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2カ月以上経っても"農地の復旧"進まず 7月大雨で甚大な被害が出た唐津市の山間部の現状【佐賀県】

2023/09/26 (火) 18:40

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7月の大雨で甚大な被害が出た唐津市の山間部。災害から2カ月以上が経っても農地の復旧は進んでおらず多くの課題が残っています。復旧の現状を追いました。

車道沿いの土砂や流木の高さは2メートルを超えています。唐津市の山間部七山では大雨による通行止めはほとんど解除され、電気や水道などのインフラ整備もほぼ完了しています。一方、崩落した箇所はいまだ応急処置のみ。2ヵ月以上経っても土砂は崩れたままで被害の大きさを物語ります。
7月に九州北部で発生した大雨。斜面や道路の崩落など、県内の被害額は約360億円に上っています。

【石川農園】
「もうやっぱり水は怖いね。しょうがないもんね自然災害やけんこればっかりはね」

七山のトマト農家石川農園です。7月の大雨でハウス内の全てのトマトが雨水に浸かりました。流れ込んだ土砂が水路を塞ぎ、水を逃がすことも、くむこともできなくなり、現在は井戸水をくみ上げながら生産を続け、無事に出荷ができるまでになりました。

【石川農園】
「水はけないところはやっぱり調子が悪い。どうにか持ちこたえたねって言って。水は欲しいけんやらないかんで悪循環。(収穫は)少ないかな今年は」

水路の復旧はこれからでようやく土砂の撤去に向けた計測が始まる予定です。一方、浸水被害は自宅にも。

【石川農園】
「収穫はしないといけない家は片づけないといけないで。ちょうど稼がないかん時に災害があってえっていう感じ。皆さん助けて頂いて。ボランティアさんたちにも本当感謝ですね。人間の手って優しいね。もう感謝感謝」

【鶴田堅市さん】
「そこから土砂が流れこんできて、ここらへんまで泥がいっぱいありましたもんね」

夫婦で農園を営みスモモなどを生産する鶴田堅市さん。
この農園も大雨で大きな被害を受けました。幸いにも収穫が終わった直後でしたが、大雨で土砂が流れ込み、スモモのハウスは何カ所も柱が折れました。
大雨から2ヵ月後、9月11日にボランティアの力を借りてようやく土砂を撤去しました。
七山では農作物や関連施設の被害件数はあわせて180件にのぼりました。そんな中、被災した農家を支援しようと地域おこし協力隊員が中心となり行われたのが、約1カ月間のクラウドファンディング。

集まった432万円は、申請のあった農家に均等に配る予定で、これまでに14件の申し込みがきているといいます。
政府はこの大雨災害を激甚災害に指定。国の補助率を引き上げ、道路や農地の早期復旧を目指していますが、現場からは長期化への懸念の声があがります。

【諸熊道晴池 原地区長】
「市から言われとるのは概ね2年は待ってくれ、1年で終わらんよ、工事の量が多いしね」

10月から被害箇所の審査が始まり、工事は来年以降になる見込みです。

【諸熊道晴 池原地区長】
「(審査が)通るのか通らないのかということを早くね通告してほしいな」

審査では山と隣接した農地に土砂が滑り込んだ場合補助金が出ない可能性が高く、自力で再建する必要があります。審査も始まっていない中では来年の見通しが立たず住民には不安や焦りが募っています。

【諸熊道晴 池原地区長】
「あまりにも災害の数が多すぎてどうしても市とか県とか優先順位があるやろうけんね。見捨てられんやろうかって心配」

災害から2ヵ月が経ち農家の復旧はまだまだこれから。来年の生産に向けて多くの課題が残っています。
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