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江戸時代から続く美しい棚田で味わう新米の美味しさ ~唐津市相知町・蕨野の棚田~
歴史ある石垣が織りなす絶景の中で育つ新米
蕨野の棚田は、江戸時代から昭和初期にかけて築かれた歴史ある棚田です。山間の斜面に石垣で築かれた田んぼが段々に連なる光景は、まさに絶景そのもの。その美しさは「マチュピチュ感がすごい」と表現されるほど壮大で、佐賀県内でも屈指の名所として知られています。
特徴的な大きな石を積み上げた石垣は、高いところで8.5メートルにも達します。石垣には足をかけられる突起があり、農作業時にはそこに足をかけて作業を行いますが、その高さは想像以上に迫力があります。
清らかな水と寒暖差が生み出す極上の米
蕨野の棚田で育つ米の特徴は、生活排水が一切入らない清らかな水を使用していることです。また、山間部特有の昼夜の寒暖差により、米がじっくりと熟成されていきます。
今年も無事に新米が収穫され、その味は格別です。小田井さんが実際に炊きたての新米を味わうと、「ふっくら炊き上がって、お米同士がもちもち感で支え合っている」と感動の声を上げました。
「噛めば噛むほど甘みがどんどん増してくる。お米の中に神様が住んでいる」という表現からも、その美味しさが伝わってきます。
この棚田で作られている米は、佐賀県が中山間地に適した品種として開発した米で、粒が大きめなのが特徴です。棚田という特殊な環境で育った米は、様々な自然の恩恵を受けて育っているのです。
草刈りから始まる厳しい農作業
美しい棚田の維持には、想像を絶する労力が必要です。特に大変なのは草刈り作業で、急な斜面での作業は危険を伴います。8.5メートルの高さの石垣では、石の突起部分に足をかけながら手作業で草を刈る必要があり、その作業の大変さは計り知れません。
小田井さんが実際に登ってみると、「降りる方が怖い」と感じるほどの高さを実感しました。このような厳しい条件下でも、農家の方々は丁寧に田んぼを管理し、美味しい米を育て続けています。

