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25周年を迎えた"佐賀空港"  国際線の影響で利用客増 滑走路延長など課題も【佐賀県佐賀市】

2023/09/28 (木) 18:40

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毎週木曜日はサガリサーチα。今回は今年25周年を迎えた佐賀空港のこれまでの歩みを振り返ります。一方、滑走路延長やオスプレイなど取り巻く環境が変わっていくなか今後どのように発展していくのでしょうか。

今年で25周年を迎えた「佐賀空港」。

【国際線の利用客】
「簡単に佐賀・地元に帰れるのはすごく便利だなと思った」
【国際線の利用客 韓国から(ソウル便)】
「小さくてもきれいだし手続きも早くて良かった」

25年間の利用者はのべおよそ1000万人。県内をはじめ国内外から幅広く親しまれてきました。

【県空港課 田中丈晴課長】
「(佐賀空港は)色々なポテンシャルがある空港だと思っている、地理的要因、近隣の福岡空港は混雑空港だがこれの機能代替も可能だと思っている、また、防災拠点にもなる空港だと思っているので。色々なポテンシャルを活かしながら利用促進を図っていき東京便の増便、国際線の充実、その先にある滑走路延長をしっかりやっていきたい」

1998年7月28日、佐賀市川副町に開港した佐賀空港。着陸する第一便を一目見ようと展望デッキには入りきれないほど多くの人が詰めかけました。
当時、九州では佐賀県だけ空港がなく、初めは国内線の東京・大阪・名古屋の3路線でスタートしました。

【空港を訪れた人】
「感激した」
「とても良い空港だと思う、広々していて離発着がしやすくて」

一方、ほぼ同じ時期、福岡空港にスカイマークなどの“中堅航空会社”が就航。運賃競争が激化した影響で佐賀空港の利用者は現在の半分以下、年間約34万人に留まり伸び悩みました。そんな中、転機となったのが…

【国際線の利用客 熊本から(上海便)】
「いつも佐賀空港から上海まで」
【国際線の利用客 中国から(上海便)】
「往復の値段がとても安い」

“国際線の誘致”です。2012年の上海便を皮切りに翌年にはソウル便も就航。その後、新たに成田便や羽田便の増便などもあり2017年には建設時の需要予測である年間73万7000人を突破しました。新型コロナの影響で2020年には利用客が約11万人まで落ち込みましたが現在の羽田便はピーク時の9割ほどまで回復しています。

全国的に見てかなり規模が小さい佐賀空港。敷地面積は114ヘクタールで、羽田空港の13分の1、福岡空港の3分の1しかありません。一方、その小ささゆえに駐車場からチェックインカウンターまで最短1分で行くことができるなど利用客からは「シンプルで使いやすい」と好評です。

【国際線の利用客 福岡県から(ソウル便)】
「迷わずにすぐティーウェイ航空が見えたので使いやすいと思った」
【羽田便の利用客 佐賀から】
「空港内で(迷わず)福岡と違って身近に利用できるのが便利」

さらに、佐賀空港は2000台以上の無料駐車場も完備。

【羽田便の利用客 佐賀から】
「車で来た、駐車場が無料なのですごく良いと思う」
【羽田便の利用客 東京から】
「便利だと思う、今、車で送ってもらった、広いし」

今年7月、国内線利用者に県が行ったアンケートでは佐賀空港の魅力で最も多かったのが“駐車場”でした。

【長島リポーター】
「佐賀空港にはおよそ2000台がとめられる駐車場があります、ほとんどは無料ですが空港の入口に一番近い一角は有料となっていて利用客はまばらです」

一方、去年12月県は駐車場の一部を有料化。無料の駐車場は、平日でも多くの車がとまっているのに対し、有料ゾーンにとまっていたのは平日のこの日は4台でした。

【国際線の利用客 福岡県から(ソウル便)】
「無料の場所があるなら近いところは有料でも良いと思う」

現在、有料駐車場の利用は月に300台から400台ほど。県は「順調に運用できている」とし、「今後利用者が増えれば拡充も含め、あり方を見直す」としています。
開港25周年を迎えた今年、運休していた国際線も復活。4月に台北便、9月には上海便とソウル便が相次いで運航を再開し、連日多くの客が利用しています。
国際線の利用者からは直通便の便利さや価格の安さなどが魅力として挙がり、週2便運航している台北便は常にほぼ満席状態だということです。

【県空港課 田中丈晴課長】
「インバウンドというところで捉えると、佐賀空港の立地は非常に良いと思うし、国内の人にとっても有明海沿岸道路が延伸していて佐賀県内でも着実に伸びているが、そういうところがさらに広まっていけば佐賀空港にアクセスしやすいというところで、皆様に利用してもらえる空港になるのでは」

コロナを乗り越え再び軌道に乗り始めた佐賀空港。一方、すぐ横ではオスプレイ駐屯地の建設工事も始まったほか県は滑走路の延長も計画するなど、空港を取り巻く環境はさらに変化していく見通しです。

【県空港課 田中丈晴課長】
「いま佐賀空港の滑走路は2000メートルなのですがこの2000メートルを東に500メートル延長する案と(東に)400メートルと西に100メートル延長する2案がある」

延長されればすでに通っている国際線の便数を増やすことができるほか、タイやシンガポールなど比較的距離が遠い空港からの路線まで誘致の可能性が広がります。
県は今年から滑走路延長に必要な調査を始め、「およそ10年で実現させたい」としています。
また、別の動きも。

【山口知事】
「フル規格を議論するのであればこれまでの延長線上の議論ではなく、九州佐賀国際空港の活用や有明海沿岸道路などとの連携を含めて佐賀県や九州全体の将来展望にどうつなげていくのか」

9月の県議会で知事が指摘したのが九州新幹線長崎ルートの未整備区間、新鳥栖ー武雄温泉間の佐賀空港周辺を通る“南回りルート”。
新幹線と佐賀空港を連携させることで、九州全体の発展に貢献できる新たな可能性を示唆しました。

国際線の復活、そして滑走路延長による増便と新たな路線、さらには新幹線との連携。いまだ不透明な部分も多く今後、佐賀空港がどのような変貌を遂げるのか注目されます。

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