2025/06/02 (月) 18:40

佐賀の魅力を深く紹介する「佐賀最発見」です。今回は、佐賀県産にこだわった蜂蜜の新ブランド「さが8みつ」について。今年8月の商品化を目指し、プロジェクトが動き出しました。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「糖度も含め、今までの国産蜂蜜とは違う“佐賀独自で頑張っていますよ”というのを皆さんに味わっていただけたら」

その名も「さが8みつ」“佐賀県産”にこだわった蜂蜜の新ブランドです。
春の陽気に誘われてせっせと働くミツバチ。いま最盛期を迎えているのが蜂蜜の収穫です。この時期はミカンの花の蜜が詰まっているといいますが…

【川浪記者】
「わ、重っ、結構ずっしりきますね、何キロくらい？」
【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「2キロ以上あります」
【川浪記者】
「それだけ詰まっている？」
【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「はい、だいたい2キロ」

佐賀市大和町などで養蜂を営む岩松宏明さんの養蜂場でも収穫作業が行われています。この場所には約30箱の巣箱が設置されていて、巣箱ひとつにつき3万ものミツバチが働いています。
また収穫した蜂蜜やジェラートを販売する店舗には根強いファンもいます。一方で…

【客・みやき町から（30代）】
「やっぱり中国産とか日本産とか気になる」
【客・佐賀市から（80代）】
「やっぱり佐賀産が良い」
【客・佐賀市から（40代）】
「食すものはすべて知っておきたいと思う」

蜂蜜を買い求める人の多くが気になっているのが、“国産なのか？”“佐賀県産なのか？”そして“本物なのか？”

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「（蜂蜜は）普通の農産物と違って、ここでとれているというのが証明しづらいというのがある」

国のまとめによりますと、国内では約4万4500トンの蜂蜜が流通していて、そのうち国内で生産されているのは約2600トン国内自給率はわずか6％ほどとなっています。

県内では現在県養蜂協同組合に所属する約30の養蜂農家が年間約1万8700キロの蜂蜜を生産していますが、生産者は、消費者の疑問に応えられているのかもどかしさもあったといいます。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「本物、本気の蜂蜜作りを行っている養蜂のすばらしさに気づいていただけるきっかけにつなげていきたいというのが今回のブランド蜂蜜の主旨」

そこで動き出したのが県内の養蜂農家12人でつくる佐賀県養蜂組合協議会、蜂蜜の新ブランドを「さが8みつ」の生産がスタートしました。岩松さんは協議会のプロジェクトリーダーです。
今年4月に開かれた集会では商品化へ向け、収穫のスケジュールやルールを共有していました。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「消費者に少しでも佐賀県産であることをアピールできれば。ぜひこの佐賀の自然からとれた蜂蜜を食べていただきたい」

まだ市場にも出回っていない「さが8みつ」を一足先にいただいてみました。

【川浪記者】
「甘っ！すごく糖度があって、かなり濃厚です。舌触りがしっかりしていて花の香りも感じられます。すごくおいしいです」

それもそのはず「さが8みつ」の糖度の基準は81度以上、国内基準（78度）や世界の平均基準（80度）を上回っています。しかし「さが8みつ」の魅力はそれだけではありません。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「（名前に）“8”という数字が入っている。この8つの基準をクリアしたものが“さが8みつ”と表示して販売できる」

「さが8みつ」には糖度のほか、酵素の量、保存方法、結晶融解温度という4つの評価基準があります。さらに蜂蜜に含まれる花粉が蜜源の植物と適合しているかなど、製品の情報を追跡するいわゆるトレーサビリティに重点を置いた4つの基準、合わせて8つの基準を満たした蜂蜜です。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「巣枠にナンバーをふって、花粉を分析していくというところが世界初の取り組み」

ラベルにはQRコードを記載し、採蜜日や採蜜場所、蜜源植物の開花状況など生産履歴を確認することができ、“佐賀県産”だということが目に見えてわかるようになります。

「さが8みつ」は糖度が上がる5月中旬から6月上旬ごろまでに収穫する予定で、通常1週間から10日ほどで収穫するところを2週間から20日後に収穫し糖度を上げています。

【岩松養蜂店 岩松宏明さん】
「難しさもあるが、その先には良いものをもっとつくれるだろうし、その取り組み自体が評価されるんじゃないか。“佐賀でとっている”というのを少しでもお客さんに信用してもらえるような取り組みになれば」

蜂蜜の新ブランド「さが8みつ」は今年8月3日の蜂蜜の日の販売を目指していて、来年以降、本格的な生産につなげていきたいということです。