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佐賀北高校男子バスケ部 2年ぶり25回目の優勝への軌跡
甲子園だけじゃない!佐賀北の底力
プロも輩出する名門の伝統
佐賀北高校バスケ部の歴史を語る上で欠かせないのが、現在Bリーグの佐賀バルーナーズで活躍する角田選手の存在です。この体育館で汗を流した先輩の背中を追いかけるように、現在の選手たちも日々成長を続けています。
「なぜ佐賀北高校のバスケ部に入ったんですか?」という質問に、ある部員は「中学生の時に北高の体験入学に参加して、バスケ部の練習の様子を見て、先輩たちの姿に憧れて入部を決めました」と答えます。伝統校ならではの憧れの連鎖が、ここにはあります。
今年の県総体優勝を決めた瞬間について聞くと、別の部員は「去年は一度も優勝できずに悔しい思いをしていたんですけど、その悔しさを今年の総体で優勝という形で晴らせたので、最高でした」と振り返ります。全国大会出場についても「チームみんなで喜びを分かち合えたので、もう最高でした」と、仲間との絆の深さを感じさせるコメントが続きます。
強度の高いディフェンスが生む"北高スタイル"
3年生キャプテンの田中亮地さんに北高男子バスケ部の強みを聞くと、「強度の高いディフェンスです。ディフェンス力を核にしたチーム作りが伝統であるんですが、そこに新しい攻撃スタイルを融合させて進化を続けています」と明確に答えてくれました。
この強みを支えるのが、「ラグビー」と呼ばれる独特な練習方法です。「オフェンスはドリブルはせずにボールを持った状態でディフェンスを抜こうとし、ディフェンスはオフェンスに抜かれないようにしないといけません。これは、接触プレーを含むフィジカル強化とディフェンスのアジリティを養うための、実戦的な対人練習の一種になります」と田中キャプテンが説明してくれました。
リポーターが実際に練習に参加してみると、「きつすぎすげえ。これずっと同じやったりするけど。僕より小柄なんですけど、スピードもパワーもあって」と驚きの声を上げるほど、選手たちの技術の高さとフィジカルの強さが際立っていました。
声かけとコミュニケーションを重視した練習
もう一つの重要な練習が「ピック&ロールディフェンス」です。「ピックアンドロールという戦術に対して声をかけて守り方を変えていく練習です。ディフェンスの足さばきはもちろん、声を掛け合いながらコミュニケーションをとって行うことも非常に重要な練習です」と田中キャプテンが語るように、技術面だけでなくチームワークも重視しています。
県内トップのオフェンス力も持つ選手が在籍
チームには「北高男子バスケ部イチのオフェンス力がある選手」として紹介された品川選手もいます。武器は「スリーポイントとドライブです」と語る品川選手との1対1では、リポーターは「あのつは早すぎるわ。俺のこと見えてた?」「見えない」と完敗する場面もありました。
選手たちからは応援を受けながらも、「全然甘いですね」と厳しい評価を受けるなど、県トップレベルの実力を実感する結果となりました。
ウインターカップのメインコートを目指して
田中キャプテンに今後の目標を聞くと、「冬に開催される全国大会ウインターカップのメインコートに立つことです!」と力強く答えてくれました。県総体優勝、そして全国大会出場を果たした今、さらなる高みを目指す意気込みは十分です。
夏休み中も休むことなく続く厳しい練習。それでも選手たちの表情は明るく、バスケットボールを心から楽しんでいることが伝わってきます。この情熱と努力が、きっと冬の大舞台で花開くはずです。
文武両道を実践する伝統校
佐賀北高校は県内唯一の芸術科を持つ県立高校として知られ、運動部と文化部合わせて27の部活動があります。芸術科では音楽専攻、美術専攻、書道専攻の3つに分かれ、「将来芸術を通して国際社会に貢献できる生徒を育成しています」という教育方針のもと、文武両道を実践しています。
野球部も今年6年ぶりに甲子園出場を決めており、生徒会長の大古場翔太さんは「1人でも多くの北高生徒で応援に行きたいので、いまクラウドファンディングをしています。北高ホームページで募集していますので、ぜひご協力ください」と呼びかけています。
青春真っ盛りの佐賀北高校
佐賀北高校男子バスケットボール部の取材を通して見えてきたのは、伝統と革新が融合した"進化するチーム"の姿でした。強度の高いディフェンスという伝統を大切にしながら、新しい攻撃スタイルを取り入れ、個人技とチームワークの両方を追求しています。
ウインターカップのメインコートで、彼らがどんな青春ドラマを演じてくれるのか。佐賀北高校男子バスケットボール部の挑戦は、まだまだ続いていきます。