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教職の世界に再チャレンジ!佐賀県の新制度「ペーパーティーチャー研修講座」
「22歳の自分に自信が持てず…」教職を断念した決断
牛津小学校で働く牧先生は、元ペーパーティーチャーの一人です。大学で教員免許を取得したものの、卒業と同時に教職に就くことはありませんでした。その理由を牧先生は率直に語ります。
「正直言って、大学を卒業したばかりの22歳の時の私に、あまり自信がなかったというのがありまして。今のこの状態で教師として働いても、子供たちのためにはあまりならないのかなという思いがあり、別の仕事をしていました」
牧先生が選んだのは、社会福祉法人での事務関係の仕事でした。教育とは全く異なる分野で5年9か月間働き続けました。しかし、心の奥底では「いつか教師になりたい」という思いが消えることはありませんでした。
社会人経験が教師としての新たな力となって
転職を決意した背景について、牧先生はこう語ります。
「私の大学で学んだ教員、教育についてのところと、また社会人として、福祉的なところを、2つの経験をもって、教師として子供たちに何かしてあげることができればなと思い転職をしました」
大学での教育理論の学びと、社会福祉の現場で培った実践的な経験。この2つの要素が組み合わさることで、より豊かで深みのある教育実践ができるという確信を得たのです。若い頃には感じられなかった自信と使命感が、牧先生の背中を押したのでした。
佐賀県独自の画期的な取り組み「ペーパーティーチャー研修講座」
牧先生の転職を強力に後押ししたのが、佐賀県が令和5年度から実施している「ペーパーティーチャー研修講座」です。この取り組みは全国的にも珍しく、新卒以外で教職を目指す人を対象とした手厚いサポート制度として注目されています。
研修講座では、説明会や学校見学会を実施し、現場の雰囲気を事前に体験できる機会を提供。教職への不安を軽減し、スムーズな職場復帰を支援する仕組みが整っています。
「教育実習とか行ってますけど、教育実習行ったのももう6年前とかになるので。そこからちょっと変わってるところもあったりするので、実際の様子を見てから働けたっていうのは良かったかなと思います」
牧先生のこの言葉からは、時代の変化に対応した現場の様子を事前に把握できることの重要性がうかがえます。
就職氷河期世代にとっての新たな希望の光
この研修講座は、特に就職氷河期の影響で教職に就けなかった世代にとって貴重な機会となっています。
「実際ペーパーティーチャー研修講座を開いていく中で、やはり教員免許を持っているんだけど、なかなか難しかったというところで、でも今子育てを少し一段落したので、もう一回チャレンジしたいという熱い思いを持った方々もいらっしゃいます」
子育てが一段落した世代にとって、この制度は一度は断念した教職への道を再び開く、まさに人生の新章を始める貴重な機会となっているのです。
ライフスタイルに合わせた多様な働き方を実現
この研修講座の特徴は、正規の教諭だけでなく、講師や非常勤講師といった時短勤務など、個人のライフスタイルに合わせた働き方についても相談できることです。
一人ひとりの生活状況や希望に応じて、柔軟な勤務形態を選択できるこの制度は、特に子育て中の女性や、他の仕事と並行して教職に携わりたい人にとって魅力的な選択肢となっています。「講師や非常勤など、働き方も相談可能」という柔軟性が、多くの人にとって教職復帰への扉を開いているのです。
9月開催予定の説明会・学校見学会が新たなスタートのきっかけに
今年度の「ペーパーティーチャー研修講座」は、9月に説明会と学校見学会が開催される予定です。牧先生のような熱い思いを持つ人にとって、子供たちの未来のために教員免許を活かす絶好の機会となるでしょう。
この機会を通じて、多くの元ペーパーティーチャーが教育現場に戻り、豊富な人生経験を活かした教育実践を展開することが期待されています。
- 説明会:2025年9月 全4回
- 学校見学会:9月~ 全4回
- 料金:受講無料
- 受講資格:教員免許所有(失効含む)
- 検索:ペーパーティーチャ研修講座
まとめ
牧先生のように、社会人としての豊富な経験と教育への情熱を併せ持つ人材が教育現場に加わることで、佐賀県の教育がより充実したものになることが期待されます。教職への「再チャレンジ」という新たな道筋が、多くの人にとって希望の光となっています。年齢や経歴を問わず、教育への思いを持つ全ての人に開かれたこの制度は、佐賀県の教育の未来を明るく照らす画期的な取り組みといえるでしょう。
「ペーパーティーチャー研修講座」と検索すれば、詳細な情報を確認できます。一度は諦めた教師への夢を、人生経験を積んだ今だからこそ叶えられるかもしれません。