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地下90mの水で育てた"トマト"が話題!味も働き方も新しい「にしやまファーム」の魅力に迫る
江北町の「にしやまファーム」では、地下約90メートルの地下水でトマトを栽培しています。
そのトマトの驚くほどジューシーな味わいが、いま注目を集めています。
農園主は元介護福祉士という異色の経歴の持ち主。
最新のスマート農業を取り入れながら、女性がいきいきと働ける環境づくりにも力を入れています。
味も働き方も新しい、“佐賀発の次世代トマト”に期待が高まっています。
田んぼの中に現れる、圧巻のトマトハウス
水田が広がる江北町の農道を進んでいくと、背の高いビニールハウスが突然姿を現します。
一歩中へ足を踏み入れると、目の前に広がるのは、天井まで届くほど伸びたトマトの株が整然と並ぶ、まるで別世界のような光景。
静かなのに生命力に満ちた空間が広がっています。
その中で目を引くのが、根元で幾重にも巻き取られるほど長く育ったトマトの蔓(つる)。
これは「ハイワイヤー」と呼ばれる栽培方式で、上部の誘引線へ向かって株を高く伸ばし続けることができます。
広々としたハウス内は圧迫感がなく、子どもが走り回れるほどの奥行き。最先端の栽培技術が生み出す、開放感あふれるトマトの世界が広がっています。
唯一無二のジューシーさ
このハウス最大の特徴は、地下約90メートルからくみ上げた地下水をたっぷりと使った栽培方法にあります。豊かな地下水を吸い上げて育ったトマトは、ひと口目からみずみずしさが際立つ仕上がりです。
完熟した真っ赤なトマトを手に取ると、皮の張りと重みがしっかりと伝わってくるほどの充実感。かぶりついた瞬間、果汁が一気にあふれ出し、思わず笑顔がこぼれます。
トマト本来の酸味と旨味がしっかりと感じられる、まさに“ザ・トマト”と呼びたくなる味わい。甘さに寄りがちなフルーツトマトとは一線を画し、濃厚さとバランスの良さを兼ね備えた一品です。
トマトは7月に定植し、翌年の5月いっぱいまでほぼ1年間育て続けます。「だから失敗はできないですね」という農園主の言葉には、長期間丁寧に育て上げるプロとしての強い責任感がにじんでいます。
元介護福祉士が農業の道へ
農園主はもともと介護福祉士として働いていました。「自分でこうやりたいという気持ちがあった」という強い思いに加え、地域に農業環境が整っていたことも後押しとなり、転身を決意します。
ちょうどその頃、地域に「トマトのトレーニングファーム」が開設され、その1期生として入学。2年間にわたり栽培技術や経営をしっかりと学び、修了後に現在の農園を立ち上げました。
農業を始めてからまだ6年。それでいてここまで注目される存在になっていることに、その行動力と挑戦の早さがうかがえます。
スマート農業の最前線
このハウスは、新規就農者でも取り組みやすいよう設計されており、すべての環境制御をパソコンで一元管理できる最新設備を備えています。トマトが最も光合成しやすい状態をデータやグラフで“見える化”しながら、スマートフォンからの遠隔操作も可能です。
日差しが強すぎるときには自動でカーテンを閉じ、換気が必要な場合には上部の窓を開けるなど、繊細な調整もハウスの外からスムーズに行えます。
「昔のハウスと比べたら、ずっといなくていい」という農園主の言葉の通り、作業の効率化が進み、週休2日制での運営も実現。テクノロジーによって、農業の働き方そのものが大きく変わりつつあります。
女性が輝く農園
取材中には、農園主の娘さんが赤ちゃんを抱っこしながら作業している姿も見られました。
農園主には「女性が活躍できる場所を作りたい」という強い思いがあり、女性のパートスタッフを積極的に採用しています。
「ハウスの中で働いていると、何か浄化される感じがする」とスタッフが話すほど、働く環境の心地よさも魅力のひとつです。
佐賀のトマトを全国へ
農園主の夢は、「もっと若い人にたくさん入ってもらって、佐賀トマトを全国にもっと広めたい」こと。
地下90メートルの水を吸って育つ、この土地だからこそ作れるオンリーワンのトマトを、佐賀の新名物として全国に発信したいという熱い思いがあります。
さらに「最近トマトに名前を付けようかという話が上がっている」とのことで、佐賀の新ブランドトマトとして近いうちにその名が世に出てくるかもしれません。
まとめ
元介護福祉士という異色の経歴を持つ農園主が、情熱と最新技術を注いで作り上げた「地下水ジューシートマト」。
一口かぶりつけば果汁があふれ出す、この土地ならではのトマトは、まさに佐賀の新名物といえる一品です。
トマトはハウス横の直売所でも購入できます。江北町を訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。ブランド名誕生の日も、今から楽しみです!

