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好奇心で世界をひもとく!佐賀西高校サイエンス部の挑戦
標準服制度で個性を尊重する教育環境
佐賀西高校の特色のひとつが「標準服制度」です。生徒会長の仮屋沙香さんは「学校が示す標準となる服装を用意していますが、必ずしも全員がその標準服である必要はないという、比較的自由度の高い制度です」と説明します。
この制度は完全に自由というわけではなく、「生徒がTPOを考慮した服装をするための教育的側面も含んでいる」といいます。実際に、制服のジャケットに私服のブラウスやスカートを合わせる生徒や、完全に私服で登校する生徒もおり、多様な選択肢が認められています。
4つの研究班が織りなす科学の世界
生き物への愛情が研究の原動力
生物班では、様々な調査を行っています。
ある生徒は「川や用水路に生息していますが、絶滅が心配されている個体数の少ない生物で、私たちの研究をこのドジョウの保護につなげたいと思って活動している」と研究への思いを語ります。
ある生徒は「もともと生き物が好きで家で生き物を飼っているのですが、西高に入学して部活動紹介を見て、サイエンス部なら私が興味のある生き物の研究ができると思って入った」と入部のきっかけを話しています。
音を科学する物理班の取り組み
色の変化でpHを測る化学班の実験
化学班では、インジゴカルミンという化学物質を使った研究を行っています。下條さんは「この物質をアルカリ性の溶液に入れて、さらにグルコースなどの糖を加えると、時間の経過とともに色が変わる反応が起きます。この色が変わるのにかかる時間が溶液のpHによって変わることが分かり、その時間から溶液のpHを計算できるようにしたいと思って研究している」と話します。
実際の実験では、リポーターが溶液を振ると、黄色から赤、そして緑へと劇的に色が変化する様子が披露されました。笹部さんは「振ったことによって、溶液とビーカー内の酸素が混ざって色が変わった」と仕組みを説明します。
研究の難しさについて、北村さんは「気温などの条件によって実験結果が左右されてしまうところ」と答え、一方で「仮説した通りに実験結果が出た時は楽しい」と研究の醍醐味を語ります。
数千万年前の佐賀を探る地学班
地学班では、化石を採集することで数千万年前の佐賀がどういう地形だったのかを探る研究を行っています。宮原さんによると「化石は県内の様々なところで採集をしていますが、採れた化石のひとつを顕微鏡で観察している」とのことです。
唐津市の北波多で採れた有孔虫という非常に小さな化石を顕微鏡で観察すると、「こういった化石から、数千万年前の佐賀は海底だったことがわかり、さらに海水の温度や海の深さも推定することができている」といいます。
研究の楽しさについて「自分たちが実際にフィールドワークに行ってこういう岩石や化石を採集することが一番の醍醐味」と語ります。リポーターが顕微鏡を覗いた際には「立体的にいろんな石ころが見える。このアンモナイトみたいなやつも見える」と驚きの声を上げました。
まとめ:未来への挑戦と目標
小川部長は今後の目標について「4つの研究班ともに来年2月の九州大会への出場が決まっているので、その大会で全チームとも入賞をすることと、来年7月の全国大会で入賞をすること」と力強く語ります。
佐賀西高校サイエンス部は、運動部と文化部合わせて28個ある部活動の中でも特に注目される存在として、好奇心に満ちた研究活動を通じて科学の世界を探求し続けています。各班の多様な研究テーマと生徒たちの熱意が、これからも多くの成果を生み出していくことでしょう。

