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2025.12.19

 「7歳目線の交通安全」で通学路を見直し ママの気づきが変えた街づくり

佐賀県で今年度から、子どもたちの交通安全を守る画期的な取り組みが始まっています。その名も「7さいめせんの こうつうあんぜん」。自身もママである担当者の気づきから生まれたこの事業は、大人の当たり前を根本から見直し、本当に子どもたちの目線に立った安全対策を進めています。「1人で歩いて帰って来れるかなっていう心配が常に親としてはある」「対策が進んで安全な道が増えると、どれだけ安心につながることか」——子どもの命を守る、新しい街づくりの取り組みをご紹介します。

7歳の歩行中事故死者数が突出して多い現実

小学1年生になると、子どもたちは通学や遊びなどで一人歩きを始めます。しかし、統計を見ると「小学1年生、つまり7歳の歩行中の交通事故死者数が突出して多い」という深刻な現実があります。

この問題に注目したのが、自身もママである三瀬さんです。三瀬さんが提案したのが、この「7歳目線の交通安全」の事業でした。

街路樹を撤去して見通しを改善

実際の改善例を見てみると、その効果は歴然としています。ある横断歩道では「以前、街路樹があったんですよ」という状況から、横断歩道に近い部分の街路樹を撤去することで見通しを改善しました。

120センチメートル、小学校1年生7歳くらいの身長に合わせた目線で検証すると「7歳の低い目線でも横断歩道を渡る時に車を確認しやすいように、横断歩道に近い部分の街路樹をなくした」効果が明確に分かります。

子どもの目線で撮影する新しい調査手法

この取り組みでは、従来にない調査手法を採用しています。「子供の目線にカメラを設置して、実際に通学をしてもらい、それを大人が後ろからまた別のカメラで撮影して」、その映像を専門家の先生や学校教育関係者、道路管理者などが一緒に分析しています。

「危険箇所のピックアップだったり、危険行動がどういったものがあるのかっていうのを今集めてる状況」で、子どもたちの実際の行動パターンも含めて安全対策を検討しています。

水路への転落防止対策

子どもならではの行動を想定した対策も進められています。ある場所では「昔は水路に蓋も柵もないような状態」で、子どもが覗き込んでしまう危険がありました。「今回蓋を設置してもらって、落ちる危険がなくなるだけじゃなく、歩くスペースにもなる」という一石二鳥の改善が実現しています。

足元への標示で注意喚起

横断歩道前での安全対策にも工夫が凝らされています。「標識になると、結構高い位置にあるので、子供の目線から見ると、認識できないものになってくる」という課題に対して「足元とかに止まれっていう表示がしてあったら少し止まりたくなるかな」という対策が検討されています。

子どもたちが「しっかり止まって欲しい」場所で、確実に立ち止まってもらうための創意工夫です。

来年度の目標は通学路チェックマニュアル

この取り組みには明確な目標があります。「7歳目線を取り入れた通学路の点検対策マニュアルっていうのを作成したい」として、来年入学される子どものご家庭に配布できるよう準備が進められています。

「通学の練習だったり、通学路のチェックに活用していただければ」と、実用的なマニュアル作成を目指しています。

ドライバーにも求められる意識改革

この取り組みの効果は、子どもたちの安全だけにとどまりません。リポーターは「子供から見えづらいってことは、運転する側、ドライバーからももちろん見えづらいということ」と指摘し、「運転する側もね、子供たちのこの通学の時間を子供たちの目線を想像して、優しい運転を心がける」ことの重要性を強調しています。

まとめ:全国のモデルケースとなることを期待

ママの気づきから始まったこの「7さいめせんの こうつうあんぜん」は、子どもたちの命を守る具体的な成果を生み出しながら、来年度のマニュアル完成に向けて着実に歩みを進めています。

大人の当たり前を疑い、本当に子どもの目線に立った安全対策として、全国のモデルケースとなることが期待されます。120センチメートルの目線で見る世界は、大人が想像する以上に危険に満ちています。この取り組みが広がることで、一人でも多くの子どもたちの命が守られることを願います。

【2025年12月11日放送 かちかちLIVE サガらぼ より】

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