1. TOP
  2. 記事一覧
  3. スポット
  4. 武雄市図書館の秋イベント!「認知症展示」と「27年続く陶芸家展」

スポット

spot

2025.09.25

武雄市図書館の秋イベント!「認知症展示」と「27年続く陶芸家展」

武雄市武雄町にある「武雄市図書館」で、9月20日から2つの魅力的なイベントが同時開催されています。2000年に建てられたこの図書館は、吹き抜けの高い天井と広々とした空間が特徴的で、多くの人々が読書を楽しむ憩いの場として親しまれています。読書の秋にふさわしい学びと芸術の両方を堪能できる特別な企画をご紹介します。

世界アルツハイマー月間に合わせた認知症理解への第一歩

「想いに寄り添う展示会」で学ぶ認知症の基礎知識

9月は世界アルツハイマー月間として位置づけられており、武雄市図書館では「想いに寄り添う展示会〜知ること、つながること、やさしくなること〜」が開催されています。

武雄市認知症地域支援推進員の益田とも子さんによると、「認知症ってどんなこと?どんなふうに関わればいいの?そんな疑問にパネルやクイズを通してやさしく寄り添う展示会です」とのことです。

展示会では、まず認知症とアルツハイマーの違いから丁寧に説明されています。「認知症とは病気の総称を表しており、アルツハイマー型認知症はその病気の中の1つになります」と益田さんが解説するように、多くの人が混同しがちな基本的な概念から学ぶことができます。

クイズ形式で楽しく学ぶ認知症の正しい知識

会場では、来場者が楽しみながら学べるクイズコーナーが設置されています。

例えば「認知症は高齢者だけがなる病気である」という問いに対して、正解は「×」。「多くは高齢者の方に起こりますが、若年性認知症と言われまして、65歳未満の方でも認知症になることがあります。稀ではあるんですが、20代から30代の方でも認知症になる方もおられます」と益田さんが説明しています。

また、「認知症と加齢による物忘れは全く同じである」という問いも興味深い内容です。正解は「×」で、「加齢による物忘れはヒントがあれば思い出せることが多いのですが、認知症では思い出せなくなることが多くなっていく」という重要な違いが学べます。

軽度認知障害(MCI)について知る重要性

展示では、軽度認知障害(MCI)についても詳しく解説されています。

「この物忘れがだんだん増えてくると軽度認知障害、MCIという障害が知られます。こちらは本人の方も物忘れが増えているという自覚がまだある段階なんです。認知症の手前の段階となります」

益田さんが説明するように、早期発見と適切な対応の重要性が強調されています。「ここで生活習慣などを見直すと、正常な状態に戻ったり、また進行を遅くすることが期待できる」という希望的なメッセージも込められており、来場者に前向きな気持ちを与える内容となっています。

武雄の陶芸文化を堪能する「酔陶会展」

27年の歴史を持つ陶芸家グループの作品展

同時期に開催されているのが「武雄の現代の陶芸家たち-酔陶会展-」です。黒牟田焼丸田宣政窯の丸田延親さんによると、「酔陶会は武雄市在住の陶芸家の集まりです」とのことで、平成10年に発足して27年の歴史を持つグループです。

会の名前の由来について丸田さんは説明します。「人間国宝で活躍されました中島宏先生が、たまには酒を飲んで、そして談笑のような感じで楽しんでいこうということで、できた会がこの酔陶会ということです」

武雄の焼き物文化の深い歴史

武雄の陶芸には長い伝統があります。「磁器も土器もありまして、有田の焼き物よりも約20年ほど古くから始まっております」と丸田さんが語るように、武雄は佐賀県内でも特に古い歴史を持つ焼き物の産地です。

会場では、会員11名による約30点の作品が展示されており、「ここにあるのは全て、日展とか日本現代工芸展とか県展とかに出品をされた作品が並んでおります」という高いレベルの作品群を見ることができます。

多彩な技法と個性豊かな作品群

展示されている作品は、磁器と陶器の両方があり、それぞれの作家の個性が光る多彩な作品が並んでいます。

丸田さんの作品「夕暮れシリーズ」について、「夕暮れをイメージして、ダイナミックに仕上げた作品です。これはろくろ整形じゃありませんので、板を張り合わせて作る技法です。張り合わせだから無限大の形ができます」という技法の説明からも、作家たちの高い技術力がうかがえます。

展示期間中は当番制で作家が会場に常駐しており、「毎日ここにいらっしゃいますので、何か質問とかありましたら、お気軽に聞いたら答えてもらいます」と丸田さんが案内しています。作品について直接作家から話を聞ける貴重な機会となっています。

秋の図書館で過ごす特別な時間

両イベントとも入場無料で、武雄市図書館のオープンスペースと歴史資料館展示室で開催されています。読書の秋にふさわしい学びと芸術の融合した時間を過ごすことができ、認知症への理解を深めながら、武雄の伝統工芸の素晴らしさも堪能できる貴重な機会となっています。

益田さんは「この展示会は認知症という病気が決して特別な病気ではなく、誰もがなり得る身近な病気であることを知っていただくためのきっかけにつながってほしいと思います」とメッセージを寄せています。

丸田さんも「1人でも多くの方にご来場をお願いいたしまして、この焼き物の良さを1人でも多くの方に味わってもらうように思っております」と来場を呼びかけています。

イベント情報

「想いに寄り添う展示会〜知ること、つながること、やさしくなること〜」

  • 期間: 9月20日(土)〜10月13日(月)
  • 時間: 9:00〜21:00
  • 会場: 武雄市図書館 オープンスペース
  • 参加費: 無料

「武雄の現代の陶芸家たち-酔陶会展-」

  • 期間: 9月20日(土)〜28日(日)
  • 時間: 9:00〜17:00
  • 会場: 武雄市図書館・歴史資料館 展示室
  • 入場料: 無料
施設情報
  • 武雄市図書館
  • 住所: 武雄市武雄町大字武雄5304番地1
  • 営業時間: 9:00〜21:00
【2025年9月19日放送 かちかちLIVE イマここ中継より】

関連記事

※各記事に掲載している料金やサービスについては、記事を掲載した時点での情報になります。掲載当時から料金やサービスが変更になっている場合がございます。
RECOMMEND