2024/05/24 (金) 18:40

続いては世界チャンピオンを目指す鳥栖市出身のプロボクサーを紹介します。去年プロデビューを果たすとわずか3試合目で初タイトルを獲得。さらなる高みを目指しトレーニングに励んでいます。

周りを圧倒する気迫でスピードのあるパンチを打ち込む野上翔選手23歳。鳥栖市出身のプロボクサーです。

【野上翔選手】
「世界チャンピオンになって、こんな田舎でも大きい舞台に立てるんだよというのは見せてあげたい」

この日は母校の旧・杵島商業高校、現在の白石高校商業科キャンパスを訪れ、後輩の高校生たちと練習に励んでいました。
ボクシングとの出会いは小学校3年生のとき。父親の勧めでボクシングサークルに入り、そこで恩師となる森田隆宏先生と出会います。指導を受け野上選手は小学生、中学生で日本1に。

【野上翔選手】
「高校入るときも違う県に行くかと迷ったが、佐賀のために活躍していきたいと（思いが）あったので残って」

地元・佐賀に貢献したいと森田先生がいる大町町の旧・杵島商業高校へ進学しました。当時のボクシング部は専用のリングは持っておらず、空き教室を使っての練習の日々。充実した設備がない中でも地道に鍛錬を積んだといいます。野上選手の強さの秘訣について長年指導してきた森田先生は…。

【森田隆宏先生】
「目と勘が良い、目から得た情報をしっかり足に伝えて良いポジションを取るなど」

さらに独特のリズム感から相手が予測できないタイミングで攻撃を仕掛ける天性の才能が幼いころからあったと話します。
野上選手は進学先の東京の大学でもボクシングを続け、卒業後、現在の所属ジムであるRK蒲田ボクシングファミリーに入りました。去年プロデビューを果たすと今年3月、都内で開かれた日本フライ級ユース王座決定戦で判定勝ち。デビュー後わずか3試合目で初タイトルを獲得しました。試合を振り返り野上選手は…。

【野上翔選手】
「試合内容がだめだめすぎて勝ってうれしいというより、ほっとしたというか、よかったという複雑な感情というか、1からまた頑張らないといけないなと」

一方、現地で試合を見届けた森田先生はこれまでの日々を思い出しこみ上げてくるものがあったといいます。

【森田隆宏先生】
「やった、うれしい、これが第一、やっとかと。（これまで）判定となった瞬間に2人非常に悔しい思いをずっとしてきたが、今回評価を受けたので当然だろうという気持ちはあった」

恩師や所属ジムの会長など多くの人のサポートでプロとして歩み出した野上選手。5月8日には県庁を訪れ、チャンピオンベルトを手に山口知事に勝利を報告し、さらなる高みを目指すと意気込みを語りました。

【野上翔選手】
「目標は世界チャンピオンになることだが、それを佐賀のアリーナでできるようにもっともっと地域タイトルをとって佐賀にベルトを持って帰ってこられるように頑張る」