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紫外線の意外な影響とは?目からも疲労を感じ、自転車の劣化も進む夏の注意点
脳神経外科医が解説!目からの紫外線で疲労が蓄積
佐賀市駅前でクリニックを開業する脳神経外科医の野口先生によると、「太陽の光をずっと浴びていると疲れを感じるのは、目から強い紫外線刺激が入ることによって、脳から活性酸素という物質が大量に分泌されるため」だと説明します。
「この過剰な活性酸素が神経細胞を酸化することによって、自律神経が乱れ、疲労感を引き起こすのです」と野口先生は詳しく解説しました。
興味深いことに、肌の日焼けによる疲労と目からの紫外線による疲労は、ダブルパンチで私たちの体に影響を与えているそうです。「肌の日焼けでも活性酸素が分泌されるので、筋肉の細胞を障害されて疲労が出るのはもちろんですが、目からの刺激で自律神経が乱れて疲労感を蓄積するのは、これダブルパンチで疲労を感じるようになっています」と野口先生は強調します。
完璧な日焼け止めでも防げない!目からのシミ・そばかす
さらに驚くべきことに、目から入る紫外線は肌にも影響を与えます。野口先生の説明によると、「皆さん、日焼け止めクリームを肌に塗って、これで日焼け止めとしていますけれども、完全に塗ったとしても、目から紫外線が入ることによってメラニンの生成が促されて、シミやそばかす、日焼けの原因となることがあるんです」
つまり、どんなに丁寧に日焼け止めクリームを塗っても、目を守らなければ完全な紫外線対策にはならないということです。「完全な日焼け止めを目指すなら、日焼け止めクリーム塗ってサングラスもするというのがベストかなと思います」と野口先生はアドバイスします。
アスリートも実践する効果的な目の保護法
この理論は実際のスポーツ現場でも応用されています。野口先生によると、「アスリートの方は、練習中とか試合中にサングラスをかけていますが、目から入る紫外線を防ぐことで疲労感の蓄積を防いでいるという目的もあります」とのことです。
野口先生自身も医学的知識に基づいてサングラスを着用しており、「運転中も必ずかけるようにしています。釣りをする時も絶対にします」と実践されています。
効果的な紫外線対策の方法
野口先生が推奨する具体的な対策方法は以下の通りです。
時間帯に注意
「紫外線が最も強い時間帯というのが午前10時から午後2時までの間ですので、その時間の外出を避けることが1番です」
適切なアイテムの使用
- UVカット率が99%以上のサングラス
- つばの長さが7cm以上の帽子
- 日傘
サングラス選びの注意点
「色が濃すぎると、光を入れようとして瞳孔を開くので、逆に紫外線を取り込んでしまう可能性があります。できればUVカット率が99%という状態で、しかもちょっと色が薄めのグラスの方がいいかな」と詳しく説明しています。
紫外線の影響を受ける目の疾病
- 角膜炎
- 加齢黄班変性病 など
修理件数が2倍!自転車も紫外線で深刻な劣化
人体への影響だけでなく、紫外線は身近な自転車にも大きな影響を与えています。佐賀市内のセキモトサイクルの末次さんによると、「紫外線によってタイヤが早く傷んでしまうという傾向にあるようです」とのことです。
ゴム製品である自転車のタイヤは特に紫外線に弱く、「夏場、このタイヤがずっと紫外線を浴び続けると、変色したり、ひび割れしてボロボロとなったり、日焼けで劣化し、亀裂が入り、それからタイヤが切れるもしくは中の空気が抜けてしまう」という状況が起こります。
タイヤ以外の部品も劣化
紫外線の影響はタイヤだけにとどまりません。ハンドルの素材が溶けてべちゃついたり、シートのひび割れを引き起こしたり、様々な箇所の劣化につながっています。
さらに、夏場特有の問題として、高温による影響もあります。末次さんによると、「夏の気温が高いため、バルブの部分が切れてしまう、もしくは外れてしまう。そこがなくなると空気を止められなくなってしまって抜けてしまう」という熱による故障も頻発するそうです。
末次さんによると、夏場の自転車修理件数は通常の約2倍になるそうです。これは紫外線による劣化と高温による影響が重なるためで、特にタイヤのパンク修理が多くなる傾向があります。
効果的な自転車の保管方法
自転車の劣化を防ぐための対策について末次さんに聞くと、「できるだけ屋根があって、家の中でもちゃんと日陰のところを、極力探して置く」ことが重要だと説明します。
自転車カバーについては、「それも1つの対策でありますが、かけっぱなしというのはあんまり良くない感じはします。かけっぱなしにすると中で湿気がこもり、逆にサビが早く来たりとかっていうのがあるようです」と注意点を指摘しています。
想像以上に広範囲な紫外線の影響
今回の取材で明らかになったのは、紫外線の影響は私たちが思っている以上に広範囲に及んでいるということです。
人体への影響
- 目から入る紫外線が脳に活性酸素を発生させ、自律神経を乱して疲労感を引き起こす
- 目からの紫外線でシミ・そばかすができる可能性がある
- 肌と目のダブルパンチで疲労が蓄積
自転車への影響
- タイヤの劣化が進行し、パンクしやすくなる
- ハンドルやシートなど各部品の劣化
- 高温によるバルブの破損で空気抜けが多発
- 夏場の修理件数は通常の約2倍
紫外線対策というと肌のケアに注目しがちですが、目を守ることの重要性や、身近な自転車への影響まで考慮した総合的な対策が必要であることが分かりました。特に佐賀の夏は日差しが強いため、適切な知識を持って対策を講じることが重要です。