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2025.11.09

「400年の歴史に誇り」韓国のエリート女性が有田焼に魅せられて専門店をオープン

韓国から遥々有田町にやってきて、有田焼の専門店を経営する女性がいます。韓国を代表する大手企業のマーケティング部門で働いていたエリート女性が、陶器市での衝撃的な出会いをきっかけに、4年間佐賀大学で学び、現在は2店舗を経営。「400年の歴史の現場に私がいることにすごく誇りを持っている」と語る彼女の、運命的な物語をご紹介します。

運命的な出会いが人生を変えた

有田町の赤絵町通りにある「Maison de Arita」。一見すると有田焼の店らしくないおしゃれな空間に、韓国出身のイ・ヒョジンさんが立っています。店内には現代的なデザインの有田焼が並び、特に韓国からの観光客を意識した「持ち帰りやすい小さいもので重くなくて持ち帰りやすいもの」をコンセプトにした商品が揃っています。

イさんが有田焼と出会ったきっかけは、夫の仕事の関係で佐賀県を訪れたことでした。「その時に当時陶器市が開いた時、その時すごく衝撃になって。もう1回有田焼、焼き物について研究しようと決めるきっかけになったんです」と振り返ります。

エリートから陶磁器の世界へ

イさんの経歴は驚くべきものです。韓国の大手企業のマーケティングデザインチームで、インテリアとマーケティングデザイン担当として6年間勤務していました。リポーターが「エリートじゃないですか」と驚くほどの華々しいキャリアを持つ彼女が、なぜ有田焼の世界に飛び込んだのでしょうか。

「400年の歴史の流れとか、いろんな窯元さん、このブランドたちの力とか、こう伝統的な有田焼の歴史のストーリーがすごく魅力的に感じられました」とイさんは語ります。実は、元々デザインを学び、心の中にはセラミックや焼き物を勉強したいという夢を抱いていたのです。「胸にしまっていたご自身のセラミック勉強しようという夢の扉を有田焼がこう開いてくれたんだ」というリポーターの言葉に、イさんは「そうです。だから私にはすごく縁が強くて運命的なところだと思います」と応えました。

4年間の本格的な学び

決意を固めたイさんは、佐賀大学有田キャンパスのセラミックコースに入学しました。「有田焼の基本的な背景から技術的なものまで4年間学ぶことができて、全般的なことについて勉強ができます」と当時を振り返ります。

当初の目的は自分で作品を作ることでしたが、勉強していく中で有田のことについて深く学び、地域の関係者との繋がりも自然とできていきました。「外国人として、逆に外国人だからできる仕事があるかなと思うことがあって、工房だけ立ち上げることよりは、店舗も必要だと思って、最初にこちらをオープンから始めました」と、お店を開くに至った経緯を説明しています。

2店舗目もオープン 地域に根ざした活動

現在、イさんは有田町内で2店舗を経営しています。1年経った時に2店舗目ができ、現在は駅の方にも店舗があります。お客さんについて聞かれると「焼き物好きな人たちは基本的にちょっと穏やかな感じの人が多くて、今までお客様のために特に私大変にしたこともないし、全部優しい方も多くて、いろんな方会えてすごく良かったと思います」と笑顔で答えています。

サムソンでの経験について「デザインはだけじゃなく、マーケティングに繋がる仕事が多くてすごく勉強になって今いろんなことに助かります」と語るイさん。人生の経験が思わぬところで活かされることについて、リポーターが「人生って自分が経験したことが次何に活かされるかなんてわからないですよね」と感想を述べると、「本当に最近そんなことを感じられます」と応じました。

外国人が見る有田の魅力

イさんの案内で有田の街を歩くと、外国人観光客の視点から見た有田の魅力が見えてきます。「元々なんか日本の伝統的な建築物の保存地区のところです。外国人にはこの昔こういう日本家屋が軒を連ねてるっていうところが魅力ですね」と説明するイさん。

「400年の歴史のストーリーの中で一部の一部ですけど、一つひとつが全部素敵じゃないですか」という言葉からは、有田焼だけでなく、街全体の歴史や文化に対する深い愛情が感じられます。リポーターも「本当にザ日本を感じるには佐賀の中でも有田っていうのは持ってこい」と同感を示しました。

季節についても「今がちょうどいい季節です」とイさんは語り、秋の有田散策の魅力を伝えています。

歴史の一部として誇りを持つ

将来の目標について聞かれたイさんは「窯元さんと一緒に私が海外向けの知らせをするのが私の目標です」と答えました。そして最も印象的だったのは「こんな素敵な歴史の中に本当に小さな一部の一部だけですけど、この歴史の現場のところに私がいることだけにすごく誇りに持ってることで嬉しいことです」という言葉でした。

まとめ

韓国から有田に魅せられてやってきたイさんの物語は、単なる成功談以上の意味を持っています。異国の地で自分の夢を追い続ける勇気と、400年の歴史に敬意を払いながらその一部となることへの誇り。イさんが語るように、今の季節は有田の街歩きに最適です。400年の歴史を持つ有田焼の里で、伝統的な日本家屋が軒を連ね、外国人観光客にも人気の重要伝統的建造物群保存地区を散策するには絶好の時期。イさんの姿勢は、有田焼の新たな可能性と魅力を物語っているのかもしれません。
【2025年11月5日放送 かちかちLIVE すいようキャッチ! より】

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