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佐賀の偉人・江藤新平が漫画に!週刊『モーニング』で『さがドーン』5週連続掲載スタート
「日本の骨格を作った人物」とも称される、佐賀が誇る偉人・江藤新平。そんな江藤新平を主人公にした漫画『さがドーン』が、ついに週刊漫画雑誌『モーニング』でスタートしました。
5週連続で掲載される注目作で、江藤新平の知られざる人物像はもちろん、幕末から明治にかけて日本を大きく動かした“佐賀藩の底力”にも迫ります。
この記事では、『さがドーン』の見どころや、作品をより楽しむために知っておきたい歴史背景もあわせてご紹介します。
『さがドーン』誕生のきっかけ
週刊漫画誌『モーニング』では現在、「日本警察の父」と呼ばれる川路利良を主人公にした作品「だんドーン」が連載されています。
その作者である泰三子先生に「ぜひ佐賀へ取材に来てほしい」とオファーしたことが、『さがドーン』誕生のきっかけになりました。快諾した先生は佐賀を訪れ、佐賀城本丸歴史館を取材。その中で、江藤新平や佐賀藩主・鍋島直正の圧倒的な存在感と功績に深く心を動かされたといいます。
「この人物たちを作品として描きたい」——その強い思いから構想が動き出し、約1年数か月の制作期間を経て、ついに『モーニング』誌上で第1話が掲載されることとなりました。
表紙には江藤新平が大きく描かれ、その背後には鍋島直正の姿も添えられた一冊。まさに“佐賀の歴史の熱量”がそのまま形になったような、特別なスタートとなっています。
江藤新平とはどんな人物か?
江藤新平の生涯には、のちの飛躍につながる大きな転機があります。まだ佐賀藩士だった若き日に、藩を離れる「脱藩」という行動を選んだことです。当時の脱藩は重罪、場合によっては死罪にもなり得る非常に重い決断でした。
それでも江藤は、情勢が緊迫する京都へ向かい、自らの目で見聞きした情報をまとめて佐賀藩へ報告書として提出します。その内容を受け取った藩は、彼の行動と洞察力に大きな価値を見出しました。
特に藩主・鍋島直正は、江藤の将来性を高く評価し、処断すべきという意見に対して、次のように述べたと伝えられています。
「異日有用の器なり、斬に処せしむべからず」
——将来、必ず国にとって有用な人物となる。決して処刑してはならない。
この一言が、江藤新平の命を救い、のちに日本の司法制度の礎を築く人物へとつながっていきます。若き日の判断と、それを見抜いた藩の眼差しが、歴史の流れそのものを大きく変えることになったと言えるでしょう。
全長3メートルの辞表が語る、江藤新平の信念
佐賀城本丸歴史館には、江藤新平の人物像を知るうえで欠かせない資料が数多く残されています。
中でも目を引くのが、司法卿(現在の法務大臣にあたる職)を務めていた時代に江藤がしたためた「辞表」です。その長さはなんと全長約3メートルにも及ぶとされ、見る者に強いインパクトを与えます。
この異例の辞表が書かれた背景には、大蔵省との予算をめぐる対立がありました。江藤は司法省の必要性を訴えて予算を要求しましたが、大蔵省によって大幅に削減され、結果として半額に圧縮されてしまいます。その決定に強く抗議する形で書かれたのが、この“3メートルの辞表”でした。
そこには単なる不満ではなく、国家のあり方そのものに対する強い信念が記されています。江藤は、法によって何が許され、何が罰せられるのかを明確に定めることこそが、自由な経済活動の前提であり、国を豊かにする基盤になると考えていました。
国民の権利を守り、社会の秩序を整えることが経済の発展につながる——幕末から明治という激動の時代にあって、すでにそうした先進的な視座を持っていた点に、江藤新平の思想の特徴があります。
この3メートルに及ぶ文書には、まさにその信念と熱量が、途切れることなく刻み込まれているのです。
漫画をより深く楽しむために
江藤新平の歩みを知っておくと、『さがドーン』の面白さはぐっと深まります。そして同時に、彼を見出した藩主・鍋島直正の存在を知ることで、物語の背景にある“佐賀の力”もより立体的に見えてきます。
歴史を知ることで漫画がより面白くなり、漫画を読むことでまた江藤新平という人物を知りたくなる——そんな往復の楽しさが、この作品にはあります。
その理解をさらに広げてくれる場所が、佐賀城本丸歴史館です。館内には江藤新平に関する常設展示コーナーがあり、彼の思想や功績をより具体的に学ぶことができます。
『さがドーン』を読む前に訪れてもよし、読んだ後に足を運んでもよし。作品の世界と史実が重なり合うことで、物語の理解と感動は一段と深まるはずです。
まとめ
『さがドーン』は、佐賀の歴史と人物像を新たな形で全国へ発信する注目作です。
「全国の皆さんに漫画という形で江藤や佐賀藩のすごさが伝わり、一人ひとりがその功績に熱い思いを持ってもらえれば本当にうれしい」——その言葉には、佐賀への誇りと、この作品への大きな期待が込められています。
歴史を“読む”だけでなく、“感じる”きっかけになる一冊。ぜひ『モーニング』を手に取り、その世界に触れてみてください。
佐賀城本丸歴史館
- 住所:佐賀県佐賀市城内2-18-1
- 開館時間:9時30分~18時

