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太陽の100万倍の明るさ!九州唯一のシンクロトロン光研究センターで最先端科学の世界を体験
シンクロトロン光とは?太陽の100万倍の明るさを持つ特殊な光
シンクロトロン光は、電子を光の速度近くまで加速させて作り出す特殊な光です。その明るさは太陽の100万倍にも達し、この強力な光を照射することで、分子レベルや原子レベルでの微細な観測や分析を行うことができます。
人の目で見ることができないほど小さな世界を明らかにする、現代科学の最前線で活躍する技術です
半導体から海苔まで!幅広い分野で活用される研究成果
九州シンクロトロン光研究センターでは、企業の製品開発や研究機関からの相談に応える形で、様々な分野の研究が進められています。
工業分野では、スマートフォンなどの電子機器に使われる半導体の研究が行われています。研究員によると「半導体に小さな傷がないか、それを調べて電子機器が壊れにくくなるような研究をやっています」とのことです。私たちが日常的に使っている電子機器の品質向上に、この最先端技術が役立っています。
サガンスギの強さの秘密をシンクロトロン光で解明
佐賀県が開発した新品種のスギ「サガンスギ」についても、シンクロトロン光を使った研究が行われました。
サガンスギは成長が早く、花粉が出にくいという特徴を持っていますが、一般的に「成長が早いと年輪の間隔が広がって、木は弱くなる傾向にある」とされています。しかし、サガンスギは「早く育って年輪間隔が広いが、なぜか強い」という特性を持っていました。
この謎を解明するために、研究センターでは特殊な機械で木片にシンクロトロン光を当てて分析を行いました。その結果、「サガンスギは、一般的に強度が低いとされる年輪の幅が広い状態でも、繊維の量が多くて傾きが少ないことが判明」しました。
この科学的な証明により、サガンスギが「科学的に強い木材」であることが実証されました。従来の経験則だけでは説明できなかった木材の強さを、最先端の光技術で数値化して証明した成果です。
9月27日に特別一般公開!最先端研究施設を間近で体験
このような最先端の研究が行われている九州シンクロトロン光研究センターを、実際に見学できる機会があります。9月27日(土曜日)に開催される一般公開では、普段は立ち入ることのできない実験ホールを特別に見学することができます。
研究センターの担当者は「実験ホールの中を小学生以上を対象に見学することができます。他にも科学体験などをご準備しております」と説明しています。
予約なしでも楽しめるコーナーが用意されている一方で、実験ホールに入るには事前の申し込みが必要です。
申し込み受付は9月10日(水曜日)から開始され、実験ホールの見学は小学生以上が対象となります。
広がる可能性を秘めた光技術の未来
シンクロトロン光の活用範囲は非常に広く、「半導体からノリまで」というほど多岐にわたります。この技術が持つ可能性に注目が集まっています。
サガンスギの研究では「数値で強度が強いということを判別してくれる、科学的証明で分かる」という点が評価されています。
佐賀県という地方にありながら、世界レベルの研究が行われているこの施設。9月27日の一般公開は、最先端科学の世界を身近に感じることができる機会となります。申し込み方法など詳しい情報は、シンクロトロン光研究センターのホームページで確認することができます。
九州唯一の研究機関で行われている最先端の研究を、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。