2024/01/31 (水) 18:40

毎週水曜日はかちスポ。今回はレスリングの話題です。圧倒的な実力で2年連続の高校3冠を達成した鳥栖工業の甫木元起選手。約150キロの丸太上げなどで肉体づくりに精を出し、今年から大学に進学し本格的にオリンピックを目指す挑戦が始まります。

【甫木元起選手】
150キロの丸太あげを1日1時間。肉体を鍛えぬき目指す目標は…

「自分の夢というか目標はオリンピックで優勝することなので」

去年、インターハイと国体で全国制覇を果たした強豪・鳥栖工業高校レスリング部。重量級と呼ばれる92キロ級で、全国の強豪を圧倒し2年連続高校3冠の偉業を果たしたのは鹿島市出身甫木元起選手3年生です。

【甫木元起選手】
「より強い相手に勝つときとか、自分が考えた技とかがかかった時はすごく楽しいです」

打撃やつかみ技が禁止され、体と技をぶつけ合う人類最古の格闘技レスリング。

【甫木元起選手】
「軽量級の動きを重量級でもできるように、はやい動きとかテクニックとか」

一瞬にして大きな体が消えるスピードと、多彩な技を繰り出す圧倒的なテクニックで相手を圧倒します。

【甫木元起選手】
「タックルとそこからグラウンドでローリングで試合を決めるところ」

【小柴健二監督】
「左右（の攻撃）もできてきてますし、意外と受けも強いのでそういう部分でも海外とたたかった時にいきてくるんじゃないかと思います」

【鹿児島特別国体優勝 松原拓郎選手】
「手の長さとか全部いかして特徴にあったレスリングをしているところ（がすごい）」

【堀記者】
「ひざに触れるかチャレンジしたいと思います」

学生時代ハンドボールで鍛えた脚力を駆使し全力で挑みますが…長い手で完全に守られかすりもせず、最後は100キロ近い体を軽々と持ちあげられました。

【甫木元起選手】
Q．重くなかった「全然大丈夫です」

高校生離れしたパワーとスピードを持つ甫木選手ですが、同じ階級にはライバルで絶対王者の存在が…

【甫木元起選手】
Q．現在のライバル選手は誰ですか？「ライバル選手は日大の吉田アラシ選手です」

【小柴健二監督】
「甫木はこれでやられたんです。この前の全日本。この技で最後フォール負けしたんで」

パリオリンピックの選考会アジア大会への出場をかけた去年12月の全日本選手権。大会で唯一吉田選手からポイントを奪いましたが惜しくも敗れました。

【甫木元起選手】
「間合いをとるのが上手で、そのペースに飲まれると自分のレスリングを出せずに負けてしまう。その選手に勝たないとオリンピックはないかなと思っています」

オリンピックは92キロ級がないため、97キロに階級を上げて挑んだ全日本選手権。実は甫木選手、中学入学時は57キロ級。努力を続けなんと40キロも増量しました。

【小柴健二監督】
「レスリング以外の食事の面でもほんとうにきつい中がんばったと思います」

苦しい増量生活を支えたのは、母・優さんの特製メニューでした。一日で6合約2キロのコメを食べ、体を作ってきました。

【父・康二さん】
「元起は小さい時からやれって言われたことを最後までやるのがほんとうにすごいなと思っていましたね」
【妹】
Q．どんなお兄ちゃんですか？「強いお兄ちゃん」

オリンピックでの頂を目指し理想の肉体を手に入れるため最大150キロの丸太とタイヤで帰宅後もトレーニングに励みます。

【甫木元起選手】
「ほんとう全身使うし、レスリングは組手をするのでこのへんの筋肉は大事なので」
Q．どうしてここまでがんばれるんですか？「オリンピックで金メダル獲るところまでですかね」

4月から日本体育大学に進学する甫木選手。

【甫木元起選手】
「今までやってきていない選手とこれからできるのでそこは楽しみです。（パリの）次のロサンゼルスオリンピックから狙ってできればそこで優勝して…はい」

夢の実現に向かって、まずは今年地元佐賀で開催される国スポでの優勝を誓います。

【甫木元起選手】
「地元（開催）応援してくれる人もすごくいると思うので、これまで以上に活躍できるような、レスリングわからない人が見てもおもしろいと思うような試合ができるようがんばりたいですね」