2022/03/11 (金) 18:15

政府は9日に輸入小麦を民間に売り渡す価格について来月から17%余り引き上げると発表しました。様々な原材料の価格が高騰し身近な食品の値上げが相次ぐなか県内の企業も影響を受けています。

【鶴屋・堤一博 営業部長】
「今回の小麦の値上げに関しては、価格に転嫁することは見送ろうという思いでいます」

佐賀市の老舗菓子店「鶴屋」。
丸ぼうろをはじめ、ほとんどの商品に小麦を使用しています。
ただ、2021年9月に1割程度値上げしていたことなどから、今回は現状の価格を維持することにしています。
仕入れ値が上がる分をカバーするのはいわゆる企業努力です。

【鶴屋・堤一博 営業部長】
「いまこうやって2人でやっているのも、1時間で何個かしかできないというところを、いままでの1.5倍作れるようになったら価格も少しは値上げせずに済むのかなと」

一方で、贈答品を買い求める客が多い菓子店ならではの影響も。

【鶴屋・堤一博 営業部長】
「お菓子屋さんは、お菓子作って箱に入れてお客様にお渡しする。こういう箱と包装紙も軒並み値上がりしている」

箱や包装紙の仕入れ値も原油価格の高騰などにより3月に入って、約10%上昇したといいます。
原材料価格は今後も高騰が続くとみられるなか、商品を値上げせざるを得ない状況も想定しているということです。

【鶴屋・堤一博 営業部長】
「やっぱり企業努力にも限度がある。ある程度のところで価格への転嫁はやらざるを得ないのかなというところはある」

【福山 福山誠さん】
「大変驚いている。17%上がるということで、どういう風にすればいいのか苦慮している」

県内や久留米市を中心に「人力うどん」やラーメン店の「ふくの家」を運営する鳥栖市の福山です。
小麦粉や食用油など、原材料の卸値が2021年から上昇していることを受け、3月、うどんやてんぷらなどのメニューを値上げしました。
また、鳥栖市内の工場で製造しているパスタなど販売用の麺も値上げしたばかり。今回、追い打ちをかけるような小麦の価格引き上げにより、さらなる値上げは避けられない見通しですが、できる限り“大衆食”の魅力を守りたい考えです。

【福山 福山誠さん】
「うどんやラーメンは大衆食で金額を気にしなくて、いつでも食べれるというのが最大の魅力と思っているので、極力商品の価格に転嫁をしたくない。企業努力でカバーして金額には転嫁しない形でやってみようと思っています」