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ニュース 2020/12/11 (金)

新幹線・長崎ルートの光と影② 特急激減…鹿島市の不安

特急激減で募る市民の不安

新幹線長崎ルートをめぐる問題を考えるシリーズ。

2回目は、再来年の長崎ルート暫定開業により並行在来線の沿線となる鹿島市に焦点を当てます。

特急列車の本数が激減する予定で、市民からは不安の声が上がっています。

鹿島市にあるJR肥前鹿島駅。1日に約1200人がここで乗車します。長崎本線の佐賀駅より西側で、県内で特急が停車するのはこの肥前鹿島駅と肥前山口駅のみです。

再来年秋に予定されている九州新幹線・長崎ルートの暫定開業。武雄温泉駅から長崎駅を結ぶ新幹線が開業することで、肥前鹿島駅を含む長崎本線の肥前山口-諫早間は並行在来線となります。

 

特急列車50本が10本に

肥前鹿島駅の特急の本数は現在、上下50本程度です。

しかし、2016年の佐賀県・長崎県・国・JRなどの6者合意により、博多-肥前鹿島間の特急本数を開業後3年間は14本程度、その後20年間は10本程度で運行することが確認されました。

駅の利用客の不安は募ります。

地元の経済界も困惑

鹿島市の経済界にも話を聞きました。

【鹿島商工会議所 森孝一 会頭】

「10本となると片道5本ですから、これが何時頃運行するのか、どこでダイヤが決まるのか分からないから、そうなると通勤とか通学とか、出張者、地元企業も非常に困る」

普通列車 佐賀・博多への直通なくなる懸念

6者合意では、普通列車については、暫定開業後も「サービスレベル」の「現行水準を維持」すると記されていました。

しかし、普通列車にも別の問題が・・・。

肥前鹿島駅から西が非電化区間になり、ディーゼル車両になることで速度が遅くなるため、佐賀・博多方面への直通が難しいという見解をJR九州が県に示しています。

普通列車は肥前山口駅での乗り換えが必須になることが懸念されています。

これについてJR九州の幹部が、県議会(11月2日)で見解を示しました。

【JR九州・古宮洋二専務】

「6者合意のサービスレベルとは、普通列車は運転本数しか記載されていないことから、当社としては運行本数を合意したものと理解している。佐賀方面の直通運行についてサービスレベル維持の約束を守っていないというご指摘には当たらないと考える」

利便性とは本数の問題だけなのか?

利用者の利便性とは、本数の問題だけなのでしょうか。

地元住民からは不安と不満の声が上がっています。

【肥前鹿島~佐賀駅利用の女性】

「肥前山口駅って階段が一個しかないんです。高校生とかすごく多いし、お年寄りも使うんだから。乗ったことあるの?って思いますね。あの人波に乗って、肥前山口駅で乗りかえてみろって思います」

午後1時台の次は午後5時台

在来線の減便は高校生の通学に大きく影響します。

【太良町から通う高校生】

むしろ今より増やしてほしい。少なすぎる。部活で、午後1時の便を逃したら次は午後5時みたいな感じなので、結構きついです」

肥前鹿島駅から太良町に行く普通列車は、午後1時台の次は午後5時台までありません。

現在でも、利便性が良いとは言えない状況です。

新幹線の「影」になる…

【鹿島商工会議所 森孝一会頭】

「在来線が減便されると、我々にとっては進出企業とか呼ぶ場合には非常にハンデになるし、レベルダウンになる。鹿島が、自分たちが犠牲になって新幹線が出来るということだから、その代償として存続する在来線の利便性をとにかく高めてもらいたい」

現在、大きな問題になっている新鳥栖-武雄温泉間の整備方式。森会頭は、「全線フル規格に反対するわけではない」としつつ、その影響を懸念します。

【鹿島商工会議所 森孝一会頭】

「フル規格という話もありますね。そうなったときは費用がどうなのだろうかと、これが一番心配ですね。やはり佐賀県の予算を使うわけですから。そっちの方に費用を使われてしまうとなると、ちょっと本当に大変なことになると」

肥前鹿島駅前では、夕方、送迎の車が列をなして道路に並ぶ光景がみられます。鹿島商工会議所は、駅の導線に課題がある肥前鹿島駅の再整備のほか、有明海沿岸道路の早期整備や長崎自動車道から鹿島への高規格道路の整備を国や県に訴え続けています。こういったところに予算が回ってこなくなるのではないかと懸念しているのです。

【鹿島商工会議所 森孝一会頭】

「新幹線の西九州ルート(長崎ルート)というのは、やっぱり西九州、佐賀県南西部の一体化で盛り上げていこうというもので、光と影は作らないということだったが、今の状況だとどうしても、どう見てもこっちが影になってきている

 

ガタリンピック、酒蔵ツーリズム、祐徳稲荷神社など、地元の努力によって観光面で注目を高めてきた鹿島市。そこに影を落とさないためにすべての関係者の知恵と協力が求められます。

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