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2026.02.04

僧侶が作る唯一無二の僧作料理「すぱいすキッチンゆいまーる」武雄市若木町

武雄市若木町の川古の大楠近くにある「すぱいすキッチンゆいまーる」。ここでは、僧侶の井口聖人(いぐちきよひと)さんが作る唯一無二の「僧作料理」が味わえます。スパイスと精進料理が奇跡的に融合した、これまでにない料理体験がここに。修行時代に培った知恵とスパイスの知識を掛け合わせた、まさに「僧侶の知恵×スパイス」の極致をご紹介します。

お坊さんが営むスパイス料理店の誕生秘話

店名からも分かる通り、スパイス料理の専門店ですが、注目すべきは看板に大きく書かれた「カレー」の文字。そして、この店を営むのは僧侶の井口聖人さんです。

井口さんは元々、この場所でスパイス料理の専門店を7年間営んでいました。しかし、オープンから7年後に出家を決意。「今さら私の歳で家出もできないから、家出ができないなら逆さまにして出家しようかな」という、井口さんらしいユーモアあふれる理由で僧侶の道に進みました。

僧道での修行が生み出した独自の料理哲学

出家後、井口さんは集団生活を行いながら修行する僧道で、厨房に配属されました。そこで修行僧の食事を作る役目を担うことになり、禅宗のお寺での修行飯を教わりながら、調理技術を身につけていったのです。

修行時代の経験は、井口さんの料理哲学に大きな影響を与えました。「決められた食材で、いかにバリエーションを出すか」という課題に日々向き合い、時には「かぼちゃだけで四品ぐらい作って」といった厳しい修行も経験しました。この経験が、後に「僧作料理」という独自のジャンルを生み出す基盤となったのです。

如法の日に味わう精進料理版「僧作お膳」

取材日は12月18日、如法の日でした。如法の日とは、お坊さんにとって特別な日で、「四と九の月日だけは動物性を許されている日で、それ以外は動物性使用なしの料理」となります。そのため、この日のメニューは動物性の食材を一切使わない特別なラインナップとなりました。

「僧作お膳」には、ピーマンの肉詰めや自家製ピクルスなど、およそ6種類のスパイスが巧みに使われた料理が並びます。使用されている器も「応量器」という、お坊さんが修行中に使用するものと同じものが使われており、細部にまで修行時代の経験が活かされています。

大豆を肉に見立てる修行の知恵

特に注目すべきは「ピーマンの大豆肉詰め」です。大豆を細かく砕いて肉の食感を再現したこの料理は、「言われなければ分からない」ほどの完成度。リポーターも「スパイスが効いていて、大豆のお肉って分からない」と驚きの声を上げました。

また、「揚げないかぼちゃコロッケ」も井口さんの技が光る一品。「油で揚げてない分、素材の旨味が直接来る」という通り、かぼちゃ本来の甘みを最大限に引き出しています。これらの技術は、「使える食材が少ない環境で、毎日料理を作り続けた修行時代の経験から生まれた知恵」なのです。

衝撃の甘さ!いちごと渋柿の天ぷら

僧作お膳の中でも特に印象的なのが「苺と渋柿の天ぷら」です。この意外な組み合わせには深い理由があります。井口さんによると、「お寺は、檀家さんから果物をたくさんいただきます。山のようにたまるので、天ぷらにしてみよう」という実用的な発想から生まれました。

リポーターが実際に味わうと、「酸味ゼロです。甘み100パーセント」と驚愕。井口さんは「果物を天ぷらにすると酸味がなくなって、甘みが強調される」と説明し、「みんな大絶賛」と自信を見せました。

月に一度のカレー祭り限定プレート「7種盛り僧作ランチプレート」

修行を終えて店に戻った井口さんですが、やはりスパイスは欠かせない存在でした。「ただのカレーマニア」と語る井口さんの原点とも言えるのが、修行前に店で大人気だったカレー盛りだくさんのプレートです。

このプレートは月に一度のカレー祭りでのみ提供され、3種類のカレーが一度に味わえる贅沢な構成となっています。「秋鮭のグリーンカレー」「ありたどりのバターチキン」、そしてインドの家庭料理「ムング豆のダル」が一つのプレートに盛られています。

スパイスの化学反応を楽しむ食べ方

井口さんが推奨するのは、カレーを「混ぜて食べる」という一風変わった食べ方です。「ルー、トッピング同士、全部スパイス配合をずらしています。混ぜることによってスパイスの化学反応が起きる。実はその食べ方のほうがおいしい」と井口さん。

リポーターも実際に試してみると、「鮭の甘さと、スパイスの効いたグリーンカレー。鶏の甘みも残っているし、かぼちゃの素朴な甘みも残っている。徐々に混ざって初めての味になる」と、新しい味の発見に感動していました。

仏教の教えが込められた「10キロ圏内」のこだわり

井口さんの僧作料理には、仏教の教えから生まれた深い思いが込められています。「自分が暮らしている土地とその体は一体」という考えから、「僧作お膳は、すべての食材を10キロ圏内の食材を使う」というテーマで作られています。

「人が人のために最善を尽くして作れる料理を僧作お膳と自分の中では位置づけている」と語る井口さん。地元の食材への愛着と、食べる人への思いやりが、この唯一無二の料理を支えているのです。

まとめ

スパイス料理店から僧侶の道へ、そして再び料理の世界へ。井口さんの歩んだ道が生み出した「僧作料理」は、修行時代に培った知恵とスパイスの知識が見事に融合した唯一無二の料理です。決められた食材でバリエーションを生み出す修行の経験、10キロ圏内の食材にこだわる仏教の教え、そしてスパイスの化学反応を楽しむカレーマニアとしての情熱。すべてが一つの料理に凝縮されています。通常営業では「僧作お膳」と「日替わりカレー(単品)」を提供しており、月に一度のカレー祭りでは3種類のカレーや副菜が乗ったプレートが30食限定で楽しめます。少人数での営業のため事前予約がおすすめです。
 
  • 営業情報とアクセス

通常営業では「僧作お膳」と「日替わりカレー(単品)」を提供しており、月に一度のカレー祭りでは3種類のカレーや副菜が乗ったプレートが30食限定で提供されます。
川古の大楠の近くという立地で、お店の方に上る手前に駐車場のスペースが用意されています。

店舗情報
  • 店舗名 : すぱいすキッチンゆいまーる
  • 住所 : 武雄市若木町川古5979-2
  • 営業時間 : 11:30~15:30(18:00からは要予約)
  • 定休日 : 金曜日
  • TEL : 0954-33-8008
【2026年1月28日放送 かちかちLIVE グルメグル より】

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