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「信号機の老朽化」が大きな問題に 更新?撤去?それとも…
2020/10/01 (木) 20:40

佐賀県内におよそ1600カ所ある信号機について。全国的にも老朽化が問題になっているということですが、県内の更新率は昨年度0.9パーセントと全国最下位でした。その現状や今後の整備のあり方などについて警察担当の中溝記者に解説してもらいます。
記者】まず、改めてですが県内には昨年度末時点で1611カ所に信号があります。この中で特に老朽化が問題になっているのは信号1カ所に1台ずつ設置されその点灯をコントロールする、「信号制御機」と呼ばれるものです。警察庁は、この制御機の更新基準を製造から19年としていますが、県内では413台、つまり4台に1台が更新基準を過ぎたまま使われています。
キャスター】危険性はないんでしょうか?
記者】県警によると基準を過ぎても、すぐにその機能に問題は出ないが、故障のリスクは年々高まるということでした。実際に県内でも信号が消えたり変わらなかったりといった故障が過去5年間に30件起きています。
キャスター】信号というと、安全のために設置されていると思いますが、逆に危険な気もしますよね。
記者】県内では、いまのところ制御機の故障が交通事故を誘発した事例は確認されていないということですが、いつどこで起きるか分からないといっても過言ではないと思います。
キャスター】なぜそこまで信号が老朽化してしまっているんでしょうか?
記者】予算の問題があります。佐賀県警によりますと、信号の整備などに充てられる予算は年間4億から5億円ほどありますが、これには信号の維持管理や新設、標識や道路標示の整備などの費用も含まれます。制御機は一般的なもので、単体の価格だけで250万円ほどかかり、基準を超えた制御機すべてをすぐに更新するのは到底できないということです。県内では現在年間20台前後しか更新されておらず、昨年度はわずか15台、その更新率は0.9パーセントと「全国最下位」でした。
キャスター】予算が限られる一方で進む信号の老朽化、更新する以外の対応はないんでしょうか?
記者】県警は制御機の更新に加えて、その必要性が低くなった、つまり“無駄な信号”の撤去を進めています。中には老朽化に伴う故障とは違った危険をはらむものもあるということなんです。
(佐賀市大和町・国分交差点)特に撤去が進むのが優先道路は黄色点滅、そうでない方向は赤点滅で一時停止となる一灯式の信号機です。そもそも一灯式の信号は35年ほど前から導入され始めたものですが、いまは“時代遅れ”とされ全国的に撤去される流れになっています。
【県警交通規制課・上原且麻次席】「(一灯式の)規制自体は一時停止の規制と変わらない。そういったところで、逆に低い位置にある一時停止規制ですと(ドライバーの)目線の高さが低い、ということは安全確認も十分できる」
白石町の交差点です。こちらの交差点には元々一灯式の信号があったということなんですが、現在は撤去されています。いまは、仮の一時停止標識が立てられています。この交差点では今年8月、一灯式の信号が撤去され、現在は仮の標識で交通規制がかけられています。
(佐賀市大和町・元北原交差点)最終的には夜でも見えやすいよう、LEDライトつきの一時停止標識を設置したり道路をカラー舗装して、交差点を明確にしたりすることで、一灯式信号よりもドライバーの見落としが少なくなり安全だとされています。
(神野西交差点)また、信号の中には近くにパイパスが開通して交通量が減るなど道路環境の変化によってその必要性が低下し、安全のためのものであるはずが、かえって危険なものもあるといいます。
【県警交通規制課・上原且麻次席】「逆に不必要な信号機、そういったものが設置されていれば無用な待ち時間が出てくるんですね。もしかしたら信号無視を誘発するかもしれない、逆にドライバーの焦りを招いて大きなスピード超過ですとか、そういったので重大事故を誘発する危険性が非常に出てくる」
記者】予算が限られる中、本当に必要な場所で運用できるようにと、信号の撤去は県内では8年前から始まり、今年度は11カ所が撤去される見込みです。現状、信号の更新が十分にできないわけですから、無駄な信号を撤去していくことも重要と言えます。
キャスター】一方で、全国的には信号によらない交差点の整備も進んでいるようですね。
記者】全国ではおよそ100カ所に「ラウンドアバウト」と呼ばれる交差点があります。信号機のないドーナツ型の「環状交差点」のことで、その中では円の中を進む車が優先。車は時計回りに一方通行で進み、行きたい方向の道路にウインカーを出して出て行きます。外から進入する車が減速するようになるなど出会い頭の事故が減るほか、信号待ちがなくなり渋滞が起こりにくいとされています。県内にはまだなく、導入に向けた検討もされていませんが、県警が初めて外部の有識者を招き今年7月と8月に今後の信号整備のあり方などを話し合った検討会で老朽化に対応する案として示されています。
とはいっても、やはり事故を防ぐためには交通環境を支える信号が不可欠です。その老朽化にどう対応していくかさらなる検討を行い、必要な財源については今後もしっかりと確保していく必要があると言えます。
記者】まず、改めてですが県内には昨年度末時点で1611カ所に信号があります。この中で特に老朽化が問題になっているのは信号1カ所に1台ずつ設置されその点灯をコントロールする、「信号制御機」と呼ばれるものです。警察庁は、この制御機の更新基準を製造から19年としていますが、県内では413台、つまり4台に1台が更新基準を過ぎたまま使われています。
キャスター】危険性はないんでしょうか?
記者】県警によると基準を過ぎても、すぐにその機能に問題は出ないが、故障のリスクは年々高まるということでした。実際に県内でも信号が消えたり変わらなかったりといった故障が過去5年間に30件起きています。
キャスター】信号というと、安全のために設置されていると思いますが、逆に危険な気もしますよね。
記者】県内では、いまのところ制御機の故障が交通事故を誘発した事例は確認されていないということですが、いつどこで起きるか分からないといっても過言ではないと思います。
キャスター】なぜそこまで信号が老朽化してしまっているんでしょうか?
記者】予算の問題があります。佐賀県警によりますと、信号の整備などに充てられる予算は年間4億から5億円ほどありますが、これには信号の維持管理や新設、標識や道路標示の整備などの費用も含まれます。制御機は一般的なもので、単体の価格だけで250万円ほどかかり、基準を超えた制御機すべてをすぐに更新するのは到底できないということです。県内では現在年間20台前後しか更新されておらず、昨年度はわずか15台、その更新率は0.9パーセントと「全国最下位」でした。
キャスター】予算が限られる一方で進む信号の老朽化、更新する以外の対応はないんでしょうか?
記者】県警は制御機の更新に加えて、その必要性が低くなった、つまり“無駄な信号”の撤去を進めています。中には老朽化に伴う故障とは違った危険をはらむものもあるということなんです。
(佐賀市大和町・国分交差点)特に撤去が進むのが優先道路は黄色点滅、そうでない方向は赤点滅で一時停止となる一灯式の信号機です。そもそも一灯式の信号は35年ほど前から導入され始めたものですが、いまは“時代遅れ”とされ全国的に撤去される流れになっています。
【県警交通規制課・上原且麻次席】「(一灯式の)規制自体は一時停止の規制と変わらない。そういったところで、逆に低い位置にある一時停止規制ですと(ドライバーの)目線の高さが低い、ということは安全確認も十分できる」
白石町の交差点です。こちらの交差点には元々一灯式の信号があったということなんですが、現在は撤去されています。いまは、仮の一時停止標識が立てられています。この交差点では今年8月、一灯式の信号が撤去され、現在は仮の標識で交通規制がかけられています。
(佐賀市大和町・元北原交差点)最終的には夜でも見えやすいよう、LEDライトつきの一時停止標識を設置したり道路をカラー舗装して、交差点を明確にしたりすることで、一灯式信号よりもドライバーの見落としが少なくなり安全だとされています。
(神野西交差点)また、信号の中には近くにパイパスが開通して交通量が減るなど道路環境の変化によってその必要性が低下し、安全のためのものであるはずが、かえって危険なものもあるといいます。
【県警交通規制課・上原且麻次席】「逆に不必要な信号機、そういったものが設置されていれば無用な待ち時間が出てくるんですね。もしかしたら信号無視を誘発するかもしれない、逆にドライバーの焦りを招いて大きなスピード超過ですとか、そういったので重大事故を誘発する危険性が非常に出てくる」
記者】予算が限られる中、本当に必要な場所で運用できるようにと、信号の撤去は県内では8年前から始まり、今年度は11カ所が撤去される見込みです。現状、信号の更新が十分にできないわけですから、無駄な信号を撤去していくことも重要と言えます。
キャスター】一方で、全国的には信号によらない交差点の整備も進んでいるようですね。
記者】全国ではおよそ100カ所に「ラウンドアバウト」と呼ばれる交差点があります。信号機のないドーナツ型の「環状交差点」のことで、その中では円の中を進む車が優先。車は時計回りに一方通行で進み、行きたい方向の道路にウインカーを出して出て行きます。外から進入する車が減速するようになるなど出会い頭の事故が減るほか、信号待ちがなくなり渋滞が起こりにくいとされています。県内にはまだなく、導入に向けた検討もされていませんが、県警が初めて外部の有識者を招き今年7月と8月に今後の信号整備のあり方などを話し合った検討会で老朽化に対応する案として示されています。
とはいっても、やはり事故を防ぐためには交通環境を支える信号が不可欠です。その老朽化にどう対応していくかさらなる検討を行い、必要な財源については今後もしっかりと確保していく必要があると言えます。
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