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2025.07.28

高級料亭にも出荷「幻の赤ウニ」絶対に成功しないと言われた養殖に挑戦

今回は唐津市屋形石を訪れ、海水温や磯焼けの影響で年々数が減り"幻"と呼ばれる赤ウニの養殖に取り組む漁師たちに密着しました。その天然に近い味を守ろうと、波が荒い外海での養殖に本気で挑んだ紅ウニ部会のみなさんの姿を、海・養殖現場・極上の味まで詳しく取材しました。

素潜り漁のプロ軍団「紅ウニ部会」とは

今回お世話になったのは紅ウニ部会の皆さんです。普段は素潜り漁でウニ・サザエ・アワビなどを獲るプロ集団で、呼子の港から船に乗り、屋形石沖の現場へ向かいました。唐津の海を知り尽くした漁師たちだからこそ挑めた"無謀"と言われた養殖。その覚悟と工夫を海の上で伺いました。

赤ウニってどんなウニ?なぜ"幻"?

ウニにはムラサキウニ、バフンウニなどいくつか種類がありますが、赤ウニはその中でも特に希少な存在です。

赤ウニが希少な理由
  • 海水温が高い西日本にしか生息しない
  • 唐津は全国でも有数の赤ウニ産地
  • 冬の海水温の低下や磯焼け(海藻が減る現象)の影響で年々漁獲量が減少

こうして「赤ウニ=幻」と言われるようになりました。

さらに、味はまさに別格で、唐津の料亭はもちろん、東京の寿司屋でも供されるほど評価の高い赤ウニ。地元で赤ウニを守ることは、唐津の食文化を未来につなぐことでもあります。

「絶対成功しない」と言われた外海養殖に挑戦

一般的にウニの養殖は波の穏やかな内海や陸上施設で行われることが多いのですが、屋形石の漁師たちが選んだのは波が高い外海でした。しかもウニは海水温変化に敏感で病気にも弱いデリケートな生き物。

「ここでウニは育たない」「リスクが高すぎる」と反対も多かったそうです。

それでも"天然により近い赤ウニを育てたい"という想いで挑戦を続け、構想5年で養殖に成功。現在は約3万個もの赤ウニを育成中です。

海へ!養殖いけすと天然の環境に近い育て方

外海の養殖場に案内していただきました。波・潮流・水質の変化。これら厳しい自然条件をあえて活かし、身の締まった天然に近い赤ウニを目指しているのが紅ウニ部会のこだわりです。反対を押し切ってでもやる価値がある、そんな信念が伝わってきます。

とれたて赤ウニを実食!

殻を開けてみると、なんと1個の殻に入っている可食部(いわゆる"粒")はわずか5粒ほど。それだけでも希少さが分かります。

身はぷりっと張りがあり美しい色合いをしています。

リポーター試食コメント 「上品な甘みと旨みがあります。さっぱりしながらも歯を使わずスッと溶ける感じ。後味に赤ウニならではの香りと濃厚な甘さが広がります」

幻と言われる理由が味でも納得できました。

養殖のヒミツ:宮島醤油の"昆布再利用"でおいしく育つ(SDGs)

赤ウニのエサには、唐津市の宮島醤油で「だしを取った後」に残る昆布を再活用しています。食品副産物を無駄にせず循環させるSDGsな取り組みでありながら、赤ウニの旨み向上にも役立っているそうです。

漁師直伝!究極の食べ方「アワビと塩ウニ」

紅ウニ部会おすすめは、獲れたてアワビに塩ウニをのせる贅沢な食べ方です。

リポーター試食コメント「だめです、これ!美味しすぎます…。」

コリッとしたアワビの歯ごたえと、クリーミーで濃厚な赤ウニが口の中で重なり、極上の一体感を生み出します。

まとめ

冬の海水温低下・磯焼けで減り続ける赤ウニを未来に残したい。その想いで、無謀と言われた外海養殖に挑み、5年かけて成功させた漁師たちが唐津にいます。

天然に近い環境・地域食材の再利用(昆布)・職人技の手入れを重ねて育てた赤ウニは、口に入れた瞬間に"幻"の名にふさわしい上品な甘さと余韻を残します。唐津の海が守り育てる味、ぜひ体験してみてください。

購入・問い合わせ

赤ウニに興味がある方は、こちらへお問い合わせください。

  • 屋形石紅ウニ部会(Instagram):@yakataisiakaunibukai
  • 屋形石漁業協同組合:0955-79-0760
  • 参考価格:赤ウニ 1個 500円

※在庫や出荷状況は変動する可能性がありますので、事前にご確認ください。

【2025年7月22日放送 かちかちLIVE こちら かちかち生産課 より】

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