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佐賀農業高校食品科学科が魅せる「実践的な青春」〜130年の歴史が育む食のスペシャリストたち〜
明治28年創立、130年の歴史が築く教育の土台
白石町にある佐賀農業高校は、明治28年に創立され、今年で130周年を迎える歴史ある農業高校です。現在は3つの学科を擁し、それぞれが専門性の高い教育を展開しています。
農業科学科では、2年時より野菜、果樹、草花、畜産の4つの専攻に分かれ、各分野の専門的な知識を身につけることができます。校内ではポニーやトイプードル、牛、陸ガメ、ヤギなども飼育しており、生徒たちで飼育の仕方やトリミングなどを学んでいます。
環境工学科は国家資格を中心にたくさんの資格を取得することができる学科で、「公務員の就職率は県内ナンバーワン」という実績を誇っています。
そして今回注目する食品科学科は、食についての専門的な知識を身につけることはもちろん、製造技術や接客について学ぶことができる学科として、地域から高い評価を受けています。
2つのコースで描く、食のプロフェッショナルへの道
食品科学科では、2年時より「食品製造コース」と「流通実践コース」の2つに分かれて、より専門的な学習を進めます。
食品製造コースでは、「クッキーやマフィン、ビスケットといった加工品を始め、佐賀県で唯一、製造を行っているアイスクリームの製造実習があります」
生徒たちは月に1回、「サノ・ボヌール」と名付けたケーキカフェを運営し、自分たちで作ったお菓子やケーキなどを実際に販売しています。
一方、流通実践コースでは「食品製造が作った商品をお客様に販売するマルシェ活動があります」。13年間継続している「サノン・マルシェ」は「地域の方に愛されて、今でも熱い人気を誇る販売活動」となっています。
100円で味わう本格カフェの魅力
特に注目すべきは、生徒たちが運営するカフェ「サノ・ボヌール」の驚きの価格設定です。
「ロールケーキ、ガトーショコラ、シュークリーム、季節のタルトのフルーツなど」本格的なラインナップが、なんと「100円」で提供されています。
実践を通して身につく、プロの技術と心構え
番組では、リポーター2名によるタルトのデコレーション対決も行われました。生徒たちの指導のもと、フルーツとホイップクリームを使ったデコレーションに挑戦する様子が放送されました。
しかし、生徒たちが日頃の授業で制作したタルトを見ると、その技術の差は歴然。「全然違う」「さすがプロの腕でございます」と、生徒たちの高い技術力が証明されました。
制服に身を包んだ生徒たちが整列し、真剣にデコレーション対決を見守る姿からは、日頃から実践的な学習に取り組んでいる様子がうかがえます。
地域とともに歩む、未来への展望
「地域の方はもちろん、もっと多くの人たちに愛されるような活動を行っていきたいと思います」と語る生徒たちの言葉からは、地域貢献への強い意識が感じられます。
道の駅白石での販売活動や各地のイベント参加など、校外での実践的な活動を通じて、生徒たちは製造から販売、接客、会計処理まで一貫して学んでいます。これらの経験は、将来パティシエなどの食品業界を目指す生徒たちにとって、かけがえのない財産となっているのです。
まとめ
佐賀農業高校食品科学科の取り組みは、単なる職業教育を超えて、地域社会との絆を深めながら次世代の食のプロフェッショナルを育成する、まさに「青春の実践」そのものと言えるでしょう。明治28年から続く130年の歴史が育んだ教育の土台のもと、「実践、実践、また実践」をモットーに、生徒たちは食品製造から販売まで一貫して学んでいます。100円で味わえる本格的なケーキや、13年間地域に愛され続けるマルシェ活動は、彼らの確かな技術と真摯な姿勢の証です。
佐賀農業高校食品科学科では、実践的な学習を通じて食品業界のプロフェッショナルを目指す生徒を育成しています。カフェ「サノ・ボヌール」やマルシェ「サノン・マルシェ」の活動にご注目ください。