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夢を現実に!40歳で会社員から「旅する絵本作家」へ転身した夫婦の冒険ストーリー
営業マンから冒険作家への大転身
坂本さんは長年、営業職として20数年間しっかりと働いていました。「営業も楽しくさせていただいたんですけど、色々しながら物語とかもどんどん出てくるわけですよね。これ形にするのはどっか勤めながらじゃできないぞと」と当時を振り返ります。
その思いは次第に募り、3年前についに会社を退職。創作活動に集中するため「ヨットで旅する冒険作家」として活動を本格的に始めました。現在は絵本の制作だけでなく、地元小学校での読み聞かせなども行い、活動の幅を広げています。
坂本さんが立ち上げた「ぺんころ出版」から今月出版された「透明な魚のふしぎな冒険」は、自身のヨットでの体験をもとに描いた深海魚の冒険ストーリーとなっています。
パティシエの妻と二人で挑む海の生活
40歳を過ぎての一大決心による脱サラ。しかし、坂本さんの左手薬指には結婚指輪が光っています。妻の理解なしには実現できない人生の選択でした。
妻の由香理さんは10年間パティシエとして経験を積んだプロフェッショナル。現在は富士町のコミュニティカフェで「間借りカフェ」として月曜日に1日カフェ営業を行っています。この日は特別に、夫の作品をイメージしたプレートを提供してくれました。
「私もどっちかというと最初は、会社員として経理でホテルに勤めてたので、なかなかそれをやめて決断というか、そこ私も踏み込めない人間ではあったんですけど、2人ならなんとかなるんじゃないかなっていうのもあって」と由香理さん。去年、夫婦そろって仕事を辞めて旅に出る決断をしたといいます。
10ヶ月間の海上生活で得た宝物
坂本さん夫婦のヨットは完全な居住空間を備えています。キッチンで料理を作り、海の上で寝泊まりする本格的な海上生活です。去年は4月から翌年1月まで、約10ヶ月間にわたって海の上で暮らしました。
「一緒に乗ってます。海に出て、そんなに遠くまでは離れてはないんですけど、海岸沿いをずっと行ってるんですけど、住みながら移動してるので、ヨットの中でご飯を作ったりとか、色々やってます」と由香理さんが説明するように、夫婦で協力しながらの海上生活です。
ヨットでの旅では、イルカが船についてくるような幻想的な体験も。「本当だ。ずっとそれ遊んでって言ってるみたい」と、自然との触れ合いが日常となっています。
「今だからできる」という価値観
夫婦が共有する合言葉は「失敗したっていいじゃない」「また帰ってくればいいじゃない」。坂本さんは「お金が貯まってから、時間ができてから、準備が整ってから出発しようってなった時が僕らが何歳なのか。その頃できることはもっと狭くなってるんじゃないか。今はないものの方が多いけど、できることの方が山ほどあるぞ。じゃあ今だよなっていう」と、今この瞬間を大切にする考えを語ります。
由香理さんも「2人だからこそ挑戦できる」と話し、夫婦の絆が冒険を支えていることがわかります。
アラスカを目指す壮大な計画
2人はすでに次の壮大な計画を描いています。来年6月からは、アメリカ人の友人と共に日本を出国し、アラスカ、カナダ、アメリカ、メキシコを巡る予定です。
「アラスカでは子供たちに読み聞かせしたりとか、プロモーション活動とか、場所借りれたら個展とかやりながらとかできたらなとは思ってます」と坂本さん。世界を舞台にした活動への展望を語ります。
自然と共に生きる大切さを実感
海での生活を通じて得た気づきについて、由香理さんは「海は道がないので、やはり自分たちで決めて、もちろん航海はしていくことになるんですけど、海はダイレクトに自然が感じられて、もっと自然と一緒に生きていくっていうことも大事なんだなっていうのはすごく実感しました」と話します。
道のない海で自分たちで進路を決める体験は、人生においても同じことが言えるのかもしれません。
作品との出会い方
坂本さんの第1作「透明な魚のふしぎな冒険」は、「ぺんころ出版」のInstagramから購入できます。
- インスタ:@pencoro_books
まとめ
営業職として20数年働いた坂本康介さん(44歳)が、3年前に脱サラして「ヨットで旅する冒険作家」へ転身。妻の由香理さんも去年、10年間のパティシエ経験を経て夫婦そろって仕事を辞め、約10ヶ月間の海上生活を送りました。
「お金が貯まってから、時間ができてから」ではなく「今だからできる」という価値観で、夫婦は新しい人生の冒険を始めました。来年6月からはアラスカ、カナダ、アメリカ、メキシコを巡る壮大な旅に出発予定です。
40歳を過ぎてからの人生の大転換。「失敗したっていいじゃない」「また帰ってくればいいじゃない」を合言葉に、佐賀から世界へ、そして子どもたちの心へ。坂本さん夫婦の冒険はまだ始まったばかりです。

