2023/06/27 (火) 18:40

佐賀市富士町の山あいに約500メートルのアジサイの道があります。いま見頃を迎えていて、梅雨のこの時期、雨に濡れた姿で訪れる人たちを魅了しています。

【リポート】
「富士町古湯の山あいに来ています。田んぼのあぜ道や道路の脇に色とりどりのアジサイが咲いています。しっとりと雨に濡れた姿もまた良いですね」

佐賀市富士町の山間に約500メートルにわたって並ぶ青、紫、白、ピンクなどカラフルなアジサイ。
近くの農家、山中明郎さん74歳が25年ほど前から丹精込めて育ててきたもので、年々挿し木や自然交配で数を増やし、今では約30種類、約800株にのぼります。

【山中明郎さん】
「この道路が、道路改良で道が大きく広く、舗装道路になった。そしたら何か彩りがほしいなと今の時期だったらアジサイが一番いいかなとコツコツと植えたのがはじまり」

当時、兼業農家だった山中さんは梅雨時期に田んぼ仕事が楽しくなるようにと、最初は自分のために所有する棚田の周りにアジサイを植えたといいます。
草刈りをしたりツルを取り除いたりと管理は大変ですが、評判を聞きつけた見物客が県内外から訪れるようになりました。

【来訪者】
「雨に打たれてアジサイは雨が似合う水も滴るみたいな」
【香港からの来訪者】
「とてもきれいかわいい」

【山中明郎さん】
「こんな山の中まで多くの人が見に来て楽しんで喜んでもらえてわたしも幸せ」

2016年には、佐賀市景観賞を受賞。
妻の美知子さんも開花の時期に合わせて手入れをしています。

【山中美知子さん】
「たくさんの人にみてもらってアジサイも喜んでいると思う」
【山中明郎さん】
「わたしが元気な間はきれいな花を咲かせたい。命がどうなるかやれる分はやりたい」

夫婦が丹精込めて守り続けている山間のアジサイは、7月上旬まで楽しむことができるということです。