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特定検診を受けていますか?意外と知らない“受けるべき理由”
特定健診とは?佐賀県が抱える「糖尿病リスク全国1位」の深刻な現状
特定検診とは、40~74歳を対象にしたメタボリックシンドロームに着目した健康診査のことです。
主な検査項目は、身長・体重、腹囲の測定、血液検査、血圧測定、医師の診察など。その目的は、生活習慣病を早期に発見し、重症化を防ぐことにあります。会社勤めの人は定期健診のなかに特定検診が含まれていますが、フリーランスや自営業の方には春に受診券が届き、未受診の人には秋に再度通知が届く仕組みになっています。
佐賀県の特定健診受診率と深刻な現状
佐賀県の特定検診受診率は56.5%(会社勤めの方の受診率を含む)と、決して高いとは言えません。さらに驚くべきデータとして、佐賀県は糖尿病が強く疑われる人の割合が全国1位(厚生労働省2022年度)という深刻な状況にあります。
つまり、「糖尿病が疑われる人が全国トップクラスなのに、検診受診率は低い」という現状は、県民の健康を守る上で大きな課題となっているのです。
実際に特定検診を受けてみた!検査内容とメタボ診断の仕組み
検査の流れ
- 身長・体重測定: 基本的な身体測定からスタート。
- 腹囲測定: メタボ診断の重要な基準となる腹囲を測定します。
メタボ診断基準: 男性:85cm以上、女性:90cm以上
今回検査したリポーターは91cmで、予想外の数値に驚きの表情でした。 - 血液検査・血圧測定・問診: 採血のあと血圧を測り、問診で普段の生活習慣などを確認します。
- 医師の診察: 最後に医師の診察を受け、検査は終了です。
検査で何がわかる?メタボ診断の仕組み
医師によると、腹囲の基準値は体内脂肪量をもとに導き出された“根拠のある数字”です。しかし、腹囲だけではメタボとは診断されません。
メタボリックシンドロームの判断基準は以下の通りです。
- 腹囲オーバー:男性:85cm以上、女性:90cm以上
- メタボリックシンドローム:腹囲オーバー + 血圧・血糖・脂質の3つのリスク因子のうち2つが基準値外
- メタボ予備群:腹囲オーバー + 血圧・血糖・脂質の3つのリスク因子のうち1つが基準値外
これらのリスクが増えると、脳卒中・心筋梗塞など重大な病気の可能性が高まるため、早期発見と対策が非常に重要になります。
「病院の検査だけでは不十分」専門医が語る特定健診の真の価値
日頃から病院で血液検査などを受けている人は、「わざわざ特定検診は必要ない」と思いがちです。しかし、医師はこれに警鐘を鳴らします。
「通院中の検査で異常があっても、生活改善に直結する“メタボ指標”は見逃されがち」
病院での検査は“今ある症状”にフォーカスされるため、メタボのリスクを総合的に評価する特定検診とは目的が異なるのです。だからこそ、特定検診をあらためて受ける意味があるというわけです。
検査後こそ本番!特定保健指導とは
医師は「特定検診の良さは、この後の“特定保健指導”にあります」と強調します。
特定保健指導とは、特定検診の結果に応じて医師・保健師・管理栄養士が生活習慣改善をサポートする制度のことです。
- 食事の見直し
- 運動習慣の提案
- 生活リズム改善のアドバイス
これらを専門家が寄り添いながらサポートしてくれるため、「検査結果を見ただけで終わり」にならないのが大きなメリットです。
受診券を放置しないで!健康づくりの第一歩を踏み出そう
特定検診は、生活習慣病を早期に見つけ、将来の重病を防ぐための大切なチャンスです。佐賀県は受診率が低く、糖尿病リスクが高い地域だからこそ、受診の重要性はさらに増しています。
自宅に届いた受診券をそのままにせず、ぜひ一度検診を受けて、ご自身の健康状態を正しく把握し、健康づくりの第一歩を踏み出しましょう。

