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人気上昇中⁉ 鹿島市「漬蔵たぞう」で体験する昔ながらの梅漬け作り
梅雨がちょっと好きになる 漬物文化の取材へGO!
梅雨と聞くと憂うつになりがちですが、実はこの「梅雨(つゆ)」という言葉、「梅の実が熟す時期に降る雨」に由来しているという説があるそうです。今回はそんな梅雨時期にぴったりな体験として、鹿島市にある発酵文化の拠点「漬蔵たぞう」を訪れ、梅漬けのワークショップを取材してきました。
趣ある漬蔵で発酵文化を学ぶ「漬蔵たぞう」
鹿島市にある「漬蔵たぞう」は、築およそ130年の蔵を活用した趣ある漬物製造所です。昔ながらの佇まいをそのまま残し、発酵文化を現代につなぐ拠点として、漬物の販売やワークショップを行っています。ジメジメと湿気の多い梅雨の時期にこそぴったりな、保存食文化の奥深さがここにはあります。
人気の梅漬けワークショップ体験
今回の取材の目的は、毎年開催されている「梅漬けワークショップ」。2024年で3年目を迎え、今年は人気のため追加開催が決定するほどの盛況ぶりでした。
講師を務めるのは、漬蔵たぞうの4代目・田雑社長。まずは梅漬けについての基礎知識を教えてもらいます。
梅漬けと梅干しの違いとは?
梅干しは塩漬けにしたあと天日干しをして完成させるのに対し、梅漬けは干さずに塩と水だけで漬け込む保存食です。
自分だけの梅漬け作りに挑戦!
ワークショップでは、参加者が一人ずつ梅を塩と水で丁寧に漬け込みます。
参加者の声からは、体験の楽しさと「自分で作る」ことの価値が伝わってきました。
- 男性参加者:「買った物じゃなくて、自分で作ったものを食べるのが嬉しい。嫁さんにも食べさせてやろうと思って」
- 女性参加者:「小さい頃、おばあちゃんと一緒に作った記憶があります。全工程を自分でしたことはなかったので、改めてやってみたくて参加しました」
みなさん笑顔で塩漬けした梅を手に、思い思いに持ち帰っていらっしゃいました。
梅漬けを試食!吟醸粕漬だいこんの味は?
ワークショップの後には、漬蔵たぞうで人気の漬物も試食できます。
今回は「吟醸粕漬だいこん」(550円)を試食。
リポーター「めちゃくちゃおいしいお酒をグビッと飲んだような贅沢感があります」
この一品からも、発酵の深みと手間暇の価値がしっかり感じられました。
田雑社長が語る、漬物文化のいま
ワークショップの最後には、田雑社長に漬物と発酵文化について話を伺いました。
―最近、漬物を自分で作る人が増えているのでは?
田雑社長:「やっと“漬物を作ってみたい”という思いを持ってくれる人が少しずつ出てきてくれたのかなと、嬉しく感じています」
―梅雨時期に漬け出すのは良いタイミング?
「微生物には、ある程度の湿度と温度が必要なので、梅雨時期に漬け始めるのはとても理にかなっています」
さらに、現代野菜の特性についても語ってくださいました。
「最近のキュウリやダイコンは昔よりも水分量が多く、柔らかくなっています。そのため、昔と同じ漬け方では美味しい漬物はできません。今の野菜に合った塩加減や食べごろを自分で体験することが大事。それが、長年かけて身につけた“おばあちゃんの漬物”のおいしさなんです」
また、昔ながらのお弁当にある「ご飯の上の梅」も理にかなっていると話します。
「梅は塩分と酸味があるので、夏場の健康を守る役割もあるんですよ」
発酵文化を未来へつなぐ
漬物だけでなく、酒造りでも知られる鹿島は、まさに発酵文化の町。
「今では若い人たちが、古来の発酵文化をPRし、世界へ広めようとしてくれています。こういう動きはとてもありがたい。発酵文化はまだまだ発展できると信じています」と、田雑社長。
まとめ
梅雨の時期が少しだけ好きになる、そんな体験を提供してくれる「漬蔵たぞう」。
昔ながらの漬物文化は、ただの保存食ではなく、家族の記憶や暮らしの知恵が詰まった文化そのものです。
ジメジメした梅雨を、自分だけの梅漬け作りで乗り切ってみてはいかがでしょうか?
鹿島の発酵文化とともに、心も体も健やかになる体験が、きっとあなたを待っています。