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秋の食中毒に要注意!涼しくなった10月こそ危ない理由とは
食欲の秋を迎え、美味しい食べ物が豊富になるこの季節。お弁当を持ってピクニックに出かける機会も増える中、実は今の時期こそ食中毒に注意が必要だということをご存知でしょうか。
「まるっとライフ」では、意外と知られていない秋の食中毒リスクについて、佐賀市にある「なかしまクリニック」の中島先生に詳しく話を聞きました。
「涼しくなったから安心」が危ない
「一般的に食中毒と言えば、暑い夏の時期に発生するイメージがありますが、涼しくなってきた今の時期こそ発生しやすいということ、みなさん知っていましたか?」
佐賀市の「なかしまクリニック」の中島先生は、秋に食中毒が多発する背景には「気の緩み」があると指摘します。
「梅雨時のジメジメした時期と真夏の暑い時期は、皆さん気をつけると思うんですけども、秋になってくると少し油断が生じて、やっぱり忘れたりとか、そういうことが原因だと言われております」
さらに、秋は残暑疲れによって体の免疫力も低下しているため、食中毒に感染しやすい状態になっているのです。
秋に特に注意すべき2大原因
1. 旬の魚に潜む「アニサキス」
秋に特に注意すべき食中毒の原因の一つが「アニサキス」です。これは魚介類に寄生する虫で、特に今が旬のサンマにも付着している可能性があります。
「この時期に特に美味しいお魚なんですけども、アニサキスは、アジだったり、サンマだったり、サバ、そういった魚に寄生してます。寄生しているお魚を食べることが原因で食中毒を起こしてしまいますので、そのアニサキスを死滅させた状態で食べるようにしないと、食中毒を起こしてしまいます」と中島先生。
アニサキスによる食中毒の症状は深刻で、激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐などを引き起こします。
2. 「涼しいから大丈夫」という油断
もう一つの原因が、調理の衛生面や保冷を怠った食材による細菌性の食中毒です。
「油断することで起こす食中毒っていうのは、そのほとんどが細菌性なんですね。食材についてしまった細菌、これが調理が不十分なことによって細菌が増えてしまって、それで食中毒を起こしてしまいます」と中島先生は説明します。
アニサキス食中毒を防ぐには
生で食べる場合のチェックポイント
- 新鮮な魚を選ぶ
- 内臓を生で食べない
- 目視で確認する
アニサキスは2〜3cmと目に見える大きさなので、魚屋で選ぶ際にも注意深く確認することが重要です。
生で食べない場合の対策として、家庭の冷凍庫で丸二日魚を寝かせるか、しっかり加熱することが有効です。
アニサキスは熱に弱く、70度の温度があれば一瞬で死滅します。70度まで温度を上げなくても、しっかり加熱をすることが予防につながります。
意外と知らない!お弁当の落とし穴
行楽シーズンでお弁当を持って出かける機会が多くなる中、実は意外な食材に注意が必要です。
中島先生によると、ハンバーグなどの加熱したおかずよりも、リンゴなどの水分の多いフルーツの方が食中毒を引き起こしやすいとのこと。水分の多いものは菌が他の食材に移りやすいため、専用の容器に入れることがおすすめです。
お弁当作りの3つの鉄則
- 水分の多いおかずは個別に入れる
フルーツなどは専用の容器に分けましょう。 - 食材は必ず冷ましてから詰める
「熱いものを熱いまま詰め込むようなことはしないでください。蒸気がこもってしまいます。多湿環境になってしまいます」と中島先生は注意を促します。 - 保冷材はお弁当の上に置く
冷気は上から下へ行くので、保冷材は弁当箱の上に置くのが効果的です。
食中毒予防の基本「3原則」
- 菌をつけない
手洗い、器具の洗浄・消毒を徹底しましょう。 - 菌を増やさない
適切な温度で保管し、調理後は速やかに食べることが大切です。涼しいからといって常温で放置してはいけません。 - 菌をやっつける
食材はしっかりと加熱して殺菌しましょう。これが最も確実な予防法です。