメール」問題が発覚。原発への不信感がさらに高まる事態となっていました。

取材スタッフには引き続き、線量計の携帯、放射線量の定期的な確認、記録、報告を義務付け、本社側は常に現地スタッフの安全を確認していました。

放送:2011年8月12日

サムネイル

東日本大震災から5カ月。サガテレビの森キャスターが先週1週間、FNN取材団として福島県を取材しました。

現在、福島第一原発から半径20㌔圏内は「警戒区域」として立ち入りが禁止されています。このほか放射線量が高い地域は「計画的避難区域」などに指定されています。今回取材したのは伊達市。伊達市は原発から50~60㌔も離れていますが避難先を探す方々がいます。その背景は・・・

(福島県伊達市/2011年8月)

福島県の北部に位置する人口約6万6000人の伊達市。福島第一原発から、50キロから60キロも離れていますが、今年6月30日、市内の113世帯が「特定避難勧奨地点」に指定されました。これは警戒区域や計画的避難区域の外で放射線量が局地的に高い地点のことです。伊達市によりますと、このうち66世帯が避難を希望しているものの、指定から1か月たった今月3日現在で避難が完了したのは5世帯。避難が遅れている理由はどこにあるのでしょうか。

伊達市霊山総合支所の支所長は・・・

「民間は福島市と伊達市を含めて部屋数が少ない。あと仕事の都合とかで探せてない方がいる」

避難先となる市営住宅は市が紹介しますが、民間住宅は個人で探す必要があり時間がかかるとのこと。

避難が進まないもう1つの理由が世帯ごとの指定ではなく、『地域』で指定してほしいという思いもあるようで、小国地区の住民の一部は国に要望活動も行っています。

伊達市霊山町小国に住む75歳の男性には、1か月ほど前に「特定避難勧奨地点」に指定されたとの文書が届きました。

「その時までは私は行かないという話はしていたが、文書が届くと外に出ないといけないのかなという感じになった」

この住民は、盆すぎには市の外に避難したいと話します。今回の指定に対し小国地区の住民は先月、「地域全体」を避難の対象に指定するよう政府に要望しました。

「最初からそうあるべきだと私は思っていた。できれば仮設住宅とか1か所に集まれるような状況ならいいが、結局バラバラ」

(福島市/2011年8月)

青々とした田園風景が広がる福島市です。稲刈りを約1カ月半後に控え、福島の農家の方々は放射性物質に汚染されていないか不安を抱える日々が続いています。

8月3日、国は福島県など原発周辺自治体のコメの検査方法を発表しました。収穫前後の2段階で検査し線量が一定の数値を超えると出荷が禁止されます。

福島市の農家は・・・

「検査はやってもらいたい。心配だから。食べられなくても、食べられても、はっきりした数字が出れば一番助かる」

福島市佐原の農家。18年前に夫を亡くし、その後は1人でコメを生産してきました。今年は放射線の影響を懸念して田植えの時期を例年より2週間ほど遅らせ5月下旬に終えました。

「最初は植えないと言っていた。農協からなるべく遅く作るようにと指導があったからぎりぎりまで待っていた」

この農家は去年まで独自のルートで業者に販売していましたが、今年は業者側から「買えないだろう」と連絡が。このため今年はJAに出荷する予約を入れたといいます。

「みんな不安だ、不安だって言っている。検査してもらうのを待っている。食べられるようになれば。出荷できるようにしてもらいたい」

 

【記者スタジオ報告】

(森)

この特定避難勧奨地点は、「地点」としての指定のため、極端に言うと隣同士の家で一方は指定されてもう一方は指定されていないということもあります。そのために地域のコミュニティが崩れてしまうのではと地元の方は心配していました。

(キャスター)

伊達市は原発から50~60キロ離れていても放射線の影響があるわけですが、佐賀県庁がある佐賀市も玄海原発から50キロほど。そう考えると放射線の恐ろしさというのをより感じますよね。

(森)

震災から5カ月経った福島の姿を実際に見ると玄海原発があり農業県でもある佐賀県にとっても他人事ではないなと感じました。放射線の影響で避難を余儀なくされている福島の人たちの思いを行政や各電力会社は自分のこととして受け止めなければなりません。

(終)

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