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鍋島直正のプライベート空間「奥」を調査中!佐賀城本丸で発掘調査が進行
江戸時代の佐賀城を物語る貴重な絵図を公開
現在、佐賀城本丸歴史館で開催されている展覧会「佐賀城を知る」では、絵図や古文書などで佐賀城の歩みをたどることができます。展示の中でも特に注目されているのが、佐賀城完成間もない頃の様子を描いた大きな地図です。
佐賀城本丸歴史館の学芸員・堀英明さんによると、「こちらの方が今、我々おります本丸になりまして、逆さまに描かれた天守ですとか、その下に本丸御殿の様子が描かれております」と説明されています。
藩主のプライベート空間「奥」の詳細が判明
展示されている1835年の「佐賀城御本丸差図」は、十代藩主・鍋島直正の本丸御殿再建計画図です。この絵図には、江戸時代2度の火災後に鍋島直正が再建した佐賀城の詳細が描かれており、当時直正がプライベートな生活をしていた場所も明記されています。
堀さんは「実はこの南側一帯を"奥"と言いまして、藩主のプライベート空間になっていた場所です。例えば、この真ん中の辺り、お風呂場に殿様がお風呂に入っていた場所や、その下に奥御寝所のような殿様が寝る場所でした」と詳しく解説しています。
リポーターは「プライベートな空間の中、押し入れとか収納も多いですね」と、藩主の生活空間の機能的な設計にも注目しています。
藩主が愛でた庭園の謎を発掘調査で解明
本丸御殿には実はお庭もありました。堀さんによると「この真ん中あたり御座の間と書かれていますけれども、この南側一帯あたりがお庭があった場所になっている」とのことです。
この庭園については貴重な写真も残されており、「奥に先ほどの御座の間がありまして、その南側にこう池を配したようなお庭の様子が映っています」と当時の様子を知ることができる資料があります。
しかし、「今はもう埋まってしまって、見えなくなっています。まだ分からないところもたくさんあり、実は今、発掘調査を行って、当時の様子を調べているところです」と、現在進行形で調査が続けられています。
一般公開中の発掘現場で当時の生活に迫る
現在一般公開もされている発掘調査の現場では、先ほど古写真に写っていた池があったと思われている場所を調査しています。堀さんは「お庭の調査ですので、写真に写っていたような燈篭などが見つかれば一番嬉しいですね」と期待を込めて話しています。
さらに注目すべきは、「池に堆積した土を、分析することで、藻なんかが見つかります。それで当時のお庭の池の水がどんなお水だったのか、濁っているかとかですね、綺麗なお水だったのか、そんなことも分かればいいな」という科学的なアプローチです。
リポーターも「そんなことまで分かる可能性を秘めてる調査ってことですか?」と驚きを示し、「色々なものが見つかる可能性があるでしょうし、鍋島直正もこの角度でまさに眺めていたお庭が見つかればいいなと」と調査への期待を語っています。
まとめ:江戸時代と現代をつなぐ発掘調査
リポーターは「歴史資料もたくさん残ってますし、僕が楽しかったのがやっぱ絵図で今の道もはっきり残ってるんですよ。警察庁から佐賀県庁の南側を通る道だったり、島津仲があって、そこからサガテレビに繋がるあの道も綺麗に絵図に残ってるんだ」と、現在の佐賀市街地と江戸時代の城下町の連続性に感動を示しています。
また、お庭の情報については「写真があったでしょ?あれが写真が現存するのが2枚ぐらいしかないらしくて、本当に情報が少ない」という貴重さも明かされました。
鍋島直正のプライベート空間の新しい発見があるか、今後の調査結果に注目が集まっています。
展示詳細
- テーマ展「佐賀城を知る」
- 日時:令和8年1月12日(月)まで
- 閲覧料:無料
- 場所:佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内)
※令和7年12月29日~1月1日は休館

