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料金は200円!AIを使った無駄のない運行 玄海町「のるーと玄海」
AI技術で実現する新しい交通サービス「のるーと玄海」
玄海町が2022年に導入した「のるーと玄海」は、従来の路線バスとタクシーの良いところを組み合わせた新しい交通サービスです。最大の特徴は、利用者の予約に応じてAIが最適なルートを自動計算し、効率的な運行を実現していることです。
玄海町防災安全課の担当者によると、「バスとタクシーのいいところをどちらも取り入れたような形になっています」と説明。外見は一般的なワゴン車ですが、車内にはAI技術が搭載されており、利用者の予約データを基に最適なルートと運行時間を計算しています。
簡単予約で時刻表なし!利用方法と料金
「のるーと玄海」の予約方法は、LINE、公式アプリ、電話の3つから選ぶことができます。
乗車場所は町内にあるミーティングポイントのほか、自宅近くも指定できるという利便性の高さが魅力です。
無駄な運行ゼロでカーボンニュートラルに貢献
カーボンニュートラルへの貢献度が高い理由は、無駄な運行を徹底的に排除していることにあります。「例えばAさんとBさんがそれぞれ予約をすると、AIがどちらを先に迎えに行くと効率的かを計算し、最適な順番を自動で決定」し、「常に無駄のないルートがタブレットに表示される仕組み」になっています。
担当者は「予約がない場合は待機場所で待機をしていただいて、予約が入ればそこから動くという形になりますので、無駄な走行を減らせるという意味ではカーボンニュートラルになる」と説明。従来の路線バスのように乗客がいない状態で定時運行する必要がないため、燃料消費とCO₂排出量を大幅に削減できています。
高齢者から学生まで支える地域の足
現在の主な利用者は高齢者で、病院への通院や買い物、玄海町の温泉施設「パレア」への移動などに活用されています。「ご高齢者の方が車の運転が難しいという方もおられますので、そういう時にこういったのるーと玄海を使われている方がいらっしゃいます」と担当者は説明します。
観光客も利用OK!玄海町の魅力を巡る
「のるーと玄海」は玄海町在住でなくても利用できるため、観光客にとっても魅力的な移動手段となっています。玄海町には美しい海岸線や棚田など、県外からも多くの人が訪れる観光スポットがあり、AI交通がこれらの場所へのアクセス向上に貢献しています。
リポーターも実際に利用して観光地を訪れ、「独特のこの景観。そして玄海のこの海。少しこう入り江になった。なかなかテレビじゃ伝わらないところもあって、是非ともね、直接見に来ていただきたい」と玄海町の魅力を伝えています。
地方交通の未来を示すモデルケース
番組では「公共交通機関っていうのは、なるべく使った方がいいし、自家用車で行くよりも絶対にカーボンニュートラルになる」という観点から、この取り組みが高く評価されました。特に「乗車率が少ない地方都市の場合は、どうしても誰も乗っていないバスが走ってしまうということが起きてしまうので、そこをしっかり解消しつつ、自分の好きな時間に来てくれる」という点が画期的だと指摘されています。
子育て世帯への効果についても「公共交通機関の時間の制約に縛られずに呼べて、乗り合いになれば交流の場にもなる」というメリットが挙げられ、「是非他の市町にも広がってほしい」との期待が寄せられました。
まとめ|持続可能な地方交通の新しいカタチ
「のるーと玄海」は、地方の交通問題解決と環境負荷軽減を同時に実現する先進的な取り組みとして注目を集めています。AI技術を活用して無駄な運行をゼロにしながら、住民の利便性向上と観光振興にも貢献するこのシステムは、今後全国の自治体にとって重要な参考事例となりそうです。
移動手段の見直しが環境に与える影響は決して小さくありません。一人ひとりが「歩く」「自転車」「公共交通機関」を意識的に選択することで、未来への責任を果たしていくことが求められています。
- 予約方法:LINE、アプリ、電話
- 料金:大人200円、シニア(65歳以上)100円
- 乗降場所:指定した場所または町内の乗り場
- 詳細:「のるーと玄海」で検索