ピックアップ
pickup
「県内唯一の中学ラグビー部」川副中学校が全国大会初出場の快挙達成
県内唯一の存在として歩む25年の歴史
川副中学校ラグビー部は創部から25年を迎え、これまでの歴史の中ではプロで活躍する選手を輩出するなど、着実に成果を上げてきました。同部の最大の特徴は、佐賀県内で唯一の中学校ラグビー部であることです。
「テンション高いプレイを見てとてもかっこいいと思ったので入りました」と語る部員は、小学6年生の時に近くのグラウンドで見たラグビーの迫力に魅力を感じ、入部を決意したといいます。
痛みと向き合う本格的な練習メニュー
同部の練習は実戦さながらの厳しさで知られています。特にコンタクトプレーの練習では、タックルとオーバー、ヒットのすべてを連動して練習することで、ラグビーの醍醐味である激しいコンタクトプレーを身につけています。
指導者は「ラグビーは持久力の高さ、精神力の高さも必要です。それらを強くするために、チームみんなで励まし合いながら取り組んでいます」と説明します。
部員の一人は練習の魅力について「試合で相手にタックルをしてぶち倒した時です」と笑顔で語りますが、「怖いです」と正直な気持ちも明かします。それでも恐怖心に打ち勝って突っ込んでいく姿勢に、中学生らしい純粋な情熱が感じられます。
判断力を鍛える実戦的な練習「3対2」
同部では「3対2」と呼ばれる練習も重視しています。これはアタック3人、ディフェンス2人で行い、数的優位を活かしてトライを狙う練習です。指導者によると「ディフェンスは人数が少ない中でどう守るか判断しないといけません。アタックには、パスのスキルだけでなく、タイミングや誰にパスするのか、判断も必要になります」とのことで、実戦でよくある場面を再現することで試合に直結するスキルが身につくといいます。
練習中、部員たちは息が上がっていても冷静に判断を続ける姿が印象的で、日頃の厳しい練習の成果が表れています。
スクラムに込められた「チーム一丸」の精神
取材中、部員の一人からリポーターに対して特別なお願いがありました。「リポーターさんに僕たちと一緒にスクラムを組んでほしいです。スクラムはラグビーの象徴なので、リポーターさんにもその迫力を感じてほしいんです」
実際にスクラムを体験したリポーターは「四方八方からパワーがすごい。中学生でこのパワーが作れるのかっていうすごさから怖さぐらいまであります。体重82キロぐらいあるんですけど、一瞬浮きました」と驚きを隠せませんでした。
スクラムに参加した部員は「リポーターさんの強い気持ちが隣から、バシバシ伝わってきました」と感想を述べ、チーム一丸となって取り組む「ワンフォーオール、オールフォーワン」の精神を体現していました。
全国大会での手応えと来年への決意
今年度初めて出場した全国大会について、部員は「相手は強かったけど、自分たちのセットプレーやスムーズさが出せて良かったです」と振り返ります。初出場ながら自分たちの持ち味を発揮できたことに手応えを感じている様子が伝わってきます。
キャプテンは今後の目標について「僕たちは今年度、全国大会に出場しました。来年は今年よりもパワーアップして九州大会で勝ち上がり、もう一度全国大会に行きます」と力強く宣言しました。
学校全体で支える環境づくり
川副中学校では生徒行動目標「AKTB」を掲げ、全校生徒が「こんな川中にしたいよね」という目標を持って学校生活を送っています。その中でも「K:校舎ピカピカ、心もピカピカ〜自問清掃〜」として、自分に問いかけながら清掃を行い、校舎だけでなく自分の心も磨く取り組みを実践しています。
このような学校全体の教育方針が、ラグビー部の精神的な強さを育む土壌となっていることがうかがえます。

