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秋も物価高騰が続く!賢く乗り切る「プライベートブランド」の魅力
止まらない物価高騰の波:家計を圧迫する値上げの現状
2025年10月に入り、私たちの家計を直撃する物価高騰の波は依然として続いています。特に食料品を中心に、さらなる値上げが予定されており、消費者の生活に大きな影響を与えています。
帝国データバンクの調査によると、10月には主要メーカーによる飲食料品の値上げが3,024品目にものぼるとのこと。これは、去年の同じ月と比較しても非常に多い数字であり、特に飲料大手の値上げが目立つ状況です。小売店での販売価格にも当然影響が出ることが予想され、家計のやりくりはますます厳しくなっています。
物価高騰の背景には、単一の要因だけでなく、複数の要素が複雑に絡み合っています。
最も大きな要因は原材料価格の高騰ですが、これに加えて世界情勢の緊迫化なども重なり、国内メーカーはコスト高騰を価格に転嫁せざるを得ない状況が続いています。
また、業界全体で値上げが横並びになる傾向があり、一度どこかのメーカーが値上げに踏み切ると、他のメーカーも追随する動きが広がりやすいという側面もあります。
家計の救世主?注目高まる「プライベートブランド(PB)」
このような厳しい物価高騰の状況下で、消費者の間で特に注目を集めているのが、小売業界が独自に開発・販売する「プライベートブランド(PB)」商品です。
PB商品は、メーカー品(ナショナルブランド、NB)と比較して低価格で購入できることが多く、家計を助ける賢い選択肢として需要が高まっています。
イズミ「ゆめイチ」:品質と価格を両立した新PB
佐賀市に店舗を構える「ゆめタウン」などを展開する企業「イズミ」は、2025年9月11日から初の独自プライベートブランド「ゆめイチ」の販売を開始しました。小売業界大手としては“最後発”ながら、その売れ行きは非常に好調です。
「ゆめイチ」では、日々の食卓に欠かせない様々な商品がラインナップされています。
例えば、お茶、牛乳、食パン、こんにゃく、サバ缶などが挙げられます。
特に、毎日使う飲料は売れ筋で、発売からわずか1週間で500mlのお茶が700本、2Lが300本も売れるほどの人気ぶりを示しています。
食パンも他のメーカー品と比較してかなり安価で、こんにゃくは仕入れと配送の見直しによってコストカットを実現しています。
また、サバ缶は日本産のサバを使用し、味噌煮、水煮、味付けと3種類のバリエーションが用意されており、品質と価格の両面で消費者の支持を得ています。ミックスチーズのように海外からまとめて仕入れることで単価を抑える工夫もされており、現在、食料品50種類で展開されています。
消費者の声:PBを選ぶ理由と期待
ゆめタウンの来店客にプライベートブランドに対する意識を尋ねると、多くの声が聞かれました。主な意見としては、「値段が安いのが一番」「安心安全で買える」といった価格と品質への信頼が挙げられます。特に食料品や乾物類でPBを選ぶ傾向があるようです。
また、「手軽に使える」「冷凍野菜はそのままポンと入れられる」といった利便性を評価する声も多く、忙しい現代のライフスタイルに合致していることが伺えます。
なぜPBは低価格を実現できるのか?
プライベートブランドがナショナルブランドと比較して低価格を実現できるのには、明確な理由があります。ナショナルブランドは、メーカーと小売りの間に卸売業者を挟むため、その分の中間マージンが価格に上乗せされます。
しかし、PBは小売業者が直接企画・製造に関わるため、卸売業者を省くことができ、中間コストを大幅に削減できます。
さらに、ナショナルブランドが他社との競争のために包装にこだわったり、広告宣伝に多額の費用をかけたりするのに対し、PBはこれらのコストを抑えることが多いです。
ただし、「ゆめイチ」のように、単に安価なだけでなく、国産であることのアピールや味のバリエーション、低価格の理由を説明するプレート設置など、消費者に安心感を与え、選ばれるための工夫も凝らされています。
広がるPB強化の動き:各社の戦略
消費者が「こだわりたい商品はメーカー品、こだわりがあまりない商品はPB」といったように、商品の選択肢が増えることで、消費行動が鈍るのを防ぐ狙いもあります。イズミだけでなく、他の大手小売企業でもプライベートブランドの強化に乗り出しています。
- ローソン: 2025年3月、PBの95%を刷新し、「3つ星ローソン」ブランドに統一しました。
- イオン: 2025年4月、「トップバリュ」の75品目を値下げし、消費者の支持を得ています。
- トライアル: 九州を地盤とするディスカウントストア「トライアル」は、買収した西友のPB「みなさまのお墨付き」を店舗に順次導入する方針です。