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「今までで一番怖いと思う」変異株が医療現場を圧迫 県内の病床使用率は過去最高に【佐賀県】

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、県内の病床使用率は16日過去最高となりました。

今回、県内での陽性確認当初から1年以上にわたり、県南部の患者を受け入れる感染症指定医療機関嬉野医療センターに密着。医療従事者が口を揃えるのは第4波のかつてない厳しさでした。

嬉野医療センター 力武一久院長:「今までで一番怖いと思いますね」

嬉野医療センター 小浜由紀子看護師長:「甘く見ると結構怖いかな」

嬉野医療センター 医師:「今回のやつでまったく増えました」

先週金曜日の嬉野医療センター。新型コロナウイルスの入院患者の受け入れを始めて1年あまり。ここにきて、これまでにない厳しさに直面しています。

嬉野医療センター 重松孝誠副看護師長:「6人です。多いです。6人は確かに初めて」

医療従事者が口をそろえる、第4波のかつてない厳しさ。理由は、変異ウイルスの拡大です。

嬉野医療センター 小浜由紀子看護師長:「今回に限っては、結構歩いてこられてる状態で、肺炎画像とかもほぼほぼないよねっていう状態にもかかわらず、その夜、もしくは翌日から急激に悪くなられるっていうのがあって、うちからICUに移動になるっていう症例が、今までにあまりなかった傾向が今回大きい」
「(Q.1年半付き合ってきてても?) 全然、全然違います。この変異株の怖さというか」

患者だけではありません。変異ウイルスは、医療従事者にさらなる負担も強いています。

看護師:
「(Q.どうして着替えを?) 患者さんごとに変異株の方と、そうでない方がいらっしゃるので。感染予防のため」

型の違う患者間を看護師たちが行き来することでの感染拡大を防ぐため、そのたびに防護エプロンの交換が必要になっているほか、患者が入れ替わるたびにカーテンの交換もおこなわれ、それも全て看護師の仕事となっています。また、感染力の強さからか、家庭内感染の多さも今回の特徴で、夫婦や親子での入院も増えています。

嬉野医療センター 小浜由紀子看護師長:「お父さんが、お母さんの目の前で状態が悪くなられている状況を目の当たりにしないといけなかったりというところを、何家族も経験されてしまうような状況が、4波とか変異株の怖さかなと改めて感じる」

3月末ごろから徐々に広がり、一時は1日の陽性者が75人となった今回の第4波。県内の病床使用率は16日ステージ4に匹敵する51.8%と過去最高となりました。

嬉野医療センター 力武一久院長:「病床としては50%近くになると、結構管理的には目一杯になってきている状況だと思います」「男女の性別とか、ご家族、乳幼児とかの入院とか、全てを相部屋で入れるっていうのは現実的には不可能になるので」

変異ウイルスの影響で、病床の使い方も変えなければならない状況になってきています。

ウイルスの型が違う場合は、部屋を分けるのが理想とされるため、場合によっては大部屋に患者1人となるケースもありましたが、病床のひっ迫に伴い運用の見直しが迫られています。

嬉野医療センター 力武一久院長:「同じ行動、例えばクラスターなどは、同じ性別で一緒の部屋に入れることになる。ただ、それでも本当に病床がひっ迫した場合には、男女を問わず、変異株であるかどうかも問わずに、もう全員をこの中に入れてしまわないといけない状況が起きてくるということですね。病棟全体でどうにかまかなえているというのが今の状態ですね」

嬉野医療センターは、1フロアをコロナ専用にしているため、本来この病棟に入院する患者が違う診療科のフロアに移る必要があり、そのため一般診療用の病床も95%以上埋まっています。
コロナ治療のみならず、一般診療をも守りながら地域医療を支えていく。
変異ウイルスの影響でさらに厳しさを増した医療現場の終わりの見えない戦いが続いています。

【解説】
同じ新型コロナでも従来株や変異ウイルスなどウイルスの型がわかるまでは部屋を分けることが理想です。例えば個室8床、4人部屋4つで24床がある場合、従来株と変異ウイルス、男性と女性などを別の部屋にすると、稼働率は50%で空きはあるのですが、実際はこれ以上、受け入れられなくなります。
そこで、家族や同じクラスターなど型が同じだと考えられる人達を同じ部屋にするなど、効率よく使う工夫がされています。
しかし、現状はさらに進んでいて、このようにウイルスの型などに関係なく同じ部屋に入院してもらわざるをえない状態が近づいているということです。
県内のコロナ専用病床数は365床ですが、これはこういった背景を考慮せず全てのベット数を足しあげた数字なので、残り50%というのが、いかに厳しい数字かというのがわかります。
ただ、佐賀県では、自宅待機者は今のところいませんので、それが他県との大きな違いではあります。
また、コロナ専用病床での入院長期化を避けるため後方支援病院という位置づけの新たな取り組みも始まっています。感染力は失われてもコロナによる基礎疾患の悪化や、後遺症で引き続き入院が必要な患者の転院を進める試みです。これまでは様々な調整に1週間ほどかかっていましたがこの制度の導入で、翌日には転院が可能になりました。

2日間病院に密着し、何より驚いたのはこんな厳しい状況でも医療従事者の皆さんが本当に朗らかに働かれていたことです。
新型コロナの確認から1年以上たちますが、収束どころか、医療現場はさらに負担が増しています。

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