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夜間中学2024年に開校!開校のポイントは?【佐賀県】

2022/11/24 (木) 18:50

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サガリサーチ。きょうは2024年の開校に向け準備が進む「夜間中学」についてお伝えします。

対象生徒は戦後の混乱期に充分な教育を受けられなかった人のほか不登校や外国人なども含まれます。このうち、かつて不登校だった男性に話を聞くと開校する上でのポイントも見えてきました。

【県教委・落合裕二教育長】
「それぞれ学びたいという志を持って、それぞれの目標に向かう人たちを応援できる学校にしていきたい」

十分な教育を受けられなかった人などを対象に夜に授業を行う「夜間中学」。10月、佐賀県は再来年2024年の4月に“県立で”開校すると発表しました。
場所は佐賀市にある佐賀北高校の通信制校舎。アクセスが良く県全体から通学できるほか、月2回ある通信制の登校日とは時間帯が重ならないことから「施設の有効活用ができる」としています。
そして24日、定例の教育委員会です。対象生徒などの概要が固まりました。

【県教委・落合裕二教育長】
「これに基づいて、これから夜間中学の具体的な準備に入っていくことになります」

【キャスター】
ここからは県政担当の中溝記者です。よろしくお願いします。
まず、そもそもですが夜間中学とはどういうものなんでしょうか?

【中溝記者】
基本的には授業が夜にあるというだけで通常の中学校と同じです。こちらをご覧ください。きょう固まった佐賀県の夜間中学の概要です。
通常の中学校と同じ学習指導要領を基にするため学ぶ教科も変わりません。教員も夜間中学専門の人がいるわけではなく、公立中学校の教員が夜間中学でも指導します。
授業は平日の月曜日から金曜日まで毎日行われ午後5時ごろから午後9時まで、40分授業の1日4時限です。

【キャスター】
気になるのは対象の生徒なんですが、夜間中学と聞くと高齢者が学んでいるイメージがあります。

【中溝記者】
そうですね。かつて夜間中学は全国に80校以上ありました。その対象は主に戦後の混乱期で中学校に通えなかった人だったのでそういうイメージがあると思います。
時代とともにその需要は減り、数は徐々に減っていったんですが、近年、対象生徒を拡大して再び全国的に設置が進んでいるんです。

【県教育庁教育振興課・上赤真澄課長】
Qなぜいまになって設置の動きに?「中学校は卒業したんだけれども、病気だったり不登校だったりで、十分に学べていない、もう一回学びたい、学び直しをしたいというようなご希望をお持ちの方、それから近年ですと、外国籍の方で海外とは学校の制度も違っておりますので、こちらに日本の方に来てみたら、いわゆる学齢期を超過していた、過ぎていた、そういった方々が義務教育を学ぶ機会というのが失われてしまっている。そういったところでまたニーズが増えてきているのかなと思います」

【中溝記者】
こちらが具体的な対象です。1. 様々な理由で中学校を卒業していない人 2.十分な教育を受けないまま中学校を卒業した人 3.日本の義務教育を希望する外国人 1.はかつての夜間中学と同様で、それに 2.の不登校や病気、3.の外国人が追加された形です。

【キャスター】
年代や国籍、それぞれの通う目的など非常に幅広くなりそうですね。

【中溝記者】
そうなんです。今回はこの中でも 2.の不登校に着目したいと思います。中学時代、不登校だったという男性に話を聞くことができました。

【県内在住・男性(40代)】
「経済的な理由で学校に入学するときに必要なものが全部そろえてもらえなかったということがあって」

県内に住む40代の男性です。家庭の貧困が理由で中学生のとき不登校になりました。高校は県外の定時制に一度は働きながら通い始めましたが体調を崩して中退。30代半ばまでいわゆる“ひきこもり”だったといいます。

【県内在住・男性(40代)】
「もう人生は完璧にあきらめて、自分の人生は終わったという気持ちで、じーっと家にいましたね」

その後、ハローワークで職を探すも、最終学歴が中学校卒業の男性は希望の職種と企業の求人がうまくマッチせず、これまで正社員として働いたことはありません。

【県内在住・男性(40代)】
「(夜間中学で)もう一度勉強して、高校もちゃんと通って大学を目指しませんかと言われたら、中学の勉強をしていない土台からやり直そうと思うかもしれないけど、高卒の資格だけ欲しいというなら、夜間高校(定時制)でと思う」

【キャスター】
たしかに不登校だったとしても中学校は卒業したことになっているので、改めて夜間中学に行って何を目指すのか、目的を見出す必要がありますよね。

【中溝記者】
その通りです。ただ中学校の学びを提供するだけの夜間中学では不十分で、その後の進路までをいかにサポートできるかが重要といえます。

【県教育庁教育振興課・上赤真澄課長】
「近年の夜間中学の場合は、私は中学校を卒業した後の進路というところが大事になってくるのかなというふうに思っています。すなわち高校であったり、ほかの教育機関であったり、そういったところへの道を開いていくという1つの方法なのかなと思っています」

【中溝記者】
最後に開校までのスケジュールです。まずは夜間中学について知ってもらう必要があるということで、県教育委員会は年明けごろからセミナーを複数回開くことにしています。同時に施設の整備や実際のカリキュラムの作成などを進め、来年度には体験入学も行われる予定です。進路のサポートに加え、こうした取り組みを通じて本当に夜間中学を必要とする人にどこまでアプローチできるかそして入学してもらえるかがポイントになると思います。
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