佐賀市神園に、フィルムカメラの修理を専門とする隠れた名店があります。デジタル全盛の時代にあって、古き良きフィルムカメラの魅力を守り続ける職人の店「カメラサービス佐賀」。修理待ちのカメラが700台を超えるという驚きの人気ぶりで、半年待ちは当たり前という状況が続いています。「デジタルカメラはほらパシャパシャパシャパシャ簡単に撮れる。けど1枚1枚大事に撮りたいような感じするんじゃないですかね」——50年近くカメラの修理を手がける店主が語る、フィルムカメラの魅力をご紹介します。

「最近デジタルが多いじゃないですか？でも逆にフィルムカメラが流行ってきてます」と話すのは、50年近くカメラの修理を手がける店主。デジタルカメラの普及とは裏腹に、フィルムカメラへの注目が高まっているのが現状です。

店内に足を踏み入れると、修理待ちのカメラがずらりと並んでいます。その数なんと786台。「ちょっとごめんなさいって今言ってる状況なんですよ」と店主が苦笑いを浮かべるほど、修理依頼が殺到している状況です。

「カメラサービス佐賀」では修理だけでなく、壊れたカメラを買い取って修理し、販売も行っています。「販売もちらっとはありますけど、基本的にはフィルムカメラの修理です」と店主は説明します。

メーカーを問わず、基本的にはフィルムカメラなら機械式であればどんなものでも修理可能。長年培った技術と経験で、愛用のカメラを蘇らせてくれます。

店内には修理済みの美しいフィルムカメラが並んでいます。特に目を引くのは、オリジナルの黒から可愛らしい色に張り替えられたオリンパス・ペンSシリーズ。これを可愛く張り替えた赤い革張りのカメラは1万円で販売されています。

色違いも全部1万円という手頃な価格設定で、フィルムを入れればすぐに使える状態で販売されています。店主の娘さんが撮影したという美しい写真も店内に飾られ、フィルムカメラならではの味わい深い仕上がりを実感できます。

店内にはライカなどの高級カメラも置かれています。「今が高いんですよ」と店主が説明するように、「その旧車ブームみたいに昔のカメラが今非常に高くなりすぎてるような気がします」という状況。世界中のカメラファンに愛され続けるライカなど、数千万円で取引されるフィルムカメラも存在するほどです。

「デジタルには映せないじゃないけど、デジタルカメラはほらパシャパシャパシャパシャ簡単に撮れる。けど1枚1枚大事に撮りたいような感じするんじゃないですかね」

店主のこの言葉が、フィルムカメラの本質的な魅力を表しています。デジタルカメラのように気軽に何枚も撮影するのではなく、一枚一枚を大切に、思いを込めて撮影する。そんなフィルムカメラならではの体験が、多くの人々を魅了し続けているのです。

修理待ちが700台を超え、半年待ちが当たり前という「カメラサービス佐賀」。デジタル全盛の時代だからこそ、一枚一枚を大切に撮影するフィルムカメラの価値が再認識されています。

50年近い経験を持つ店主の技術で蘇るフィルムカメラは、単なる道具ではなく、思い出を刻む特別な存在。佐賀市神園の隠れた名店で、フィルムカメラの魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。

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