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一射に心を研ぎ澄ます青春――厳木高校アーチェリー部の魅力に迫る
70メートル先の小さな的を、たった一本の矢で射抜く――。
シンプルに見えて、実は高い集中力と技術、そして強いメンタルが求められるのがアーチェリーです。
佐賀県の厳木高校には、これまでにオリンピック選手を輩出してきた、歴史あるアーチェリー部があります。
さらに今、中学時代に全国3冠を達成したスーパールーキーも加わり、注目度はますます上昇中。
そんな話題の部活の魅力を、徹底取材しました!
厳木高校ってどんな学校?
厳木高校は、佐賀県の中央部に位置し、JR厳木駅から徒歩3分というアクセスの良さが魅力です。
生徒の約9割が電車で通学しており、県内各地から通いやすいよう、始業時間が少し遅めに設定されています。
授業は1コマ45分で、集中力を保ちやすいスタイル。
さらに、1クラス約20人の少人数制のため、発言や質問がしやすい環境が整っています。
緑に囲まれた落ち着いた校舎も特徴で、生徒会の生徒は「集中して授業に取り組めて、毎日が楽しいです」と話してくれました。
創部31年、OBにオリンピック選手も
厳木高校には、運動部・文化部あわせて13の部活動があります。
その中でも今回注目したのが、創部31年の歴史を誇るアーチェリー部です。
これまでにオリンピック選手を輩出してきた実績を持つ名門で、現在は10人の部員が日々練習に励んでいます。
昨年の九州新人戦では個人3位に入るなど、確かな実力を持つチームです。
アーチェリーってどんな競技?
アーチェリーについて、部員はこう話してくれました。
「弓を使って矢を放ち、的に当てる正確さを競う競技です。一見シンプルに見えますが、高い集中力や体の安定、確かな技術が求められます」
的までの距離は70メートル。黒・青・赤・黄の同心円状のターゲットの中心、黄色い部分を狙い続けるのは簡単ではありません。
さらに印象的だったのが、この言葉です。
「結果を大きく左右するのはメンタルの強さです。プレー中も平常心を保つことがとても大切です」
自分自身と向き合い続ける――。
アーチェリーは、そんな精神力も試される競技であることが伝わってきました。
日々の練習は「研究」の連続
アーチェリーの難しさのひとつは、狙っても毎回同じ場所に当たるとは限らないことです。
「姿勢や弓の引き方、力の入れ方によって、当たり方が少しずつ変わるので難しいです」と部員は話します。
だからこそ大切になるのが、“再現性”。
うまく中心に当たったときの姿勢や力加減をいかに繰り返せるかが、上達のカギになります。
そのために、ノートに記録を残したり、動画でフォームを確認したりと、日々試行錯誤を重ねているそうです。
「どうすれば的に当たるかを考えるのが楽しいです」という言葉からは、競技へのまっすぐな探究心が感じられました。
フォーム習得の基本練習
練習中、ひときわ目を引いたのが「素引き」という基礎練習です。
「素引きは、矢をつがえずに弓だけを引く練習で、正しいフォームを体に覚えさせるために繰り返します」と部員は説明します。
野球でいう“素振り”のようなもので、基本の習得には欠かせない大切なトレーニングです。弓の重さはおよそ3キログラム。さらに弦を引く力は約20キログラムにもなり、背中や肩甲骨まわりの筋肉を使いながら、全身でバランスを保つ必要があります。
「とにかく、きれいで正しいフォームを意識しています」
その言葉どおり、地道な反復の積み重ねが、精度の高い一射につながっていきます。
また、使用する弓は約60万円と高価な道具。まさに“精密機器”ともいえる存在で、丁寧に扱いながら真剣に向き合う姿からは、競技への誠実さが伝わってきました。
中学時代に全国3冠の実力者
そして、入部したばかりながらキャプテンを務める1年生がいます。
唐津出身の牧山蒼空さん。中学時代に全国大会で3度の優勝を果たした、注目の新星です。
アーチェリーとの出会いは、幼い頃に母親に連れられて参加した体験会。
初めて的の中心(黄色)に当たったときの達成感が忘れられず、競技を続けるようになりました。
小学6年生で大きな成長を実感した一方、中学時代にはスランプも経験。
それでも試行錯誤を重ねて乗り越え、中学2年生以降に再び力を伸ばし、全国3冠という結果につなげました。
順風満帆ではないからこそ強くなれる――。
その歩みからは、アーチェリーの奥深さが伝わってきます。
【まとめ】「一射に心を研ぎ澄ます」
取材を通して見えてきたのは、アーチェリーが単なる的当てではなく、メンタル・技術・体力を総合的に鍛える「自分との戦い」だということです。
「弱気は捨てて、今出せる力をすべて出し切る。一射一射に集中し、積み重ねてきた努力で勝ちにいきます」――そう話す部員の言葉からは、競技に向き合う真剣さと強い意志が伝わってきました。
創部31年の歴史を持ち、オリンピック選手も輩出してきた厳木高校アーチェリー部。
10人の部員それぞれが日々の練習で積み重ねる努力と情熱が、これからの新たな歴史をつくっていきます。

