スポット
spot
佐賀市新栄「洋学堂書店」20万冊の蔵書を誇る古書店 宮沢賢治初版本から炎博資料まで
1700年代から1800年代のドイツ古書コレクション
新栄小学校前の交差点近くにある「洋学堂書店」。店内に入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、革装丁の重厚な古書の数々です。
店主によると「1700年代から1800年代のドイツの古書です」とのこと。経済関係の専門書が中心で、ひげ文字と呼ばれる古い書体で書かれています。
「この本は亀の子文字になってるでしょ。もっと古いですね」と店主が説明するように、文字の形からも古さが分かります。リポーターが「すごくかっこいい。飾りたいですね」と感嘆すると、店主から「読めよ」とツッコミが入る場面も。
20万冊の蔵書を収める複数の倉庫
「20万冊ぐらいあるんですよ」という店主の言葉に驚くリポーター。その膨大な蔵書は、店舗だけでは収まりきらず、「まだ2つ倉庫があって」「もう入らないです」という状況です。
奥の部屋に案内されると、壁一面に古書がぎっしりと並んでいます。「図書館よりあると思う」「奥まで本が詰まってます」とリポーターも圧倒される光景が広がっています。
ジャンルは様々で、洋書から和書、そして佐賀県に関する郷土本まで幅広く取り揃えています。店主は「佐賀のものみたいなのは、なるべく集めるようにしています」と語ります。
佐賀の歴史を物語る貴重な郷土資料
店内には佐賀県に関する本だけでも膨大な量が収められています。佐賀県の文学、葉隠関連書籍、民謡や方言のまで佐賀の文化を網羅した書籍が並びます。
特に興味深いのは「佐賀競馬史」。現在は存在しない佐賀競馬場の歴史を記録した貴重な資料で、当時の競馬場の写真なども収められています。
さらに発見したのは「月刊佐賀文化」という雑誌。平成8年に発刊された佐賀の文化人たちが集まって出版した雑誌で、「しばらくして廃刊になります」と店主が説明する通り、現在では入手困難な貴重な資料となっています。
炎博の全貌を記録した貴重な資料
その雑誌の中でも特に注目されたのは、炎博(世界炎博覧会)に関する記事です。「炎博のすべてが分かる」「噂の全行事予定を一挙収録」という文字に、リポーターは「激熱じゃん」と興奮を隠せません。
岡本太郎についての記事も掲載されており、「岡本太郎さんのモニュメント有田町にある」とリポーターが解説します。1996年当時の佐賀の熱気を今に伝える貴重な資料となっています。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』初版本との出会い
店内で最も印象的だったのは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』初版本との出会いです。「宮沢賢治が出したとき」と店主が説明すると、リポーターは「宮沢賢治が銀河鉄道の夜、最初に出した本」と確認します。
昭和16年2月17日印刷と記載されており、「賢治の死後に出てる」と店主が解説。「すごく高いです」「7万ぐらいかな」という価格に、リポーターは「いい釣り竿が買える」と例えて驚きを表現しました。
『銀河鉄道の夜』だけでなく、川端康成の『雪国』の初版本も店内に収められています。「雪国ってシンプルに書いてあるだけ」という装丁からも、当時の出版文化の違いを感じることができます。
古書の価値観について語る店主
店主は古書の価値について興味深い見解を述べています。
「古本は値段じゃないです。お客様にとって面白がられているということが大事で、その人にとっては大事なんですけど、別の人にとってはまったく無価値ということもあります」
この言葉からは、古書の真の価値は市場価格ではなく、読者との出会いにあるという店主の哲学が伺えます。
洋学堂書店開業の経緯
「なぜこの古書店を始められたんですか」という質問に対し、店主は経緯を語ります。
「高校時代から佐賀の古本屋通ってたんですけど、大学出てから出版社だと思って入ったら、出版もやってるんですけど、洋書屋だったんですね。それで古書部ってとこにもいたもんですから。それで、佐賀に帰って、店を開こうということでしました」
高校時代からの古書への愛情と、洋書店での経験が現在の洋学堂書店につながっているのです。
お客さんについて尋ねると、「佐賀の方や個人で研究している人もいっぱい来られますよ」と店主が説明します。研究者から古書愛好家まで、幅広い層に愛されている専門書店としての側面が見えてきます。
まとめ
店舗情報
- 店舗名 : 洋学堂書店
- 住所 : 佐賀市新栄西2丁目8-44

