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全国に10軒未満!佐賀「原田製樽所」が守る樽職人の伝統技術
佐賀市久保田町にある「原田製樽所」は、全国でもわずかしか残っていない"樽職人"の工房です。祝いの席で欠かせない鏡開き用の樽を中心に、昔ながらの製法で一つひとつ丁寧に作り続けています。木の香りに包まれた作業場には、熟練の技とものづくりへの情熱が息づいていました。
年間5,000個を生み出す貴重な工房
佐賀市久保田町にある「原田製樽所」は、全国でも数少ない樽づくりの専門工房。施設内に入ると、大小さまざまな木樽がずらりと並び、木の香りがふわりと漂います。こちらで製造されているのは、主に鏡開き用の樽。コロナ禍前には年間4,000〜5,000個もの樽を生産していたといいます。
現在、日本国内で樽づくりを行う工房は10軒にも満たないほどで、まさに貴重な存在です。
高級木材「吉野杉」を使った樽づくり
樽に使われる木材は、奈良県の吉野林業地域で育った「吉野杉」。日本三大美林のひとつにも数えられる高級材で、木目が細かく香りがよいのが特徴です。
工房では、職人が一枚一枚の板を手作業で削り、形を整えていきます。まずは表面を削って木の色味をそろえ、その後、大きな鉋(かんな)を使って側面を削ります。全身を使うこの作業は力と技の両方が必要で、仕上がった板はまるで磨きをかけたように滑らか。長年の経験が生み出す、職人の手仕事です。
一枚ずつ異なる板を、美しく一つの形に
削り終えた板は、厚みも幅も微妙に異なります。それでも、職人の手にかかれば見事に一つの樽へと組み上がります。板を組み合わせる作業は一瞬のようでいて正確無比。目の前で見ると、その速さと美しさに思わず息をのむほどです。
完成した一斗樽には、一升瓶10本分のお酒が入るとのこと。価格は1万円前後と、手間ひまを考えれば驚くほど良心的です。
まとめ
創業から長い年月をかけて、伝統の技を受け継いできた「原田製樽所」。時代が変わっても、木と向き合う姿勢や手作業の温もりは変わりません。
全国に10軒未満という貴重な樽づくりの工房で、日本三大美林のひとつ「吉野杉」を使い、一枚一枚の板を手作業で削り、組み上げていく。祝いの席を彩る樽のひとつひとつに、職人たちの誇りと心が込められています。コロナ禍前には年間4,000〜5,000個もの樽を生産していたという実績が、その技術の確かさを物語っています。
施設情報
施設名: 原田製樽所
住所: 佐賀市久保田町徳万1641-2
TEL: 0952-68-2037
【2025年10月16日~17日放送 かちかちLIVE わらしべ長者の旅 より】
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