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2025.09.12

災害の怖さを体験!佐賀広域消防局の防災学習広場で災害への備えを身につけよう

佐賀市兵庫北にある「佐賀広域消防局 防災学習広場」が、防災週間に合わせて注目を集めています。消防や防災について体験を通して学べるこの施設では、実際の災害時にどう対処すべきか、事前にどのような準備をしておくべきかを身をもって学ぶことができます。

佐賀県の地形的特徴を理解することから防災は始まる

防災学習広場では、まず佐賀県の地形的な特徴について学ぶことから始まります。佐賀消防署予防指導課によると、「佐賀県は水害が発生しやすい地形」だと説明されています。

その理由は複数あります。平野を囲む山々が急峻であるため、「大雨時に雨が集まり、一気に下流に流れ、洪水が起こりやすい地形」となっています。

さらに、佐賀平野を流れる川は、干満差が最大5メートルもある有明海に流れ込むため水の流れが悪く、満潮と大雨が重なると洪水になりやすいという特徴もあります。

加えて、佐賀平野は海面より低いゼロメートル地帯に多くの人が生活しているため、「ひとたび洪水が起こると大きな被害が出る危険性がある」と警鐘を鳴らしています。

リアルな泥水歩行体験で水害時の危険性を実感

防災学習広場の目玉の一つが、風水害体験コーナーです。ここではボールを泥水に見立てて、豪雨などで冠水した時の歩行を体験できます。

実際の体験では、「足元が見えない怖さ」「水の抵抗で歩きづらさ」「急に深くなる場所がある」といった想像以上の困難さを実感できます。体験者からは「全然前に進めない。体が取られてしまって、この水にフラフラする上にパニックになっているので、バランスを崩すと溺れてしまうのではないかという恐怖がある」という声が上がるほど、その恐ろしさを生々しく体感できます。

水害時の避難で知っておくべき重要なポイント

泥水歩行体験を通じて、水害時の避難における重要なポイントが明らかになります。

履物選びが命を分ける

多くの人が雨の日には長靴を履きがちですが、担当者は「水に浸かってしまうと長靴だと水が中に入ってきて、逆に歩きにくくなってしまいます。ですので、スニーカーなど歩きやすい靴が良い」とアドバイスしています。

足元確認用の道具が必須

「足元の状況を確かめられる傘・杖などがあると安心」と説明され、実際に傘を使って足元を確認する方法も紹介されています。体験者も「ここに地面があるということが分かります」と、その有効性を実感できます。

事前の危険箇所把握が重要

災害時は見慣れた道がいつもと違う風景になるため、「マンホールやクリークがある場所などを事前に確認」し、「避難場所とそこまでの道のり(避難経路)も事前確認を」と呼びかけています。

そして何より大切なのは「早め早めの避難」です。担当者は「命を守るためには水害に対する知識と備えが必要。なにより『早め早めの避難』!一番大事!!!」と強調しています。

震度7までの地震体験で防災意識を高める

地震体験コーナーでは、震度3から震度7までの揺れを体験できるシミュレーターが設置されています。震度3でも「結構揺れる」と感じますが、震度7を体験するとその衝撃は想像を遥かに超えるものです。

体験者は「言葉が出ないぐらい真っ白になった。手すりがあったから立っていられたが、何も捕まらなかったら多分立っていられないと思う」と、その恐ろしさを語っています。担当者も「震度7というと立っていられないような揺れの強さになります」と説明し、佐賀でも大規模な地震が起きる可能性は十分あることを警告しています。

地震直後の家の中を再現した避難体験

地震体験の次は、地震が起きた直後の家の中の様子を再現した場所での避難体験です。本棚が倒れ、食器棚が開き、床には割れた食器が散乱している状況が再現されています。

家具の固定対策

食器棚について担当者は「地震の揺れによって戸が開いてしまったり、場合によっては倒れてしまうので、戸が開かないような措置をしたり、大きめの家具は家のしっかりしたところに固定をしておくことが大事」と説明しています。

避難時の履物準備

床に散乱した割れた食器について、「避難の時はこういったところを歩いて避難をしなければなりません。ですので、家の中であってもスリッパ等で構いませんので、準備をしておくことが必要」とアドバイスしています。

夜間停電時の備え

「地震の直後というのは電気が止まってしまいますので、ライトが必要です。寝る場所などには、懐中電灯などを備えておくと安心」と、照明の確保の重要性も説明されています。

通電火災を防ぐ感震ブレーカーの設置推奨

さらに、近年注目されている「通電火災」についても言及。これは「一旦停電をした後に電気が復旧する時に火災になってしまうような現象」で、その対策として感震ブレーカーの設置が推奨されています。

「ブレーカーにウエイトをつけるような感震ブレーカーというものが販売されており、後付けもできますので、設置を推奨しています。ホームセンターなどで取り扱いがございますので、簡単に手に入れることができます」と、具体的な入手方法まで紹介されています。

体験することで変わる防災への意識

一連の体験を通して、「体験することは本当に大事で、想像をはるかに超えてきた」という感想が寄せられています。担当者も「体験を通して学べることはたくさんあると思いますので、ぜひたくさんご来場いただいて、防災について学んでいただきたいと思っております」と呼びかけています。

9月は台風シーズンが本格化する時期でもあり、「被害が大きくなる前に早めに、早めに避難をするということが一番大事」と改めて早期避難の重要性が強調されています。

この防災学習広場での体験は無料で受けられますが、予約が必要で、1日4枠(1枠10人まで)の定員制となっています。実際に体験することで防災への意識が大きく変わることは間違いありません。

施設情報
  • 施設名: 佐賀広域消防局 防災学習広場
  • 住所: 佐賀市兵庫北3丁目5番1号
  • TEL: 0952-33-6773(佐賀消防署 予防指導課)
  • 料金: 無料(体験は要予約)
【2025年9月5日放送 かちかちLIVE イマここ中継より】

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