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イノシシ捕獲用わな ドローンで自動巡回する実証実験 人手不足や高齢化の解決の糸口に?【佐賀県】
2023/07/06 (木) 18:17
県内では年間2億円ほどの被害があるというイノシシなど有害鳥獣による農作物の被害。こうした中、捕獲用のわなをドローンに自動巡回させる実証実験が多久市で行われています。農家も、駆除を担う猟友会も人手不足や高齢化が進むなか、解決の糸口になるんでしょうか?
【中嶋理沙記者】
「多久市の山あいで、今からドローンを使った実証実験が行われます」
多久市でイノシシ対策にドローンを活用した実験をしているのは福岡市の「トルビズオン」
山間部に住む買い物弱者対策としてドローンを使った物資配送の実証実験を多久市で行っていて農作物の被害にもドローンが活用できないかと、今回、実証実験をすることになりました。
あらかじめ山林の3次元データをつくり、イノシシ捕獲用のわなを設置した地点の経緯度や高度を入力したドローンが自動巡回します。
ドローンには生物の熱を捉えるサーモカメラが搭載されていて、野生の鳥や獣を感知しその様子をモニターで確認。
この日は230メートルほど離れた2カ所の箱わなをわずか1分で回り、うち1カ所ではアライグマを捕獲していることが分かりました。
【県猟友会多久支部 木下光次さん】
「車の通路だけなので家から出て20分もあれば回れるがこれだと1分」
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「あんまりわなに近づかない方が良い。人の匂いがどうしてもつくから。イノシシが警戒する。しかし、見回りは毎日しないといけない」
実験に協力しているのは、県猟友会多久支部。
農作物を荒らすイノシシやアライグマ、カラスなどの駆除を行っています。
顧問の毛貫茂さんは70年以上続く農家で、ナスやミカンやモモなどを作っています。
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「とにかくわれわれは死活問題。せっかく育てたやつが収穫間際になって一晩で全滅する状態になる。あれやられたら作る気しない」
県内では、2002年に7億円ほどあった農作物の被害額が減ってはいますが、おととしは約2億円と依然として深刻です。
毛貫さんのナス畑でも先日、旅行で数日見回りをしなかった隙に、被害に遭ったといいます。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「その日から出てきて、きのうもやられた。きょうもやられた。毎日きている」
農作物の被害に対応するため、多久市だけで毎年イノシシを約2000頭前後捕獲しているといいますが、状況は依然として深刻です。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「実際イノシシはその5倍くらいいるだろう」
また、駆除を担う猟友会は高齢化で人手不足も課題となっています。
県猟友会多久支部は、一番多いときで130人いた会員も、今は40人。
60才以上が3分の2を占めます。
猟友会がしかけているわなは約500カ所。
険しい山林を見回る作業も一苦労です。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「歩いて見回りするとわたしは年齢的にもやっぱりきつい」
これらの課題を解決しようと、目を付けたのがドローンです。
【トルビズオン 増本衛社長】
「人手不足を解決するためには効率的に自動でデータを取得したり、今まで人がやっていたことを機械に代替させることが必要。その一番の最先端技術がドローン」
ドローンは決められたルートを自動的に飛ぶことができ、これまで10カ所で2時間程度かかっていた見回りをわずか10分でこなせるといいます。
一方、ドローンの購入費や操縦で課題も。
【県猟友会多久支部 木下光次さん】
「非常に良いと思っているけれどもただ、問題なのは操作。ドローンの操作がわたしたちにできるかどうか。覚えるのにどの程度までできるのか」
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「結構な費用がかかるから猟友会でそれができるだろうか。個人だと手が出にくい」
【トルビズオン 増本衛社長】
「このドローンはカメラも含めると200万以上はするが、ただ、赤外線カメラがあって、かつ自動操縦ができるドローンも一部あるので、そちらを使えばおそらく7、80万でいける」
操作には資格が必要ですが会員は今のところ誰一人資格を持っていません。
しかし、農作物の被害を減らし、猟友会の高齢化に対応する新たな手段となるのか。
ドローンを使った実証実験は5月から1年間ほどかけて行われます。
【中嶋理沙記者】
「多久市の山あいで、今からドローンを使った実証実験が行われます」
多久市でイノシシ対策にドローンを活用した実験をしているのは福岡市の「トルビズオン」
山間部に住む買い物弱者対策としてドローンを使った物資配送の実証実験を多久市で行っていて農作物の被害にもドローンが活用できないかと、今回、実証実験をすることになりました。
あらかじめ山林の3次元データをつくり、イノシシ捕獲用のわなを設置した地点の経緯度や高度を入力したドローンが自動巡回します。
ドローンには生物の熱を捉えるサーモカメラが搭載されていて、野生の鳥や獣を感知しその様子をモニターで確認。
この日は230メートルほど離れた2カ所の箱わなをわずか1分で回り、うち1カ所ではアライグマを捕獲していることが分かりました。
【県猟友会多久支部 木下光次さん】
「車の通路だけなので家から出て20分もあれば回れるがこれだと1分」
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「あんまりわなに近づかない方が良い。人の匂いがどうしてもつくから。イノシシが警戒する。しかし、見回りは毎日しないといけない」
実験に協力しているのは、県猟友会多久支部。
農作物を荒らすイノシシやアライグマ、カラスなどの駆除を行っています。
顧問の毛貫茂さんは70年以上続く農家で、ナスやミカンやモモなどを作っています。
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「とにかくわれわれは死活問題。せっかく育てたやつが収穫間際になって一晩で全滅する状態になる。あれやられたら作る気しない」
県内では、2002年に7億円ほどあった農作物の被害額が減ってはいますが、おととしは約2億円と依然として深刻です。
毛貫さんのナス畑でも先日、旅行で数日見回りをしなかった隙に、被害に遭ったといいます。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「その日から出てきて、きのうもやられた。きょうもやられた。毎日きている」
農作物の被害に対応するため、多久市だけで毎年イノシシを約2000頭前後捕獲しているといいますが、状況は依然として深刻です。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「実際イノシシはその5倍くらいいるだろう」
また、駆除を担う猟友会は高齢化で人手不足も課題となっています。
県猟友会多久支部は、一番多いときで130人いた会員も、今は40人。
60才以上が3分の2を占めます。
猟友会がしかけているわなは約500カ所。
険しい山林を見回る作業も一苦労です。
【佐賀県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「歩いて見回りするとわたしは年齢的にもやっぱりきつい」
これらの課題を解決しようと、目を付けたのがドローンです。
【トルビズオン 増本衛社長】
「人手不足を解決するためには効率的に自動でデータを取得したり、今まで人がやっていたことを機械に代替させることが必要。その一番の最先端技術がドローン」
ドローンは決められたルートを自動的に飛ぶことができ、これまで10カ所で2時間程度かかっていた見回りをわずか10分でこなせるといいます。
一方、ドローンの購入費や操縦で課題も。
【県猟友会多久支部 木下光次さん】
「非常に良いと思っているけれどもただ、問題なのは操作。ドローンの操作がわたしたちにできるかどうか。覚えるのにどの程度までできるのか」
【県猟友会多久支部 毛貫茂顧問】
「結構な費用がかかるから猟友会でそれができるだろうか。個人だと手が出にくい」
【トルビズオン 増本衛社長】
「このドローンはカメラも含めると200万以上はするが、ただ、赤外線カメラがあって、かつ自動操縦ができるドローンも一部あるので、そちらを使えばおそらく7、80万でいける」
操作には資格が必要ですが会員は今のところ誰一人資格を持っていません。
しかし、農作物の被害を減らし、猟友会の高齢化に対応する新たな手段となるのか。
ドローンを使った実証実験は5月から1年間ほどかけて行われます。
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