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有明海ノリ "記録的な不作"のおそれも 秋芽網ノリは昨シーズンの半分 【佐賀県】

2023/01/09 (月) 18:25

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有明海のノリが記録的な不作となる可能性がでています。8日、入札を終えた秋芽網ノリは、販売枚数、額ともに昨シーズンの半分にとどまりました。冷凍網ノリでの挽回に期待がかかりますが、海の状況は改善されているとは言えず漁業者からは不安の声があがっています。

8日、佐賀市で開かれた秋芽網ノリの最終入札会。4200万枚余りが出品されましたが去年と比べ厳しい状況です。

【県有明海漁協 深川辰己参事】
「(秋芽網ノリの)枚数は昨年の50%くらい。金額は46、47%になるかと思う」

今シーズンの秋芽網ノリは販売枚数、販売額ともに昨シーズンの半分程度という結果に。雨が少なく、海の栄養塩が少なかったことなどから、ノリ養殖に大きな影響が出ました。
挽回に期待がかかるのが現在張り込まれている冷凍網ノリですが、漁業者は…

【南川副のノリ漁師 田中志昌さん】
「見通しないですね、もう。頑張ってとりますよ。とれるところは頑張ってとるんですけど、生活ギリギリされるか、されないかというくらい」

県内最大のノリの産地、佐賀市の南川副支所の漁師、田中志昌さんと竹下勝治さん。今月2日に張り込んだばかりのノリの状況に衝撃を受けたといいます。

【南川副のノリ漁師 田中志昌さん】
「たった3日くらいしか経っていないのに一瞬で黄色くなって、どうにもされない」

プランクトンの増殖による赤潮が多く発生した沖合では、深刻なノリの色落ち被害が。比較的栄養塩が多い河口付近と比べると、色の違いは一目瞭然です。

【リポート田中良宜】
「あちらのノリも色落ちが相当ひどい様子が見受けられます。辺り一面のノリが黄色く見えます」

海の状況は改善されているとは言えず、色落ちは沖合の広い範囲で確認されています。

【南川副のノリ漁師 竹下勝治さん】
「今まで漁期後半だったらあるけど、今年は秋芽網ノリからあってるんで。製品化できるかどうか、先はわかりません」

こうした状況は、1つの漁場だけではなく有明海全体に広がっています。小城市の芦刈支所のノリ漁師、土井勝朝さんです。

【芦刈のノリ漁師 土井勝朝さん】
「これはダメ。これは多分製品にならない。具合が悪くなる、この色」

養殖が解禁された当初から色落ちが始まったことにこれまでにない不安を感じています。

【芦刈のノリ漁師 土井勝朝さん】
「秋芽も冷凍も(ダメ)というのは、20数年してきて初めて。今年はどっちもだし、質の良いノリもとれないし、数もとれないし」

中には海の状況が改善されるのを待つためノリ網の張り込みを見送っている漁業者も。土井さんは今シーズンの結果がノリ漁業全体に大きな影響を与えるのではと懸念しています。

【芦刈のノリ漁師 土井勝朝さん】
「もう今年だけとわかっていたらまだしも、来年も再来年もずっとこの海況が続いたら、さすがにノリ漁師は大変だと思う。この状況だったら諦める人も出てくるのも当然かな」

県有明海漁協は、今後、雨が降ることで海の栄養塩が回復することを期待しています。

【県有明海漁協 深川辰己参事】
「今のところ打つ手がない。14日に雨を期待しているので、そこで好転が見られれば。まだ漁業者の方は諦めていないとにかく頑張れということで事務局もハッパをかけている」
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