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"夏の紫外線対策"正しくできてる?佐賀大学教授に聞く「日焼け止め」完全ガイド
夏本番を迎え、紫外線対策への関心が高まっています。紫外線は単なる日焼けを引き起こすだけでなく、シワ・シミの原因となり、さらには皮膚がんなど皮膚トラブルや健康リスクにも関わる重要な課題です。
紫外線の怖さは「蓄積ダメージ」にあります。日焼けだけでなく、長期的な肌への影響を考えると、日常からの対策が重要になってきます。
しかし「PA?SPF?どれを選べばいいの?」「去年の残りを使っても大丈夫?」など、意外と知らないことが多いのも事実。そこで佐賀大学「化粧品科学講座」の徳留嘉寛教授に、日焼け止めの正しい知識と使い方について詳しくお話を伺いました。
紫外線が気になる理由【基礎知識】PA・SPFの本当の意味を理解していますか?
UV-AとUV-Bは全く別物
日焼け止めに必ず表示される「PA」と「SPF」は、紫外線をどれだけ防御できるかを示す指標です。それぞれ異なる種類の紫外線に対する防御力を示しています。
- PA:シワの原因になることがあるUV-Aをどの程度防ぐかを示す指標(「+」の数で強さ表記)
- SPF:シミの原因になることがあるUV-Bをどの程度防ぐかを示す指標(数字で表示)
多くの人が誤解している数値の意味
「ほとんどの人が間違った認識をしている」と徳留教授が指摘するのは、数値の解釈です。
- SPFは「日焼け(赤くなる)までの時間をどれくらい延ばせるか」の目安
例:SPF2なら"日焼けまでの時間を2倍遅らせる"イメージ - PAは「+」の数でUV-A防御の目安を段階表示
重要なのは、SPF50+を使っても、人それぞれで効果が変わってくる可能性がありますということ。「焼けやすさ」には個人差があるため、"万能な数値"ではなく"自分の肌に合わせて考える"ことが大切です。
【使い方の基本】効果を最大化する4つのポイント
1. 十分な量を塗る
日焼け止めの防御メカニズムは「吸収」(肌や成分が紫外線エネルギーを吸収)と「散乱」(跳ね返してブロック)の2つです。徳留教授は「散乱させるためにはたくさん塗ることが大事です」と強調します。薄塗りは防御不足につながります。
適量の目安は1平方センチメートルあたり2mg。しかし「実際は薄く塗る人が多いのが現状です」とのこと。塗布量が少ないと、表示値どおりの防御力は得られません。
2. 肌質と使用シーンで使い分ける
「数値が高いほど良い」というわけではありません。以下の要素を考慮して選びましょう。
- 肌質
- 外出する頻度・時間
これらに合わせてPA・SPFを使い分ける考え方が基本です。SPF値が高いほど防御力は強くなりますが、そのぶん刺激につながる可能性もあると教授は注意を促します。肌負担を減らすコツは、適切な使い分けにあるのです。
3. 1シーズンで使い切る
一般的な化粧品の使用期限は製造から約3年が目安とされていますが、日焼け止めは「1シーズンで使い切り」がオススメ。品質面・効果面で安心です。
4. 適切にオフする
日焼け止めを塗ったまま長時間放置し、そのまま寝てしまうのは避けましょう。帰宅後は適切にオフすることが大切です。
【意外な落とし穴】日傘だけでは不十分な理由
「日傘があるから大丈夫」と思いがちですが、これは不十分です。紫外線はコンクリートなどから反射して届くほか、空気中の塵や埃で散乱した光も肌に当たります。
日傘+日焼け止めの併用が安心な紫外線対策といえるでしょう。
まとめ:正しい日焼け止め選び・使い方チェックリスト
紫外線対策は「強い日焼け止めを買えば終わり」ではありません。以下のポイントを押さえることで、肌を守る力はぐっと高まります。
- 個人差を理解する:SPF効果も人それぞれ
- 適切に選ぶ:肌質・外出時間で使い分け
- 新鮮さを保つ:1シーズンで使い切り
- 十分量を塗る:2mg/㎠目安で表示性能を発揮
- きちんと落とす:帰宅後は適切にオフ
今年の夏は、徳留教授のアドバイスを参考に、あなたの紫外線対策を見直してみませんか?