企業情報番組審議会だより

番組審議会だより(2023年7月)

令和5年7月27日開催

出席委員

吉住委員長 植田委員 桑原委員 吉牟田委員 古川委員 山口委員

審議番組

第32回FNSドキュメンタリー大賞「Manji ~白磁の美が伝えるもの~」

放送日 2023年5月28日(日)15時00分~16時00分

番組概要

人間国宝、井上萬二(94)。陶芸の道に入って、80年余り。土と語り、真摯にろくろと向き合いながら究極の美を追求してきた。1点の曇りもなくゆがみもない造形美「白磁」には井上萬二の人生が映し出されている。原点は15才で海軍飛行予科練習生として受けた軍事教育と訓練にあった。特攻隊として仲間たちが飛び立つ姿を見ながら終戦を迎え、故郷有田で陶芸家としての修行の日々。「白磁」からうかがい知ることのできる人間国宝たる所以と井上が描く未来とは。

議事概要

事務局長よりあいさつの後、番組プロデューサーのコンテンツ推進部・徳渕氏、ディレクターを務めたエスプロジェクト前田氏より、挨拶ならびに番組概要が説明された。その後、番組を視聴し、吉住委員長の議事進行により、参加各委員の意見の陳述、および質問が行われ、質問に対して担当者から説明が行われた。審議終了後、事務局より配布資料の説明を行い、最後に次回開催日時と審議対象について説明して閉会となった。

委員の意見概要

タイトルが「Manji」なので、ナレーションも「井上さん」ではなく「萬二さん」に統一して、佐賀県で有名な方だからこそ親しみを込めて呼んで欲しかった。
色々な切り口や背骨になる話が単発的に入っていて、番組の軸が分かりづらかった。
萬二さんが評価されているところ、作品の変遷、作品の特徴、評価を基本として知りたかった。
人柄は陶芸教室を通して伝わったが、萬二さんにとっての努力が何かイマイチわからなかった。
萬二さんの陶芸家としての歩みを、県外の人にも分かりやすく伝えられており良く出来ていた。
人生100年時代を生きる陶芸家の生き様をきちんと紹介していた。
94歳がどう老いと格闘しながら創作を続けているのか、ろくろを回す、削る姿をもっと見たかった。
今をどう生き、これから10年後をどう生きていくのか、心の奥底をもっと知りたかった。
有田焼のこと自体ももう少し知りたかった。歴史の中における井上萬二さんを知りたかった。
1つの作品を作るのに、どのくらい時間をかけて作り上げているのか知りたかった。
戦争を通しての萬二先生の努力が心に響いた。
萬二先生の人生の重みのある言葉が心に残り、陶芸家など後世に残す言葉になると感じた。
BGや冒頭のアーカイブ映像が番組に期待を持たせる構成で掴みは良かった。
戦争を経験して陶芸家になり、他にやりたい事はなかったのかなど、当時の思いをもう少し知りたかった。
萬二さんの人間性が垣間見えるシーンがいくつかあったが、刺激が足りなかった。
最後の電車旅のシーンに惹き付けられた。このように日常の萬二さんを描いていたら、もっとメリハリが出て良かったのかなと感じた。
全体を通して、萬二さんの生き方、心意気が感じられ、生徒に技術を教える萬二さんの魅力が伝わった。
作品を削る行程で、失敗が許されるのか、どのくらい削るのか、先代はどんな作品を作ってきたのか、技術面なども今後知りたいと感じた。