1. TOP
  2. 記事一覧
  3. ピックアップ
  4. 5年に1度の国勢調査 スムーズな対応のポイントを佐賀県実施本部に聞く

ピックアップ

pickup

2025.09.07

5年に1度の国勢調査 スムーズな対応のポイントを佐賀県実施本部に聞く

5年に1度実施される国勢調査が、2025年10月1日を期日として行われます。全世帯が対象となるこの調査について、佐賀県庁内に設置された実施本部を訪ね、スムーズに対応するためのポイントを取材しました。

佐賀県の国勢調査実施本部は、政策部長をトップとした関係課を含む体制で運営されており、統計分析課が事務局を担っています。

実際の調査は、各市町から推薦された約4,400人の調査員と、それをサポートする約600人の指導員によって行われます。

県の実施本部は、県内各所への広報や協力依頼、市町から上がってくる調査票の審査・取りまとめを担当しています。

調査票の配布は9月中旬から、インターホン対応も可能

国勢調査のスケジュールは、9月中旬以降から各世帯への調査票配布が順次開始され、9月20日からインターネット回答の受付がスタートします。10月1日が実施期日となり、回答期間は10月8日までの約2週間半です。

調査票は封筒に入れられ、総務大臣任命の「調査員証」を携帯した調査員が1軒1軒訪問して配布します。地域によっては自治会員や民生委員が調査員を担う場合もあります。

近年の社会情勢を受けて、玄関での対応を控える住民への配慮も行われています。「必ずしも対面での応答というわけではなく、インターホン越しでの応答で調査の説明をお聞きいただくことも可能としています」と実施本部では説明しています。

調査員は空き家かどうかを確認するためにも全ての住居を訪問し、アパートやマンションの空室、病院や介護施設なども含めて調査票を配布します。

インターネット回答が便利、記入漏れ防止機能も

配布される調査書類一式には、インターネット回答の依頼書、調査票の記入方法説明書、返送用封筒、そして実際の調査票が含まれています。

今回の調査では、紙による記入よりもインターネット回答が推奨されています。その理由について、実施本部の担当者は「インターネット回答は記入漏れ防止などの調査の精度に資する機能もあります。また、紙の調査票は1枚に4名しか回答できませんが、インターネット回答であればそれ以上、最大19名まで一度に回答できるので非常に便利になっています」と説明しています。

インターネット回答は、スマートフォンからも可能です。配布される用紙に記載されたQRコードを読み取ることで、ログインIDとアクセスキーを手打ちで入力する必要がなく、そのままログインできる仕組みになっています。

重要なのは、この用紙を紛失しないことです。「この用紙は1世帯に1種類ずつ配っていますので、捨てないようにお願いします」と注意が呼びかけられています。各世帯専用のQRコードが記載されているため、紛失すると再発行が必要になります。

国勢調査のインターネット回答は3回目、佐賀県では4割弱が利用

国勢調査でインターネット回答が可能になったのは平成27年(2015年)からで、今回が3回目の実施となります。前回の令和2年(2020年)国勢調査では、佐賀県で約4割弱のオンライン回答がありました。今回はそれ以上の利用を目指しています。

高齢者などインターネットやスマートフォンの操作が難しい方は、従来通り紙の調査票を使用することも可能です。紙の調査票は表裏1枚で完結するよう設計されており、基本的に難しい項目はありません。記入時のポイントは、10月1日現在の情報を回答すること、裏面も含めて最後の設問まで回答すること、記入漏れがないように提出することです。

紙による提出方法は2種類あります。

  1. 同封されている郵送提出用封筒に入れてポストに投函する方法
  2. 10月1日から8日の間に調査員が再訪問するタイミングで直接手渡しする方法

まちづくりや企業活動にも活用される調査結果

国勢調査の意義について、実施本部では次のように説明しています。「国勢調査は、どこにどれくらいの人が住んでいるかを明らかにします。それを基に、国や県、市町において、子育て支援や高齢者福祉のサービス、防災計画、まちづくりなど多岐にわたる施策に役立てられています」

さらに、行政以外でも活用されており、「調査結果は、企業が店舗を出店する計画を立てたり、大学の研究の資料となったりと、行政以外でも活用されています」とのことです。

佐賀県の人口、戦後初めて80万人を下回る

国勢調査で明らかになる重要なデータの一つが人口です。佐賀県の人口は、5年ごとの国勢調査で確定した人口をもとに、月ごとの転入・転出・出生・死亡による増減を加算して、毎月「推計人口」が公表されています。

前回の国勢調査では約81万人(811,442人)だった佐賀県の人口は、この5年間で減少が続き、2022年12月の推計人口で戦後初めて80万人を下回りました。過去の国勢調査では、佐賀県の人口が最も多かったのは1955年の約97万人でした。

このように国勢調査は、時代の変化を示す指標としても機能しており、人口減少社会における政策立案の基礎データとして活用されています。

国勢調査への協力は法律で義務付けられており、正確な統計作成のためには全世帯の回答が必要です。配布される調査票を受け取ったら、インターネット回答を活用して期限内に確実に回答することが求められています。

まとめ

国勢調査は、子育て支援や高齢者福祉のサービス、防災計画、まちづくりなど多岐にわたる施策に役立てられる重要な調査です。佐賀県の人口が戦後初めて80万人を下回る中、正確な現状把握の重要性は高まっています。9月中旬から始まる調査票配布では、インターホン越しでの対応も可能とされ、インターネット回答ならQRコードを活用した簡単な手続きで回答できます。法律で義務付けられた調査への協力を通じて、県民一人ひとりが地域の政策立案に貢献することができます。
【2025年9月2日放送 かちかちLIVE 火曜特集 より】

関連記事

※各記事に掲載している料金やサービスについては、記事を掲載した時点での情報になります。掲載当時から料金やサービスが変更になっている場合がございます。
RECOMMEND